ドル円31日高値超え、米中間選挙結果待ち(11/7)

メディア情報では下院で民主党優勢、上院で共和党優勢、出口調査でもその傾向が裏付けられてトランプ政権としてはやや劣勢な印象

ドル円31日高値超え、米中間選挙結果待ち(11/7)

【概況】

11月6日夜から米中間選挙投票が始まった。日本時間8時から開票が始まっている。メディア情報では下院で民主党優勢、上院で共和党優勢、出口調査でもその傾向が裏付けられてトランプ政権としてはやや劣勢な印象の様だが、2016年11月の米大統領選挙では下馬評を覆してトランプ氏が勝利、サプライズにより金融市場全体が乱高下を繰り返しつつも時間経過とともに「トランプラリー」を発生させている。今回も開票結果が固まるまでは波乱警戒とするが、8時台ではややドル安の展開になっている。

11月5日午後には米中間選挙後のドル高株高期待がやや優勢としてドル円は113.44円をつけて10月31日深夜高値113.38円を超えた。この段階ではダブル天井型を破っての高値更新となり、7日未明には113.50円をつけたが、113.50円前後まではダブル天井の誤差の範囲と思われる。

【米中間選挙、株の反騰は続くか?】

下馬評通りに民主党が下院を抑えればトランプ政権の強硬な外交・通商・内政へのブレーキとなる可能性があるが、逆に次の大統領再選を目指してよりトランプ色を濃くし、結果を出してゆくことで挽回しようという動きになるかもしれない。
株式市場はやや楽観ムードでNYダウは前日の190.87ドル高に続いて173.31ドル高と上昇している。10月3日に1月高値を超えて史上最高値を更新したが米長期金利上昇を警戒して急落、世界連鎖株安を発生させて10月29日安値まで2829ドル安の下落となったが、その後は切り返している。1月26日天井からの下落も2月9日へ3256ドル安と大幅下落した後に2月27日へ半値以上を戻しているが、その後は4月2日に2月9日安値を割り込むところまで下げている。今回も今のところは2月8日からの反騰に近い印象だが、米中間選挙結果、さらに9日未明に声明文の出されるFOMCの内容、利上げスタンスによっては2月27日からの下落再開と同様に崩れる可能性もある。トランプラリーの再燃で株高円安へ進むか、逆にもう一段安へと株安が進んで円高となるのか、重要な局面に来ている。

【10月26日からの反騰幅は2.13円】

10月4日高値114.54円からの下落は世界連鎖株安を背景とし、10月26日夜にNYダウが急落したところで111.37円の安値をつけた。下落幅は3.17円で104日移動平均に到達し、その後は戻してきた。振り返ると3月26日底以降のドル高円安期においては、5月29日への反落が3.27円、8月21日への下落が3.38円でいずれも104日移動平均で下げ止まって反騰入りしてきた。今回もそれらに近い戻し方であり、11月6日時点までの戻り幅は2.13円で8月21日から8月29日へ2.05円の反発を入れたところに近い値幅となっている。

8月末の反騰では9月7日にかけていったん押し目となる下落を入れてその後の高値更新から上昇が本格化していった。その前例を踏まえると、米中間選挙結果から円高反応の場合、112円前後までの下落で10月26日安値を割り込まない程度に止まれば押し目的な調整としてその後の上昇再開、一段高へ進む目が残るが、10月26日安値に迫り、さらに底割れとなる場合は10月4日を天井とし、10月26日からの戻り一巡で二段目の下落=円高ドル安へ向かう流れが出来てくる。そのため、10月4日高値を概ね1年周期の天井とした下落の長期化へ進む可能性も高まるとみる。

米中間選挙結果が固まり始めて株高円安へ進み始める場合は10月4日高値試しとし、当初はダブルトップ形成による反落警戒とするが、高値更新なら115円台、116円台へと段階的に高値を切り上げてゆく可能性も出てくるかもしれない。

