<<東京市場の動き>>
11日の東京市場は、ややドル安・円高。しかし、値幅そのものは限定的で、終日を通して40ポイント程度の変動に留まっている。
110.90円レベルで寄り付くも、ドルは一貫して緩やかな右肩下がり。前日欧米時間の流れを継いだうえ、日経平均株価が反落し、下げ幅が一時100円を超えたことなどが嫌気されていたという。また、根強い地政学リスクなどもリスク回避の円買いに繋がっていた面は否めず、関連するモノとして、本日の東京時間にはウクライナ発で「キエフ中心部で爆発音」とのニュースも報じられていたもようだ。
結局、ドルは日中安値である110.50-55円まで値を下げ、そのまま戻りもなし。16時時点ではドル安値の110.50-55円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、最高人民会議が実施されることで注目を集めるとともに、マーケットで警戒感が高まっていた北朝鮮情勢だが、ここまでのところ目立った動きは見られず、大きなニュースも伝えられていないようだ。
<<欧米市場の見通し >>
引き続き方向性は乏しい状況で、110-112円というレンジ内での往来相場をたどっている。ただ、値動き自体がないわけではなく、前記2円のレンジ内ではなかなか激しい変動だ。
先週末にレンジ下限を試したことに続き、今週初めの逆にレンジ上限に迫る展開を経て、足もとは再び下限をうかがう展開。このまま、一気に下限割れへと進むのかどうか、動静を注視してみたい。
テクニカルに見た場合、基本的には110-112円のレンジ相場をたどっているが、チャートをよく見ると4月に入ってから、下値は110円レベルで変わらないものの、上値は多少切り下がり111.60円レベルが抵抗となっている感を否めない。実際、時間足など短期チャートを見ると、昨日仲値決定(東京時間午前10時)前後などに111.60円レベルを2-3度トライするも、いずれも上値をキャップされている。
つまり、110.00-111.60円のボックス放れ、どちらの方向に抜けていくのかがまずは注視されそうだ。
一方、材料的に関心が高いのは、引き続き発表される米経済指標と米地区連銀総裁による講演だろう。後者については、昨日イエレンFRB議長の講演が、期待されたほどタカ派の内容とならなかったこともあり失望、その後のドル安進行に寄与した面もあったが、本日も同様の展開などには注意が必要かもしれない。
また、シリア情勢などをめぐり各国政府による不協和音が取り沙汰されるなか11日までイタリアで開催されるG7外相会合、ティラーソン米外相のロシア訪問などの国際的な政治日程にも目を配っておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.00-111.20円。ドル高・円安方向については、111.15円レベルに一目均衡表の転換線が位置し弱い抵抗となりそうだが、強いものとなると前述したように4月以降の抵抗帯となっている111.60円レベルとなる。抜けても112円や前回高値112.21円などにフシがみられ、ドルの上値は重そうだ。
対するドル安・円安方向は、先週末のNY安値などにもあたる110円前後が依然として強いサポート。簡単に抜けていくとは思われないが、逆に底堅いが故に、もし割り込むようだとそのあとの下げは速いかもしれない。(了)
オーダー/ポジション状況
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