ドル円またもレンジの様相、米経済指標を注視(3/5夕)

5日の東京市場は、ドルが小幅高。基本的には111円台後半の狭いレンジ取引ながら、夕方にかけては再び112円台回復をうかがう様相を呈している。

ドル円またもレンジの様相、米経済指標を注視(3/5夕)

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5日の東京市場は、ドルが小幅高。基本的には111円台後半の狭いレンジ取引ながら、夕方にかけては再び112円台回復をうかがう様相を呈している。

ドル/円は、寄り付いた110.70-75円を日中安値に、ドルがじり高推移。値幅そのものは30ポイントにもとどかない小動きだったが、それでも夕方には112円近くまで値を上げている。日経平均株価が下落、しかも下げ幅が一時100円を超すものとなったが影響は限定的だった。16時時点では111.90-95円で推移、欧米時間を迎えている。
なお、東京時間だけを見ると仮想通貨ビットコインはボックス相場だったが、昨日欧米時間にサポートである3700ドルを一時下回るなど、下値不安が再燃してきたようだ。

一方、材料的に注視されていたものは、「北朝鮮情勢」と「中国全人代」について。
前者は、朝鮮中央通信が「北委員長、未明に平壌到着」と報じるなど、中国に立ち寄ることなく真っすぐに帰国したことを国営メディアが事実上公表するなか、米大統領は「米韓演習中止は北委員長と協議せず」、米紙NYタイムズ「北ハッカー集団、米朝会談中にサイバー攻撃実施」、中央日報「米、米朝会談で寧辺近くの核施設廃棄を要求」、聯合ニュース「韓国高官が5-7日訪米、米朝対話再開を模索へ」−−などといった発言や報道が観測されている。
対して後者は、本日5日から中国で始まった「全人代(=国会に相当)」が話題に。そのなかで「対米貿易協議を今後も推進へ」、「2019年の国防予算の伸びは18年を下回る7.5%」、「2019年の経済成長率目標を引き下げ、6.0-6.5%に」、「人民元レートの柔軟性を高める」、「株式と債券、為替市場を安定維持する」−−などの発表がなされていた。

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リスクということではドル高方向にバイアスがかかりそうだが、上値は重くなかなか112円台に定着できない。ただ、下値もだいぶ切り上がっている様子で、先週末からの動きをみると取り敢えずは111.60円レベルがすでに堅そうだ。つまり、ここ2-3日だけに限れば111.60-112.10円という50ポイント程度の狭いボックス圏を形成、そのなかで一進一退をたどっていることになる。そんなレンジ取引がいつまでも続くとは思われないが、ともかくまずは足もとからの脱却のタイミングと方向性をしっかりと注視したい。


材料的には、決裂に終わった米朝協議を受けた「北朝鮮情勢」や、米中貿易問題などを背景とした「中国ファクター」を警戒する声が多い。ただ本日以降、週末にかけて重要とされる米経済指標の発表が相次ぐだけに、一時的にせよ米ファンダメンタルズ要因に一喜一憂する展開を見込む声も聞かれていた。最大の注目はやはり、週末に発表される2月の米雇用統計だが、本日発表される2月のISM非製造業指数などにも一応要注意。

テクニカルに見た場合、フィボナッチで見たテクニカルポイントにもあたる112.05-10円が上値をキャップする格好で、ドルの上値も重そうだ。超えれば112.25-30円、さらには113円台回復も意識される反面、先週末からドルの下値を支え続けている111.60円レベルを下回ると、移動平均の200日線が位置する111.30円レベルをメドに調整が入る可能性も否定できない。下値リスクもわずかながらくすぶる。

一方、材料的に見た場合、2月の非製造業PMI確報や2月のISM非製造業指数、12月の新築住宅販売件数などの米経済指標が発表されるほか、バーキン・リッチモンド連銀総裁の講演なども予定されている。
また、米国ファクターに関しては多数の積み残し案件が存在するうえ、英国を中心とした欧州情勢も気掛かり。とくに、本日は後者に関し、「カーニー英中銀総裁が上院で証言」する見込みとされ、発言をポンド相場の波乱要因として警戒する向きも少なくないようだ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.50-112.30円。ドル高・円安方向は、フィボナッチのテクニカルポイントにもあたる年初来高値112.05-10円の攻防を引き続き注視。抜ければ112.25-30円を目指す展開が予想されている。
対するドル安・円高方向は、先週末のNY安値である111.65円レベルが最初のサポート。ただ、下回っても111.30円レベルは移動平均の200日線が位置するなど、底堅いイメージに変化はみられない。

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