ドル円:3月30日のファンダメンタル分析
昨日も仲値の実需筋によるドル買いと堅調な株価がドル円を中心としたドル買いの動きを継続させることとなりました。この動きは欧州市場序盤まで続きましたが、その後はイエレンFRB議長の講演を前に調整が進み、株価指数夜間取引が上値が重くなったこともドルの上値を重くする動きとさせました。議長の発言は利上げに対する慎重姿勢が特に正当化される、と3月FOMCのハト派寄りの姿勢に変化が無いことを示しました。最近は地区連銀総裁のタカ派寄りの発言が続いたこともあって、イエレン議長もスタンスに変化が見られるのではないかという思惑が一部であったため、発言後に株価は急騰、為替はドルが大幅安という動きにつながりました。ドル円は112.61レベルまで売られ若干戻しての引け、ユーロドルは1.1303レベルまで上伸し高値圏でのクローズとなりました。
ドル円:3月30日のテクニカル分析
ドル円は、高値安値ともに切り上げる展開を続けていましたが、議長発言をきっかけにこれまでの上昇チャンネルの中での動きを下抜ける結果となりました。イエレン議長はFOMCメンバーの中ではハト派寄りであり、先のFOMCにおける発言とも一致していて何らスタンスに変化は見られないのですが、ここまで各地区連銀総裁のタカ派寄り発言が続いたことがドル高の原動力となっていたことから、梯子を外されたといった動きです。これをFOMCメンバー間の中で意見が割れていると取るか、あるいはFOMCではハト派寄りその後タカ派寄りに向かわせ再びハト派寄りに戻すという市場に思惑を与えさせない高等戦略と取るかは、悩ましいところです。ただ、ドル高に対する懸念もFOMCメンバーは常々気にしていたこともあり、株高、ドル安に動く可能性が高いことを期待してハト派寄りの発言をしたのかもしれないと見ることも出来そうです。本日は金曜雇用時計の前哨戦となるADP全国雇用者数が発表されますが、議長講演も経過し、ここは素直にコンセンサスに対してどうなのかという反応となりそうです。本日は、113.10レベルをレジスタンスに、112.30レベルをサポートとする流れを見ておきます。
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