来週の為替見通し 英国リスクを警戒しつつもリスク選好地合いが継続か(4/6)

4/1週のドル円相場は、リスク選好ムードの高まりを背景に週を通して堅調推移が継続しました。

来週の為替見通し  英国リスクを警戒しつつもリスク選好地合いが継続か(4/6)

来週の為替見通し 英国リスクを警戒しつつもリスク選好地合いが継続か

4/1-4/5の振り返り

4/1週のドル円相場は、リスク選好ムードの高まりを背景に週を通して堅調推移が継続しました。背景には、@中国の3月製造業PMI(3/31)が市場予想を上回ったこと、A中国の3月財新製造業PMI(4/1)が市場予想を上回ったこと、B本邦の新元号決定を受けて、株式市場でご祝儀買い的ムードが高まったこと(4/1)、C冴えない日銀短観を受けて本邦の追加緩和期待が強まったこと(4/1)、D本邦機関投資家による新年度入りの外債投資の思惑が強まったこと、E米国の3月ISM製造業景気指数が市場予想を上回ったこと(4/1)、F米国の新規失業保険申請件数が約50年ぶり低水準を記録したこと(4/4)、G米中通商協議が最終合意に近づきつつあるとの期待感が高まったことなど、好材料が相次いだことが挙げられます。

もっとも、詳細に見れば、米国の小売売上高やISM非製造業景気指数は依然冴えず、また米国の平均時給の伸びも鈍化しました。英国を巡る不透明感や合意なき離脱リスクの高まりも気がかりです。しかし、悪い材料には目をつむり、良い材料にのみ反応する「楽観的なセンチメント」がこうした悪材料をかき消した格好です。ドル円は週初につけた安値110.80をボトムに切り返すと、週末NY時間には高値111.81を記録するなど、週を通して堅調な動きが継続しました。

一方、4/1週のユーロドル相場は方向感に欠ける値動きとなりました。@対主要通貨でドル買い圧力が強まったこと、Aユーロ圏の3月製造業PMI指数が予想比下振れたこと、B英国の欧州連合離脱を巡る不透明感が高まったこと等を背景に、約1ヶ月ぶり安値となる1.1183まで下落する場面も見られましたが、Cユーロ圏の3月サービス業PMIや、Dユーロ圏の2月小売売上高が市場予想を上回ると反発に転じ、週半ばにかけては、高値となる1.1253まで上昇しました。しかし、EIFOやIWHなどドイツの5大経済研究所が同国の今年の成長率見通しを大幅に引き下げたこと(従来の1.9%予想から0.8%予想へ)、Fイタリア政府が同国の今年の成長率見通しを大幅に引き下げたこと(従来の1.0%予想から0.1%予想へ)が重石となると、週末にかけてユーロドルは再び反落。週間値幅がわずか70ポイントに留まるなど、方向感を見出しづらい1週間となりました。

4/8-4/12の展望

来週もリスク選好地合いを背景とした「ドル高・円安」の流れは続くと予想します。テクニカル的に見れば、心理的節目と見られていた、@200日移動平均線(111.48、赤線)や、A3/5高値と3/15高値を結んだ抵抗線(111.57、黒線)を終値ベースで明確に突破したことで、「もみ合い」から「上離れ」への転換が期待されます。新年度入りを受けた本邦機関投資家による外債投資も見込まれる中、来週発表される米国の3月消費者物価指数(4/10)や、FOMC議事要旨(4/11)、米国の3月生産者物価指数(4/11)等にネガティブサプライズが見られなければ、3/15高値の111.91や、3/5に付けた年初来高値112.12への続伸も十分想定されます。

但し、英国情勢を巡るヘッドラインには引き続き警戒が必要です。メイ首相は4/5、欧州連合のトゥスク大統領宛に、離脱期限の再延期(6/30まで)を要請しましたが、欧州連合がこれに応じるか否かは未だ不透明です。マクロン仏大統領やユンケル欧州委員長、カーニーBOE総裁は先日、「合意なき離脱リスク」の可能性を強調し、市場が同リスクを過小評価している点に警鐘を鳴らしました。楽観ムードが続いているだけに、仮に「合意なき離脱リスク」が再燃するような事態となれば、英ポンドの急落に連れてリスク回避の円買いが活発化する恐れもあるでしょう。ドル高・円安をメインシナリオに据えながらも、常に英国を巡るヘッドラインに注意したトレードが必要となりそうです。ドル円の予想レンジ:110.25-112.75

一方、ユーロドルは軟調推移が見込まれます。英国を巡る不透明感が引き続きユーロの重石となる他、4/10に予定されているECB理事会にてハト派姿勢が更に強められる可能性もあるからです。ドラギ総裁は3/27の講演の中で「さらなるフォワードガイダンスの変更も辞さない」と利上げ時期のさらなる後ずれの可能性を滲ませました。前回3月の理事会同様、ドラギ総裁がハト派色を一段と強めるサプライズに警戒が必要です(ハト派姿勢の強調→欧州の長期金利低下→ユーロ売り)。また、4/9に予定されているIMFの世界経済見通しでユーロ圏の成長率見通しが大幅に引き下げられるリスクや、4/11のドイツ3月消費者物価指数が予想比下振れるリスクにも注意が必要でしょう。結果次第では、年初来安値1.1175を割り込む展開も想定されますので、来週はユーロ安・ドル高をメインシナリオに設定いたします。ユーロドルの予想レンジ:1.1075-1.1350

来週の為替見通し  英国リスクを警戒しつつもリスク選好地合いが継続か

ドル円日足

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