ドル円見通し 109.50円手前で足踏み(4/27)

26日はECB理事会とドラギ総裁会見があった。ECBは現行の金融政策を現状維持としてマイナス金利を据え置き、

ドル円見通し 109.50円手前で足踏み(4/27)

【概況】

3月23日安値104.63円を底に上昇期へ入り、今週は23日夜への上昇で108円を突破したところから上昇が加速、24日深夜に109.20円を付けた。25日未明へいったんは108.54円まで下げる場面もあったがそこからはV字反騰で高値を更新、26日早朝には109.45円まで高値を切り上げた。
上昇の背景は米10年債利回りの3%突破等の長期金利上昇による日米金利差拡大、ユーロやポンド、新興国通貨安等によるドル全面高であり、26日もユーロが一段安、メジャー通貨の加重平均であるドル指数も高値を更新したが、ドル円は新たな高値更新へは進めずに109.50円手前で足踏み状態となっている。

米経済指標は強めの数字が続いている。26日に米労働省が発表した週間新規失業保険申請は季節調整済みで20万9000件となり前週比2万4000件減少、市場予想の23万件を下回った。また米商務省が発表した3月の耐久財受注は前月比2.6%増となり市場予想の1.6%増を上回った。

【ユーロが一段安、ドル指数が一段高】

26日はECB理事会とドラギ総裁会見があった。ECBは現行の金融政策を現状維持としてマイナス金利を据え置き、量的緩和についても月300億ユーロの資産購入を9月末まで継続するとの従来方針を再確認した。
4月前半までは市場もECBの金融正常化プロセス入りを期待してユーロは高値圏を維持していたが、米長期金利上昇によるドル高圧力もあり、1月以降は高値圏持合いの状況となっていた。しかし先週後半からECBの金融緩和終了への姿勢が鈍化したとの報道や英中銀の追加利上げ姿勢後退等からユーロはポンドとともに下落し始めた。さらに米10年債利回りが3%を超えてきたことから今週も続落してきた。

ドラギ総裁の会見では特段のサプライズ的な内容はなかったため会見後には当面の売り材料消化としてユーロが戻しかけたが、しかし緩和終了への姿勢はあいまいであり、6月の理事会でも量的緩和政策終了が決まるかどうか不透明だとして買い戻し一巡後には下落を再開、一段安へ走った。
26日深夜安値では1.210ドルを割り込むところまで下げて3月1日安値1.2154ドルを割り込んだため、1月後半からのややレンジを縮小する三角持合いから下放れとなった。3か月弱のレンジ縮小型三角持合い下放れだが、2016年8月から10月序盤までにも同様の三角持合いがあり、その時はトランプショックもあって下放れから年末へと大幅下落した。

メジャー通貨の加重平均であるドル指数は1月後半から安値圏での持合いが続いていたが、4月23日への上昇で3月1日高値を上抜き、さらに25日、26日と続伸したために持合いを上放れし始めている。
ドル円と概ね逆相関するユーロドルが持合いを下放れし始め、ドル円と概ね同調するドル指数が持合いを上放れし始める状況は4月23日からのドル円上昇を加速させる背景となっている。
27日は南北首脳会談、日銀金融政策決定会合、米GDPの発表がある。5月1日から2日には米連銀FOMC(議長会見なし、声明のみ)、5月4日には米雇用統計と重要イベントも続くため、それらがドル高要因になればドル円の上昇もさらに加速する可能性があり、逆にそれらがドル安要因となってゆけばドル円が反落開始するトリガーとなる可能性もある。また上昇の場合でも高値を出し切ってピークアウトする可能性も考えておく必要があるだろう。

【60分足 一目均衡表、サイクル分析】

【60分足 一目均衡表、サイクル分析】

60分足の一目均衡表では4月18日の上昇で遅行スパンが好転、19日の上昇で先行スパンを上抜き、週明けの続伸で両スパン好転を維持してきたが、26日朝高値からは新たな高値更新へ進めずに横ばい推移となったため、27日午前には遅行スパンが悪化している。横ばい推移のため高値更新へ進めば遅行スパンが再び好転してくるが、高値更新へ至らないうちは先行スパンへもぐり込む可能性に注意する。また大幅上昇してきた反動も警戒されるので、109円割れからは先行スパン転落となるのでいったん調整安入りの可能性を踏まえ、その後に先行スパンを上抜き返すまでは安値を試し優先と考える。

60分足の相対力指数は23日夜から24日深夜への一段高に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行が見られたが、26日朝の高値更新でも逆行が続いている。60ポイント台を回復できないうちは下落注意とするが、60ポイント超えからは上昇再開感が強まるとみる。

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは4月24日深夜高値でいったんサイクルトップを付けたが、25日未明安値で直近のサイクルボトムを付け、高値更新から新たな強気サイクルに入ったと思われる。このため25日未明安値を割り込まないうちは上昇継続余地ありとし、26日朝高値超えの場合は27日夜から5月1日にかけての間への上昇継続と想定する。但し、109円割れからは弱気転換注意とし、25日未明安値割れからは弱気サイクル入りとして次のボトム形成期となる28日未明から5月2日朝にかけての間への下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、109.00円を支持線、109.50円を抵抗線とみておく。
(2)109円台を維持するうちは109.50円超えからの一段高余地ありとして109.675円、さらに110円試しへ向かう可能性ありとみる。109.675円以上は反落警戒圏とするが、109円台を維持するうちは27日も高値を試しやすいとみる。
(3)109円台割れを切り返すうちは109.30円超えからの上昇継続余地ありとするが、109円割れから108.90円割れへ続落する場合は弱気転換注意として25日未明安値試しを想定する。その前後ではいったんかい戻しが入るとみるが、底割れからは弱気サイクル入りとして27日夜、あるいは週明けへ108円試しへ向かうとみる。(了)<9:45執筆>

【当面の主な予定】

4/27(金)
 南アフリカ市場休場(自由の日)
 非公式ユーロ圏・EU財務相会合(ソフィア、28日まで)
 米独首脳会談(ワシントン)
 韓国・北朝鮮 南北首脳会談

未 定 (日) 日銀金融政策決定会合、政策金利発表 (現行 -0.10%、予想 現状維10:30 (豪) 1-3月期 四半期生産者物価指数 前期比 (前期 0.6%)
10:30 (豪) 1-3月期 四半期生産者物価指数 前年比 (前期 1.7%)
14:00 (日) 3月 新設住宅着工戸数 前年比 (2月 -2.6%、予想 -4.8%)
15:30 (日) 黒田東彦日銀総裁、定例記者会見
16:55 (独) 4月 失業率 (3月 5.3%、予想 5.3%)
17:30 (英) 1-3月期 四半期GDP、速報 前期比 (前期 0.4%、予想 0.3%)
17:30 (英) 1-3月期 四半期GDP、速報 前年比 (前期 1.4%、予想 1.4%)
18:00 (欧) 4月 消費者信頼感 確報 (速報 0.4)
21:30 (米) 1-3月期 四半期実質GDP、速報 前期比年率 (前期 2.9%、予想 2.0%)
21:30 (米) 1-3月期 四半期雇用コスト指数  前期比 (前期 0.6%、予想 0.7%)
23:00 (米) 4月 ミシガン大学消費者態度指数・確報 (速報 97.8、予想 98.0)

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