ドル円はドル高維持出来るか正念場、日米協議を注視(4/15夕)

週明け15日の東京市場は、112円挟みで揉み合い。終日を通したレンジは20ポイント程度にとどまり、明確な方向性はうかがえなかった。

ドル円はドル高維持出来るか正念場、日米協議を注視(4/15夕)

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週明け15日の東京市場は、112円挟みで揉み合い。終日を通したレンジは20ポイント程度にとどまり、明確な方向性はうかがえなかった。

週末にトランプ米大統領から「FRBが適切な仕事をしていれば、株式は5000-10000ポイント以上高い」との発言が聞かれるなか、週明けの相場がオープン。ドル円は111.90-95円と、先週末のNYクローズと大差でないレベルで寄り付いたものの、111.90-112.10円といった20ポイントレンジに終始している。日経平均株価は大引けベースで298円の大幅高となったが、為替市場への影響は限定的だった。16時時点では111.90円前後で推移、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」について。
米欧についてロイターが「EU、200億ユーロの対米報復関税検討」、米中は米紙WSJ「米中貿易協議、『人民元安誘導には罰則』を検討」−−との報道が観測される一方、日米は時事通信「政府、日米協議で農業先行合意に応じず」、麻生財務相「対日貿易交渉、米は急がず」、米財務長官「日米通商協議に『為替条項』盛り込みたい」、毎日新聞「トランプ氏の『ちゃぶ台返し』を懸念、『共同声明』軸に日米協議実施へ」といった様々な発言や報道があったようだ。
そのほか単発モノとして、時事通信「英議会が11日間の休暇入り、EU離脱そっちのけ」、北委員長「米側が正しい姿勢で臨むのなら3回目の米朝首脳会談を行う意欲がある」、黒田日銀総裁「必要なら、さらなる追加緩和も」、OECD報告「日本は消費税最大26%まで引き上げを」−−などの発言や報道もあり、それぞれ思惑を呼んでいた。

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先週末に112円台を回復、年初来高値に面合わせするなど、リスクという点ではドル高方向にバイアスがかかりそう。しかし、本日の東京時間にドルは続伸することが出来ず、高値圏での揉み合いとなっている。時間足などをみると、10日安値からほぼ一本調子で1円を超える上昇をたどっていることもあり、時間調整だと思っているが、予断は許さない。仮に、移動平均の200日線が位置する111円半ばを下回ると、市場の雰囲気が変化する可能性もありそうだ。
材料的に見た場合、「米貿易問題」が引き続き重要な材料に。難航している感のある米欧、そして米中の動きも気になるが、15-16日に実施される「日米貿易交渉」の行方に注意を払いたい。たとえば、朝日新聞では「日本側は協議での議論は避けたい考えだが、将来的に米側が為替問題を『カード』に譲歩を求めてくる可能性がある」などと報じていた。一方、先週まで市場の波乱要因だった「英国情勢」は、5月1日のメーデーに向け「英議会が11日間の休暇入り」に入ったことで、しばらくは小康となるか!?

テクニカルに見た場合、リスクはドル高方向にバイアスがかかりそう。年初来高値である112.13円が視界内に捉えられており、抜ければ113円へと一気に迫る可能性もある。
ただ、先週から何度もレポートしている「ドル/円の日足チャートは、3月安値109.70円を中心に、左右対称形(シンメトリー)を形作っているようにみえる」−−状態は、まだ継続中。つまり、多少の時間は必要だが、ドルの下値リスクは残っているのかもしれない。

一方、材料的に見た場合、2月の対米証券投資など幾つかの米経済指標が発表されるほか、米財務省が半期に一度の「為替報告書」の議会提出を行う見込みだ。ちなみに後者で、日本は前回、「為替操作国の認定」を免れたものの、「監視対象国」継続となった。今回も予断は許さない。
そのほか、16日までの予定で実施される「日米貿易交渉」の行方には要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.40-112.30円。ドル高・円安方向は、先週末高値近い年初来高値112.13円が最初の抵抗で、しっかり抜ければ113円近くまでのドル続伸も。
対するドル安・円高方向は、すでに111.80円に弱いサポートが位置しており、まずは同レベルの攻防を注視、割り込めば移動平均の200日線が位置する111円半ば、同25日線が位置する111.15-20円などがターゲットに。

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