ドル円 米中協議など材料多い、レンジ抜けなるか!?(週報4月第1週)

週末の仮想通貨取引は、ビットコインが土曜日にやや荒っぽい動きとなりましたが、結局じり安となって引けています。

ドル円 米中協議など材料多い、レンジ抜けなるか!?(週報4月第1週)

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円は、ドルが小じっかり。ザラ場ベースでは一時直近安値を更新する局面も見られたが、週末にかけて逆にドルは上値をうかがう展開となっている。

前週末に、「米中貿易協議は2週連続、4月3日から米国でも開催」と報じられるなか、週明け取引が開始されたものの、それほど目立った影響は見られなかった。前週のNYクローズに近い109.90円前後で取引を開始している。
そののち、日経平均株価の大幅安を受けて円高が進行。109.70円の週間安値を記録したが続かず。週末にかけてドルは逆にじり高推移をたどると、111円近くにまで達し、週末NYは110.80-85円で取引を終え、越週となった。
なお、先週はポンドやNZドル、トルコリラなど様々な通貨が荒っぽい値動き。たとえば、NZドル/円は週初の75.40円台から1円強上昇したのち、1.7円ほどの急落を経て、再び80ポイントほどの反発−−というなかなか目まぐるしい展開をたどっている。

一方、週間を通して注目された材料は、「英国情勢」と「複合的な米国ファクター」について。
前者は、週末にサンデー・タイムズなど複数の英紙が「メイ英首相、早いタイミングで失脚か」、「数日以内に『ゴーブ暫定首相』誕生も」などと報じるなか、27日にメイ氏自身が「英国とEUで合意した離脱案を英議会が承認した場合、辞任する考え」を表明し、マーケットで話題となっていた。ただ、メイ氏の起死回生の一手にもかかわらず、英下院は週末29日に「EUから抜ける条件を定めた離脱協定案を否決」、いよいよドロ沼に陥った感を否めない。

対して後者は、週初に「トランプ米大統領に対するロシア疑惑」について、米司法省高官から「共謀の証拠なし」との見通しが示され、トランプ氏は勝利宣言を行うなど、リスク要因のひとつが解消された格好に。また、米金融政策については、先日のFOMCでFRBが明確なハト派転換したことは周知のなか、NYタイムズが「ムーアFRB理事候補が『ただちに方針転換し0.5%の利下げを実施すべき』と述べた」と報じ物議を醸していた。さらには、28-29日に「米中閣僚級通商協議」が実施され、合意期待など協議に関する報道や思惑も市場で話題になっていたようだ。

<< 今週の見通し >>

ドル/円は、終わってみれば110.80円台という週間を通してドルの高値引け。素直に考えれば、ドル高リスクが指摘され、年初来高値である112.13円を視界内に捉えた値動きを期待したいところだが、如何せん昨年来のドル/円相場は「ダマシ」の多いことが気掛かり。3月22日以降という短期的なドルのレジスタンスにあたる111円前後が今回も抵抗となり、ドルは再び反落に転じるなどにも一応の注意を払いたい。

材料的には、「米中通商協議」の行方がまずは気掛かり。29日まで行われた閣僚級協議で、米中両政府とも「一定の前進があった」と評価するなか、3日から米ワシントンで協議が再開される予定となっている。さらなる進展となればドルの支援要因となる反面、予想に反して決裂といった状況となれば、一転して失望のドル売りがかさむ可能性も否定できない。なお、いわゆる米国ファクターも注目材料が多いが、英国を中心に昨日大統領選が実施されたウクライナやトルコなどを含めた欧州情勢にも引き続き払いたいところだ。

テクニカルに見た場合、レンジ内での乱高下が続いており、明確な方向性はいまだ乏しい。週末には111円に接近するも越えられなかった。ドル高方向であれば、111円前後の攻防にまずは注視で、抜ければ移動平均の200日線が位置する111円半ば、年初来高値の112.13円も視界内に。ドルは大きく続伸する可能性もある。
対するドルのサポートは、週初段階で110.30-35円に位置する移動平均の75日線。そのレベルを下回れば110円前後、直近安値109.70円などがターゲットに。

一方、材料的に見た場合、3月のISM製造業景況指数や同雇用統計といった米経済指標が相次ぎ発表される予定となっている。なかでも、後者である米雇用統計のうちもっとも注視されている非農業部門雇用者数は前回、かなりのネガティブサプライズとなったことが、まだ記憶に新しい。今回も、如何なる数字となるのか、その数字如何では再びマーケットの波乱要因となる可能性もありそうだ。

そんな今週のドル/円予想レンジは、109.80-112.00円。ドル高・円安については、先週越えられなかった111円前後の攻防にまずは注視。抜ければ移動平均の200日線が位置する111円半ば、年初来高値の112.13円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、週初段階で110.30-35円に位置する移動平均の75日線が最初のサポート。そのレベルを下回れば110円前後、直近安値109.70円などが意識されそうだ。(了)

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