<< 東京市場の動き >>
週明け29日の東京市場は、揉み合い。東京休場のためか動意に乏しく、111円半ばから後半にかけてのレンジ取引に終始している。
週末に、「日米首脳会談」に絡む報道が相次いだほか、欧州については「スペイン総選挙」の開票速報が報じられるなか、週明けの市場が寄り付いた。ドル/円だけでなく、クロスも含めて、前週末終値比でみて若干の円高水準で取引が開始したものの、多くの通貨ペアはそのレベルが日中の最安値。以降、時間が経つに連れ、じり高推移をたどっている。
ドル/円は、結局111.50-70円といった20ポイント程度のレンジ取引となり、16時時点では111.65円前後で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「日米首脳会談」について。
オフィシャルな会談では「貿易交渉の加速で一致した」と報じられたが、トランプ米大統領によると、その後も安倍首相とはゴルフなどをとおして非公式な会談を実施していたようだ。そのうえで、トランプ氏はのちに支持者集会において「日本は米農産物を買っていない」、「日本が400億ドルの対米投資を約束」などと発言している。なお、日米首脳会談の同席した茂木経財相からは「米国から為替条項や自動車数量規制の要求なかった」とのコメントが聞かれていた。
そのほか単発モノとして、先で指摘したスペイン総選挙は「与党社会労働党が第1党も過半数届かず、極右政党も議席」、「悠仁さまの席に刃物、何者かが学校侵入」、香港紙「米中首脳会談、貿易問題進展なら6月にも実施」、北朝鮮国家機関「米国が韓国に圧力と非難」、FOX「米大統領補佐官、北めぐる6ヵ国協議の再開を否定」、ABC「ムーア氏、FRB理事候補から退かない意向」−−といった発言や報道が観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
東京勢はいよいよGWの10連休に突入したが、ここまでは取り立てて動きはない。実際、東京休場のアジアタイムはわずか20ポイント程度と、かなり狭いレンジ取引に終始している。したがって、方向性が乏しいことは改めて指摘するまでもないが、GWはまだ始まったばかり。引き続きマーケットでは「フラッシュクラッシュ(瞬間的暴落)」などを警戒する向きも少なくいようだ。
材料的に見た場合、今週は週間を通して東京が休場となるなか、「米中貿易協議」や「FOMC」、「4月の米雇用統計発表」といった重要材料が相次ぐ。やはり、薄商いのなか思わぬ価格変動には注意が必要なのかもしれない。そのなかでも、まず注視したいのは30日に実施される「米中貿易協議」だろう。週末にも、CNBCが米NEC委員長の発言として「良好なGDP成長率は対中貿易交渉にプラス」と報じるなど、全般的には楽観的なトーンが漂うなか、果たして大きな進展が見られるのか要注目だ。
テクニカルに見た場合、先週24日から25日にかけてみられた乱高下も一服、足もとの相場は再び落ち着きを取り戻している感を否めない。
今週は材料が多いだけに予断は許さないが、目先は先週形成した111.40-112.40円といった1円レンジ内での変動が続く可能性がある。ただ、上抜けた場合には113円接近が予想される反面、下放れた際には10日安値の110.82円がターゲットに。
一方、材料的に見た場合、3月のPCEデフレーターや4月のダラス連銀製造業活動指数など幾つかの米経済指標が発表されるほか、アルファベットやマクドナルドなどの決算発表も予定されている。それらは一応要注意。
ただ、明日に注目の「米中貿易協議」を控えていることで、基本はそれにらみとの指摘も。次の動意に向けた雌伏の時間が続く可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.30-112.10円。ドル高・円安方向は、先週末高値である112.00円レベルが最初の抵抗。上抜ければ年初来高値112.40円レベルが視界内に入ってくる。
対するドル安・円高方向は、先週2度ドルの下値をサポートした111.40円レベルの攻防にまずは注視。引き続き底堅いイメージだが、しっかり割り込むと110円台突入の芽もみえてくる。(了)
オーダー/ポジション状況
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