<< 東京市場の動き >>
10日の東京市場は、ドルが小高い。一時111.20円レベルまで値を上げ、3日に記録した直近の戻り高値を更新する局面も観測されていた。
ドル/円相場は、寄り付いた110.80円レベルを日中安値にドルが底堅い値動き。日経平均株価が3日続伸となったことに加え、ゴトー日で仲値不足などの需給要因も加わり、ドルは終日じり高に推移している。
111円を突破し、3日高値の111.13円を超えたのち、111.20円までドルは上値を伸ばした。16時時点では111.05-10円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、幾つかの「トランプ米大統領発言」とそれらに関する反応について。たとえば、前日のNYから「NATO負担は不公平で許容できない」「北朝鮮の金委員長は米朝の非核化合意を履行できる」との発言が聞かれるなか、今度は「ファイザーやほかの製薬会社は、理由もなく薬価を引き上げたことを恥じるべきだ」と矛先を転じたコメントも報じられていた。
その一方、石油輸出国機構(OPEC)議長国を務めるアラブ首長国連邦のマズルーイ・エネルギー相は、トランプ氏がOPECに原油増産を求めていることについて、「OPECに責任はない」と一蹴している。
<< 欧米市場の見通し >>
ドルは本日の東京時間に111円台をしっかり回復、直近高値も上回り、5月高値の111.39円が視界内に捉えられてきた感がある。ポジション的には、やや偏り始めているが、ドルの続伸に要注意。なお、テクニカルで見た場合、週足・一目均衡表の先行帯の雲は111.40-50円レベルに位置しており、極めて薄い状態にある。別の言い方をすれば、ドルは上抜けをしやすい環境にあると言えるかも知れない。本日はもちろん、このあと週末にかけても週足・一目の雲をめぐる攻防には注意を払いたいところだ。
材料的には、目先は米株や金利情勢とともに、発表される米経済指標などが注視されているものの、明日からのNATO首脳会議出席を含めたトランプ米大統領の欧州歴訪を警戒する声も少なくない。中国だけでなく、欧州とも貿易問題について揉めているだけに、油断は禁物との指摘も聞かれていた。
テクニカルに見た場合、先週4日以降は極めて狭い110.20-80円といったレンジを形成してきたが、昨日そして本日の東京時間にレンジを上抜けしている。
しかし、もう少し長いタームで見た場合のボックス圏にはまだとどまっており、そちらのブレークを期待する声も多くなってきた。具体的には5月高値111.39円をめぐる攻防がまずは注視されており、抜ければさらなる高値トライも否定出来ない。
一方、材料的に見た場合、5月の雇用動態調査という米経済指標が発表されるうえ、米財務省による3年債の入札が実施される見込みだが、影響は基本それほど大きなものにならない見通しだ。
それより、本日も英国を含めた欧州情勢に対する警戒感が強く、また前述した明日からの「トランプ米大統領の欧州歴訪」などを見極めたいとする声も多い。相場環境的には、ドル/円より欧州通貨主導の展開が続く可能性もある。
ドル円 週足
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.50-111.50円。ドル高・円安方向は、本日高値の111.20円レベルが最初の抵抗で、抜ければ5月高値111.39円、週足・一目均衡表の先行帯の雲が位置する111.40-50円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、これまでの抵抗だった110.80円レベルが、今度はサポートに。割り込んだ場合には、移動平均の200日線(110.15円レベル)が意識されそうだが、基本的にドルの下値は固そうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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