ドル円 2月16日からの反騰続く、日足は赤三兵(2/21)

米財務省は2月20日に1510億ドルの財務省証券(TB)、280億ドルの2年債の入札を行った。

ドル円 2月16日からの反騰続く、日足は赤三兵(2/21)

【概況】

2月2日深夜の戻り高値110.48円から丸2週間の下落となり、2月14日には昨年9月8日安値107.32円および107円割れ、2月16日には105.546円まで安値を切り下げた。しかし19日が米国市場休場(プレジデンツデー)で3連休となったため、連休前のポジション調整、今週の米国債大量入札、22日未明のFOMC議事録公開等を控えてドルが戻しに入り、ドル円も19日、20日とリバウンドを継続、107円台を回復した。

日足は16日から3日連続の陽線となった。いわゆる赤三兵(三兵行進)だが、昨年9月8日底形成時では、4月17日安値を割り込む下落となったものの、まだ118円前後から114円台までのボックス圏での往来相場の「徳俵」的なところだったため、その後のリバウンドでボックス圏上限となる114円台後半まで2か月間戻した。今回はさらに9月8日安値を割り込んだ後なので、ボックス圏の「徳俵」というよりもボックス圏から転落した状況からの反発として、往来相場型でボックス上限へ戻すのは難しいと思うが、今後の米国債入札動向、FOMC議事録反応等によっては11月6日からの下落に対するリバウンドを継続し、例えば26日移動平均(現在108.87円)前後まで戻りを試しにかかる可能性も出てくるかもしれない。

【米国債大量入札、FOMC議事録】

米財務省は2月20日に1510億ドルの財務省証券(TB)、280億ドルの2年債の入札を行った。21日には350億ドルの5年債、22日には290億ドルの7年債、150億ドルの2年物変動利付債(FRN)入札も予定されている。20日の入札はおおむね堅調だったために利回り急騰の波乱はなく、20日終盤の米10年債利回りは2.88%台で高水準を維持しているものの先週の2.94%からはやや低下した状況にある。しかし、今後の入札動向如何では危険水準といわれる10年債利回り3%超えもあり得るのではないかとの懸念が出ている。
22日未明にはFOMC議事録が公開される。イエレン前議長による最後の会合だった1月30−31日会合分だが、米トランプ政権が年末に大規模減税を柱とする税制改革法案を成立させた直後だったこと、12月会合でFOMCが利上げを決定してから米長期債利回りが上昇に転じてきたことに対するメンバーの姿勢がどうだったのか、当時発表された声明文以上の内容が見られるのかどうか、注目される。

1月末の会合後、2月序盤には暫定予算で債務上限が引き上げられ、さらに今後は巨額のインフラ投資計画への政府支出を拡大する姿勢が示された。また2月序盤には世界連鎖株安も一時的に発生した。今後も米国債発行の増加、財政支出悪化により米長期金利上昇をさらに加速させるのではないかとの懸念が強まっている。
先週までは米長期金利が上昇してもドルはさほど戻せず、弱いドルを反映した米長期金利上昇、米国債下落という中でのドル安という状況だったが、今週後半の米国債入札反応やFOMC議事録により、米長期金利動向、それに対するドルの反応が年末から続いてきた逆相関で進むのか、本来の正相関となるのかが注目されるところだ。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、16日午後からの上昇により19日には遅行スパンが好転、19日夜には先行スパンを上抜いた。20日、21日朝も両スパン好転状態が維持されているので、遅行スパン好転中は26本基準線を支持線として高値試し優先と考える。26本基準線(現在107円近辺)を割り込む場合は弱気転換注意、遅行スパン悪化からは戻り一巡による下げ再開と仮定し、先行スパンからの転落を試すとみる。その際、先行スパンが支持帯として機能して遅行スパンが再び好転する場合は新たな上昇期入りと考える。

60分足の相対力指数は2月13日から16日への下落時において指数のボトムが切り上がる強気逆行型が続いてきたが、20日への上昇で70ポイントを超えていた。21日朝時点では指数のピークが20日高値形成時より切り下がっているため、弱気逆行を形成しやすくなっている点に注意し、60ポイント割れからは下げ再開注意とみる。

概ね3日から5日周期の短期的な高値・安値形成サイクルでは、2月10日未明安値から4日目となる2月16日昼過ぎ安値で直近のサイクルボトムを付けて上昇期に入った。今回の高値形成期は19日から20日夜にかけての間と想定したが、やや延長気味に推移している。107円台維持のうちは上昇継続とみるが、107円割れからは弱気転換注意とし、106.75円割れからは弱気サイクル入りの可能性を踏まえて21日午後から23日にかけての間への下落を想定する。ただし、いったん弱気サイクル入りしてからの反騰で16日以降の戻り高値を更新する場合は新たな強気サイクル入りとする。

(1)当初、107.00円を支持線、107.50円を抵抗線とみておく。
(2)107円を上回るうちは上昇余地ありとし、107.50円を超える場合は107.70円台から108円手前への上昇を想定する。
(3)107円割れからは弱気転換注意とし、106.75円割れからは戻り一巡からの下落として106円台序盤試しを想定する。また107円台を回復できないうちは22日にかけて安値を試しやすいとみる。
(4)FOMC議事録(22日未明)から急騰反応の場合は108円台前中半への上昇、逆に急落反応の場合は106円割れからの下落再開となる可能性にも注意する。(了)<9:40執筆>

【当面の主な予定】

2/21(水)
休 場 中国(旧正月)
17:30 (独) 2月 製造業PMI、速報値 (1月 61.1、予想 60.5)
17:30 (独) 2月 サービス業PMI、速報値 (1月 57.3、予想 57.0)
18:00 (欧) 2月 製造業PMI、速報値 (1月 59.6、予想 59.2)
18:00 (欧) 2月 サービス業PMI、速報値 (1月 58.0、予想 57.6)
23:00 (米) ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁、講演
23:15 (英) カーニー英中銀(BOE)総裁、講演
24:00 (米) 1月 中古住宅販売件数 年率換算 (12月 557万件、予想 561万件)
24:00 (米) 1月 中古住宅販売件数 前月比 (12月 -3.6%、予想 0.7%)

2/22(木)
04:00 (米) 米連邦公開市場委員会(FOMC 1/30-1/31会合分)議事要旨公表

オーダー/ポジション状況

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