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

【60分足一目均衡表、サイクル分析】

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、10月26日深夜安値を前々回のサイクルボトム、31日深夜高値を前回のサイクルトップとして下落していたが、26日深夜安値から4日目となる11月2日朝安値で直近のサイクルボトムをつけて上昇期に入った。今回の高値形成期は11月5日夜から7日深夜にかけての間と想定されるため、7日午前時点ではまだ上昇継続余地があると思われる。ただし前回サイクルトップから4日を経過しているので6日夜安値113.10円を割り込むところを弱気転換注意、113円割れからは弱気サイクル入りとして7日の日中から9日の日中にかけての間への下落を想定する。

60分足の一目均衡表では2日夜の上昇で遅行スパンが好転、先行スパンも上抜いた。その後は高値を若干切り上げているものの上昇ペースが鈍かったため遅行スパンは悪化しやすい状況にある。遅行スパン好転中は高値試しの継続とするが、悪化からは弱気転換注意とし安値試し優先とし、先行スパンへ潜り込む場合は先行スパンからの転落注意、転落からは下げが加速しやすいと警戒する。

60分足の相対力指数は6日の高値形成時とその後の高値更新に際して指数のピークがほぼ横ばいとなる弱気逆行型を示しているので50ポイント割れからは下落警戒とし、60ポイント超えからは上昇再開の可能性ありとみる。また6日夜安値を割り込む場合は30ポイント前後への下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、11月6日夜安値113.10円、次いで113.00円を支持線、113.50円を抵抗線とみておく。
(2)113.10円を上回る内は上昇余地ありとし、113.50円超えからは114円台序盤試しへの上昇を想定する。114円到達ではいったん売られやすいとみるが、113.50円以上を維持する場合は8日へさらに続伸しやすいとみる。
(3)113.10円割れを弱気転換注意、113円割れからは弱気サイクル入りとして112.70円台から112.50円台への下落を想定する。112.50円台では買い戻しも入りやすいかもしれないが、株安円高が加速する場合は112円台序盤への下落へ向かう可能性も警戒しておく。また113円以下での推移が続く場合は8日も安値を試しやすいとみる。

【当面の主な予定】

11/7(水)
米中間選挙開票 
14:00 (日) 9月 景気先行指数CI、速報値 (8月 104.5、予想 103.9)
16:00 (独) 9月 鉱工業生産 前月比 (8月 -0.3%、予想 -0.3%)
19:00 (欧) 9月 小売売上高 前月比 (8月 -0.2%、予想 0.1%)
19:00 (欧) 9月 小売売上高 前年同月比 (8月 1.8%、予想 0.8%)
29:00 (米) 9月 消費者信用残 前月比 (8月 201億ドル、予想 160億ドル)

11/8(木)
未 定 (中) 10月 貿易収支・米ドル (9月 316.9億ドル)
未 定 (中) 10月 貿易収支・人民元 (9月 2132.3億元)
05:00 (NZ) ニュージーランド準備銀行(RBNZ)政策金利 (現行 1.75%、予想 1.75%)
08:50 (日) 9月 機械受注 前月比 (8月 6.8%、予想 -9.0%)
08:50 (日) 9月 機械受注 前年同月比 (8月 12.6%、予想 8.2%)
08:50 (日) 9月 国際収支・経常収支 (8月 1兆8384億円、予想 1兆8685億円)
08:50 (日) 9月 国際収支・貿易収支 (8月 -2193億円、予想 3367億円)
14:00 (日) 10月 景気ウオッチャー・現状判断DI (9月 48.6、予想 48.7)
16:00 (独) 9月 貿易収支 (8月 172億ユーロ、予想 184億ユーロ)
16:00 (独) 9月 経常収支 (8月 153億ユーロ、予想 210億ユーロ)
18:00 (欧) 欧州中銀(ECB)月報
22:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 21.4万件、予想 21.4万件)
28:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC)、政策金利 (現行 2.00-2.25%、予想 2.00-2.25%)
23:15 (欧) クーレECB理事、講演

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