ドル円110円割れ地政学リスク高まる(4月12日早朝)

昨晩の海外市場でドル円はシリア、北朝鮮をめぐる地政学リスクの高まりから、安全資産とされる円を買う動きが強まり

ドル円110円割れ地政学リスク高まる(4月12日早朝)

ドル円110円割れ地政学リスク高まる

昨晩の海外市場でドル円はシリア、北朝鮮をめぐる地政学リスクの高まりから、安全資産とされる円を買う動きが強まり、昨年11月18日以来の110円割れを示現しました。ドル円は安値109.61をつけ現在もドル安値圏での取引が続いています。
NYダウはほぼ横ばいの6.72ドル安い20,651.30ドルで終了。米10年物国債利回りは再び2.30%を割り込んでいます。

トランプ大統領は昨晩もツイッターで北朝鮮の問題に触れ、もし中国が協力しないようであれば、中国抜きで問題を解決するとツイート。
また、別のツイートでは、中国の習主席に対し、北朝鮮の問題を解決すれば通商問題の状況ははるかに良好になるだろうと説明したとも述べていて、この次元の異なる二つの問題が交換条件として中国に提示されたことも明らかになりました。

これに関連して共同通信は米政府が4月上旬に日本政府に北朝鮮への軍事攻撃の可能性に言及していたと報道、にわかに米国の北朝鮮攻撃の現実性が高まっています。
呼応するかのように、外務省は北朝鮮が核実験ミサイル実験を繰り返しているとして、11日「海外安全ホームページ」に「スポット情報」を掲載、韓国に滞在・渡航する人を対象に朝鮮半島情勢に注意を呼び掛け、海外旅行登録「たびレジ」への登録、在留届の提出等を呼び掛けています。危険情報は出ていませんが、韓国の在留邦人の把握に努めようとしています。

米国の動きに対し北朝鮮は米国の挑発があれば韓国、太平洋の米軍基地、米国本土への核攻撃も辞さない姿勢を示しており、15日の米空母打撃群の朝鮮半島沖到着、および金日成生誕105周年にむけてこれまでにない緊張が高まっています。

本日の東京市場でも地政学リスクは市場への重石となり、ドル円、日経平均ともに上値の重い状況が続きそうです。
昨晩ドル円は110円の節目や大統領選後の安値から高値への半値戻し109.93などの重要な抵抗線を下抜けており、レンジ相場を終了し、ドル円は下値余地が広がっています。
これより下の抵抗線としてはブレグジット直後につけた前回円高局面の最安値99.02(16/6/24)からその後の高値118.66(16/12/15)までの半値戻し108.84、200日移動平均108.72等が挙げられます。
今のところ円高のスピードはかならずしも早くありませんが、ドル円の下値攻めが続いており、今後これらの抵抗線を割り込むこととなれば、円高が加速する恐れがあります。

本日は訪ロ中の米ティラーソン国務長官が、ロシア外相とシリア問題等を話し合う予定であり、内容が注目されます。一部ではプーチン大統領との会談も実現すると報道されていますが、プーチン大統領はシリアの米空爆を非難、アサド政権の化学兵器の使用も「でっち上げ」との姿勢を崩していません。

本日この後8:50からは本邦機械受注(2月)、企業物価指数の発表が、9:30に豪州 ウェストパック消費者信頼感指数、10:30には3月の中国の消費者、生産者物価指数の発表が予定されています。

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