<< 東京市場の動き >>
11日の東京市場は、揉み合い。108円前半、20ポイント強のレンジ取引で方向性は乏しかった。
ドル/円は108.40-45円で寄り付いたものの、動意は乏しい。東京勢は明日から3連休になることで、ポジション調整などを期待する声も聞かれたが、結局不発。終日を通して108.20-45円といった狭いボックス相場に終始している。日経平均株価が一時200円を超える上昇、終値ベースでも195円高となったが、為替市場への影響は限定的だった。16時時点では108.35-40円で推移、欧米時間を迎えている。
そうしたなか、仮想通貨ビットコインは、東京時間こそ落ち着いていたものの、昨日欧米時間に3700ドル台から、一時3500ドル台へと急落している。再び下値不安が高まってきた感を否めない。
一方、材料的に注視されていたものは、「米政府機関の閉鎖」と「米中貿易協議」について。
前者は、トランプ米大統領がメキシコ国境を視察するなか、「我々は壁を手に入れる」、「協議が不調なら非常事態を宣言する」−−といった強気のコメントが引き続き聞かれていた。また、それとは別に前日に米紙WSJが報じた「トランプ氏、政府機関閉鎖でダボス会議欠席」が現実のものとなったことが明らかにされている。
対して後者は、トランプ氏が改めて「中国との通商交渉で大きな成功」と発言したと報じられたことに続き、ムニューシン米財務長官から「中国の劉副首相が今月中に米国を訪問する計画がある」とのコメントが聞かれていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
日米を中心とした株価は依然として不安定。そのため予断は許さないものの、ドル/円は取り敢えず小康状態を保っており、しばらくはレンジ取引をたどる可能性が取り沙汰されている。107.50-109.00円、あるいは107.00-109.00円をコアレンジとした一進一退を予想する向きは少なくない。
暫定予算失効による「米政府機関の閉鎖」は、本11日で21日目に入るが、実はこれ過去の「米政府機関閉鎖の最長タイ記録」だ。そして、9日に米野党・民主党との協議の際に「完全な時間の無駄」などと言い、トランプ氏が憤然と席を立ったと報じられるなど、打開のメドがうかがえないことからすれば、今回の「閉鎖」は明らかに過去最長記録を更新することになりそう。逆に長期間の閉鎖を市場が織り込みつつあるとは言え、やはりこの先もドルの弱材料として寄与する公算が大きいだろう。
テクニカルに見た場合、3日に104円台まで下落したあとのドル戻り歩調が一服する一方、下値も攻めきれず。そのため予断は許さないが、基本的にはやはり107.50-109.00円、あるいは107.00-109.00円といったレンジを形成することになるのかもしれない。
なお、フィボナッチを参考にした場合、昨年11月高値114.23円を起点に、3日安値104.10円までの下げ幅の半値戻しは109.15-20円で、前記したレンジの上限に近い。したがって、仮に上抜けた場合には、さらなるドルの戻りが期待出来そうだ。
一方、材料的に見た場合、12月の消費者物価指数など幾つかの米経済指標が発表されるものの、決まっている材料はそれぐらい。全般的には、やや手掛かり材料難だが、注意すべき米国の懸案事項は少なくない。
また、来週15日の議会採決をにらみ、英国情勢への関心が再び集め始めていることも気掛かり。昨日も「英野党党首、内閣不信任案に賛同呼び掛け」との報道が観測されるなど、15日の採決をにらみ様々な駆け引きが続きそうだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、107.90-108.90円。ドル高・円安方向は、東京高値である108円半ばの攻防にまずは注視。抜ければ直近高値109.09円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、108円前後に弱いサポートはあるものの、意識されそうなのは昨日示現した安値107.77円か。下回れば107円レベル、106円半ばなどを目指す展開か。(了)
ユーロドル日足
オーダー/ポジション状況
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