<< 東京市場の動き >>
14日の東京市場は、113円後半でほぼ横這い。新規材料が乏しかったとはいえ、値幅はわずか20ポイント強に留まるなど、動意らしい動意はうかがえない凪相場だった。
ドル/円は113.55-60円で寄り付いたものの、目立った変動はうかがえず。実際、終日を通した形成レンジは113.50-75円といった狭いもので、積極的な売買は見送られた。16時時点では113.60-65円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、前日まで4日続落を記録している日経平均株価は、一時100円を超える上げ幅を記録したものの続かず、前日比1円安ながら結局5日連続の続落となった。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、米要人の発言。たとえば、共同通信は、ロス米商務長官が「対日貿易赤字は大きい」と指摘し、日本の自動車メーカーに対し、完成車や部品の米国での生産を強化し日本やメキシコからの対米輸出を減らすよう求めたと報じていたほか、ムニューシン米財務長官が「下院の今週の税制法案可決を楽しみにしている」と発言したとのニュースも観測されていた。
また、それとは別に、ブルームバーグは、英国のEU離脱交渉を主導するデービスEU離脱担当相が会合で「離脱交渉を12月のEU首脳会議までに打開できる可能性は五分五分」と語ったと報じている。
<< 欧米市場の見通し >>
日本株、日経平均株価は本日も小幅とはいえ続落するなど、完全に調整局面入りした感を否めないが、米株は昨日小幅に上昇するなど、まだギリギリのところで踏みとどまっている。NYダウをはじめとする米株が本格的に崩れれば、為替市場においてもドルがさらなる下値を試す展開となっても不思議はない。しかし、脅威の粘り腰で踏みとどまっているが故に、ドルも下値を積極的には売りにくく依然として底堅い状況だ。いずれにしても、株価の動きを注視する展開は本日も続きそうで、その動静にドル/円相場も左右される可能性がある。
テクニカルに見た場合、過去3週間ほど遡っても113.00-114.75円といった2円にも満たないボックスを形成しているだけでなく、先週末からの過去2-3日だけに限定すれば形成レンジはさらに狭まり113.10-80円と1円にも満たないものになる。長い期間はともかく、短期的な方向性は極めて乏しい状況と言わざるを得ない。
まずは後者である目先の70ポイント程度のボックス圏を、そして抜けた場合には前者のレンジを上下どちらにブレークするのか、その方向性が注視されている。
一方、材料的に見た場合、米経済指標の発表という点では、10月生産者物価指数の公表程度に留まるものの、本日は欧州を中心とした要人の講演などが相次ぐ。一例を挙げると、「ドラギECB総裁、イエレンFRB議長、カーニー英中銀総裁、黒田日銀総裁がECBの会議でパネル討論会に参加」する予定であるほか、ボスティック・アトランタ連銀総裁が経済見通しと金融政策について講演を実施する見込みとされている。早くも今年は残り1ヵ月半、来年に向けた日米欧の中銀の政策スタンスを見極める意味で、中銀総裁らの発言には注意を払っておきたいところだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.10-114.10円。ドル高・円安方向は、先週末からのドル高値圏である113.70-75円が最初の抵抗。抜ければ114円台回復が視界内に捉えられ、前回高値の114.07円、114.34円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、113.20-25円、113.10円レベルなどがテクニカルポイントに当たるほか、割り込んでも10月31日安値(112.95円)など下方向にサポートは多く、引き続き底堅いイメージに変化はない。(了)
オーダー/ポジション状況
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