<< 東京市場の動き >>
週明け4日の東京市場は、ドルが小じっかり。先週末のNY時間に一度到達した112円台に再び乗せる時間帯も観測されている。
週末に、米USTRが「日本は自動車・農業分野の市場開放を」とした報告書を発表するなど、米貿易問題に絡めた発言や報道が聞かれるなか、ドル/円は110.80-85円で寄り付いた。先週末のNYクローズよりは若干円高ながら、大きな差異はなく、米貿易問題による直接的な影響は限定的だったことになる。
その後は、ドルが持ち直す展開となり、一時112円台を回復する局面も見られるなどドルは小じっかり。しかし、またもや112円台に惜しいところで定着できないまま、16時時点では111.95円前後で推移、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、「米貿易問題」と「米朝協議関連」について。
前者は、トランプ米大統領から「中国に農産品関税の全廃を要求」、「非常に強いドルは望んでいない」などといった発言が聞かれた一方で、ブルームバーグ「米中の通商合意近い、対中関税撤回の公算」、米紙WSJ「米中貿易協議、追加関税の引き下げも議論」といった報道もあり思惑を呼ぶ格好に。また、それとは別に「米USTR、『日本は自動車・農業分野の市場開放を』との報告書を発表」、ブルームバーグ「浅川財務官、日本の経常黒字は貿易問題と別物と発言」、茂木再生相「日米交渉、物品だけとは言っていない」−−などとする発言や報道も観測されていた。
対して後者は、先週実施され決裂した米朝協議についての裏側を指摘するような報道がいくつか観測されている。たとえば、韓国野党代表「米朝会談決裂の裏に日本の影」と発言、米紙「北委員長、米の『核完全放棄提案』に難色」などで、そのほか関連報道として、北外務次官「金委員長は核協議の停止を考えている」、トランプ氏「北は核兵器ある限り、未来がない」、聯合ニュース「北委員長が中国を北上中、北京に寄らない公算大」といったニュースもあったようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
ザラ場ベースでは、フィボナッチで見たテクニカルポイントの112.05-10円に上値を阻まれるなど、112円台に定着することができない。ドルの上値は引き続き重そう。とは言え、リスクという点ではドル高方向にバイアスがかかることは間違いなく、このあとについても112円台にしっかりと乗せられることができるかどうかが、注目のひとつとなりそうだ。112円台に乗せてくれば、112.35-40円が次のターゲットとなる。
材料的には、決裂に終わった米朝協議を受けた北朝鮮情勢も気掛かりだが、今週はザックリ言って「中国ファクター」が最大の注目点か。そのひとつは先でも指摘した「米中貿易問題」であり、また5日から10日間程度の日程で実施される予定の「全人代(=国会に相当)」が波乱要因として警戒されている。ちなみに、後者については、今年の経済成長について、昨年の6.5%前後から6%前半へと下方修正されるとの見方が有力だ。
テクニカルに見た場合、2週間ほど続いていたレンジの上限である111.25円を上放れたものの、112円台に乗せたところで失速。以降は111円台後半を中心としたドルの強保ち合いだ。
リスクがドル高方向に高いことは間違いないものの、フィボナッチを参考にしたテクニカルポイントである112.05-10円で上げ止まっており、その攻防が注視されている。超えれば112.25-30円が意識される反面、再びレジストされれば移動平均の200日線が位置する111.30円レベルをメドに調整が入る可能性も。
一方、材料的に見た場合、12月の建設支出という米経済指標が発表される予定となっているが全般的には材料難。米通貨当局者による講演なども、とくには見当たらない。やや動きにくそうな雰囲気も。
ただ、米国ファクターで積み残し案件が多数存在するうえ、「英国」や「北朝鮮」、「中国」などの情勢も気にかかる。思わぬ価格変動にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.50-112.40円。ドル高・円安方向は、フィボナッチのテクニカルポイントにもあたる年初来高値112.05-10円の攻防にまずは注視。抜ければ112.25-30円を目指す展開が予想されている。
対するドル安・円高方向は、先週末のNY安値である111.65円レベルが最初のサポート。ただ、下回っても111.30円レベルは移動平均の200日線が位置しており、かなり強いサポートとして意識されそうだ。底堅いイメージに変化はみられない。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.23
来週の為替相場見通し『トランプトレードと円キャリーの組み合わせがドル円を下支え』(11/23朝)
ドル円は、今週前半にかけて、一時153.28まで急落する場面が見られましたが、週末にかけては一転154円台後半へと持ち直す動きとなりました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.22
東京市場のドルは154円台後半で推移、日銀による追加利上げ観測が円安のブレーキ役に(24/11/22)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株のしっかりとした推移を材料にじり高の展開となり154円台後半で推移した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.11.22
ドル円 値動きそのものは激しいが、結果レンジ内か(11/22夕)
東京市場はドルが小高い。やや激しめの乱高下をたどるなか、最終的にドルは高値引け。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:山中 康司
2019.03.04
ドル底堅いもののそろそろ上げは限界か(週報3月第1週)
先週はそれほどドル買い・円売りというニュースは見られなかったにも関わらず、ドル円は年初来高値を更新する展開となっています。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。