ドル円見通し 21日からの緩やかな調整安(12/26)

12月12日深夜高値から15日まで下げた時の急落角度と比較すれば21日高値からの下落はジリ安程度であり、下げ再開というよりも上昇一服という印象もある。

ドル円見通し 21日からの緩やかな調整安(12/26)

【概況】

12月15日安値112.02円から反騰に入り、21日には113.63円まで上昇したが、12月12日深夜高値113.75円には届かず、目先の上げ一服で22日、25日はやや修正気味に下落した。25日夕刻からは大方が祝日対応で閑散だったが、26日朝は113.18円まで下落、その後にやや戻している状況だ。
米連銀のFOMCによる今年三度目の利上げ、2018年3回の利上げ姿勢公表というイベントを通過しながら15日まで下落したが、米税制改革法案の成立見込みから米長期金利が上昇、日米金利差拡大を背景にドル買い円売りとなって21日まで戻した。クリスマス休暇もあって上昇一服となる113円台序盤というところにある。

12月12日深夜高値から15日まで下げた時の急落角度と比較すれば21日高値からの下落はジリ安程度であり、下げ再開というよりも上昇一服という印象もある。ただ、当初の下げが緩やかでも戻り高値を切り下げて、その後に安値を切り下げる一段安となり始めるとチャートの悪化感から下落が加速する可能性がある。
26日朝安値からやや戻し気味にあるが、22日の戻り高値113.44円を超えてくれば21日高値試しへと進み、更に21日高値を上抜く場合は緩やかな調整一巡による上昇再開、一段高へ向かい、12月12日高値、さらに11月6日高値114.73円試し、あるいは突破へと向かう可能性も出てくるかもしれない。
21日高値を上抜けない程度の戻りから26日朝安値を割り込む場合は下落続行となり、12月6日以降の相場展開を112円前後から113円台後半までのレンジ相場としてレンジ下限を試しにかかる可能性が高まってくる。またその場合は12日深夜高値と21日高値をミニダブルトップとした下落により、年末年始にかけての下落継続へと進みやすくなるとみる。

【10月30-31日の日銀金融政策決定会合議事要旨骨子】

26日朝、日銀金融政策決定会合の議事要旨が公開されたが、メンバーの複数意見としては「大方の委員は現時点で追加緩和行うべきでないとの認識を共有」、「何人かの委員は15年金利引き下げの具体的効果が明らかでないと指摘」したとされた。特にサプライズは無く、2017年には新たな手を打たずに現状維持が続いてきたが、2018年も当面は現状維持が続きそうだ。

@ 一委員、2%物価達成に足る状況からまだ距離ある
A 一委員、労働市場にはなお過大な供給力が残存と指摘
B ある委員、日本は出口に向かう時期が遅くても不思議ない
C 大方の委員、現時点で追加緩和行うべきでないと認識共有
D 一委員、現在の実質利回り、全年限で均衡カーブを大幅に下回る
E ある委員、過去の緩和と比べ十分緩和的であり追加緩和は不要
F 調節方針と整合的な利回り曲線が円滑に形成されているとの認識共有
G 何人かの委員、15年金利引き下げの具体的効果が明らかでないと指摘
H 一委員、超長期金利下げは年金運用低下を通じ国民の心理に影響及ぼすと懸念
I 一委員、年末にかけETF買い入れ加速との一部の思惑、適当でない
J 一委員、リスク性資産購入、効果と副作用にあらゆる角度から点検すべき
K 流通形態変化や規制緩和で競争激化なら物価上昇抑制の可能性との見方共有

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、25日への下落で遅行スパンが悪化、先行スパンからも転落した。26日朝安値からやや戻しているが先行スパンの下限が抵抗となっている。先行スパンを突破してくる場合は21日からの調整安一巡による上昇再開の可能性も踏まえて21日高値試しへ向かう可能性が出てくるが、先行スパンが抵抗となって抜けきれずにいるうちは26日朝安値割れから一段安へ進む可能性が残り、その場合は遅行スパン悪化中の安値試し優先が続くと思われる。

60分足の相対力指数は22日、26日、26日への安値更新場面では指数もボトムを切り下げており、強気逆行が見られていないので、まだ一段安余地が残る印象だ。26日午前は50ポイント台に乗せているが、50ポイント台を維持できなくなるようだと下げ再開を疑う。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成サイクルでは、18日朝高値を上抜いたことにより強気サイクル入りしてきたが、21日高値でピークをつけて下落期に入った。18日未明安値から5日目となる26日朝安値で直近のサイクルボトムをつけた可能性があるので、26日朝安値更新回避の内は次の高値形成期となる26日午後から28日にかけての上昇継続となる可能性ありとする。ただし、26日朝安値を割り込む場合は底割れによる新たな弱気サイクル入りとして次の底形成期となる年末年始への下落へ向かう可能性が高まるとみる。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1) 当初、22日高値113.44円を抵抗、26日朝安値113.18円を支持線とみておく。
(2) 113.18円割れ回避の内は上昇余地ありとし、113.44円超えと進む場合は21日高値113.63円試しへ向かうとみる。また113.40円以上を維持する内は26日夜から27日にかけて12日深夜高値113.75円超えを試す可能性ありとする。
(3) 113.44円超えを維持できずに113.24円割れしてくる場合は下げ再開注意、113.18円割れからは新たな弱気サイクル入りとして112.75円前後への下落を想定する。26日朝安値をいったん割り込んだ後も113.25円以下での推移となっている場合は26日夜、27日への続落を想定する。材料的なきっかけ次第では112.75円から112.50円にかけてのゾーンを試す可能性ありとみる。(了)<9:45執筆>

【当面の主な予定】

12月26日
休場 NZ、豪、香港、独、仏、伊、スイス、英、加、南ア

13:15 (日) 黒田日銀総裁講演
23:00 (米) 10月S&P/ケースシラー住宅価格指数 前年比 (9月 6.2%、予想 6.3%)
24:00 (米) 12月リッチモンド連銀製造業指数 (11月 30、予想 21)

12月27日
14:00 (日) 11月新設住宅着工件数 前年比 (10月 -4.8%、予想 -4.0%) 
24:00 (米) 12月消費者信頼感指数 (11月 129.5、予想 128.0)
24:00 (米) 11月中古住宅販売保留件数 前月比 (10月 +3.5%、予想 -0.8%)

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