南北会談は肩透かし、米GDPなどに要注意(18/4/27)

27日の東京市場は、2日続けての揉み合い。109円前半における、20ポイント程度のレンジ取引で明確な方向性はうかがえなかった。

南北会談は肩透かし、米GDPなどに要注意(18/4/27)

<< 東京市場の動き >>

27日の東京市場は、2日続けての揉み合い。109円前半における、20ポイント程度のレンジ取引で明確な方向性はうかがえなかった。

ドル/円は、109.25-30円で寄り付いたものの、結局終日を通して積極的な売買は手控えられている。注目要因であった南北朝鮮首脳会談に絡むニュースが次々と伝えられたものの、内容的に新味が乏しく、市場を動かすまでには至らなかった。
値動きは109.15-35円といった20ポイント程度に留まり、16時時点では109.25-30円で推移し欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「南北朝鮮首脳会談」に絡めたニュース。早朝から「北朝鮮の金委員長が南北首脳会談に向けて平壌を出発」「金委員長が韓国の文大統領と境界線で握手」−−などと一挙手一投足がリアルタイムで報じられ、ある種のお祭りムード。しかし、肝心の会談については、「今日が平和と繁栄の始まり」(金委員長)といった抽象的な話しか、現段階では聞かれていない。
そのほか、「日銀による政策金利発表と黒田総裁会見」も話題に。ちなみに、昼過ぎに「金利現状維持」のコメントが正式発表されたが、その1時間ほど前に一部メディアがフライングで「金利維持」と報じ、為替市場で円買いが進行するという事件が起こっている。

<< 欧米市場の見通し >>

ある程度予想されていたとはいえ、本日は朝から「南北朝鮮首脳会談」に絡むニュースばかり。ただ、その割にマーケットの反応は鈍く、価格変動に繋がっていないところは逆に想定外だ。このあとも、「両首脳による共同宣言発表」や「晩餐会開催」などは要注意だが、結局のところ「大山鳴動して鼠一匹」に終わる気もしないではない。それよりむしろ、足もとは米金利動向や、ファンダメンタルズ要因に再び関心が移行している感があるだけに、発表される米経済指標の内容や金利情勢などに要注意か。
なお、チャートを見ると、109円半ばが目先のドルの抵抗となっている感があるものの、抜ければ110円台回復がいよいよ現実味を増してくる。

テクニカルに見た場合、基本的なリスクは上方向にバイアス。実際、時間足ベースのチャートを見ると、25日の欧州時間あたりから109円レベルをサポートに、ドルは高原推移をたどっているが、上値も重く109円半ばではキャップされている。昨年11月高値114.74円を起点とした半値戻しにあたるテクニカルポイントでもある109円半ばをしっかり超えられるかどうかが最初のポイントとなりそうだ。
ただ、3月安値104.57円から約1ヵ月で5円近い戻りを記録しており、短期的には若干買われ過ぎの感に達していることは気掛かり。一時的な動きとして、再び109円を割り込むような、調整が入っても不思議はないかもしれない。

一方、材料的に見た場合、1-3月期のGDP速報値や4月のミシガン大学消費者信頼感指数など幾つかの米経済指標の発表が予定されている。ちなみに、前者は前期比年率プラス2.0%程度が見込まれており、「減税法案の進展やドル安などがプラス要因」とされる反面、「金利上昇や寒波などは悪材料」と言われていた。好数字となれば、為替市場は素直にドル買いで反応も。
そのほか、先で指摘した「両首脳による共同宣言発表」や「晩餐会開催」といったイベントが予定されている北朝鮮情勢、ワシントンで実施される「米独首脳会談」の行方などに注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.90-110.00円。ドル高・円安方向は、昨日高値の109円半ばの攻防にまずは注視。フィボナッチの観点で重要なポイントに当たることもあり、抜ければ一気に110円に迫る展開もありそうだ。
対するドル安・円高方向は、前述した過去2日ほどのレンジ下限である109円レベルがサポートとして意識されている。割り込めば108円半ばや、一目均衡表の転換線や先行帯の雲の上限などが位置する108.20円前後がターゲットに。(了)

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