前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 113.93 114.95 112.62 112.91
ユーロ円 120.98 121.28 119.69 119.80
ユーロドル 1.0619 1.0679 1.0522 1.0611
日経平均 19513.78 19519.44 19173.53 19234.62
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
2月13日(月)
週明けの東京市場では、日米首脳会談で通貨安の話が出なかったことに安心してドル買いの動きとなり、強い株価も手伝って前場には114.17レベルの高値を付けました。しかし、114円台では実需を中心としたドル売りオーダーにぶつかり失速、その後は113円台後半を中心にもみあいを続けました。いっぽうユーロドルは、先週後半の売りに対する買い戻しが先行し、1.0658レベルまで買い戻されたもののNY市場では再び政治イベントリスクやギリシャ債務問題が蒸し返されNYダウが上昇する中でユーロ売りの動きに。金曜安値を割り込み1.0592レベルまで水準を下げ安値圏でのクローズとなりました。
2月14日(火)
東京市場では株式市場が弱かったことも重なってドル円は上値の重たい展開を続けました。イエレンFRB議長の議会証言を控えていることもあって取引自体は活発低調で下値も限定的、113円台前半で底固めをしての議会証言待ちとなりました。イエレン議長は米経済に楽観的、かつ利上げについても3月を排除することなく今後の会合全てがライブであるとタカ派的な発言をしたことでドル円は急騰、114.50レベルの高値を付けドル買い地合いを継続したままでのクローズとなりました。
2月15日(水)
東京市場では目立った動きは無かったものの、前日イエレン議長の議会証言後のドル買いの動きを受け、売りオーダーをこなしながらドルが底堅い値動きを続けました。NY市場まではわずかに高値を切り上げる程度でしたが、NY市場に入り発表された経済指標が軒並み強かったことから改めて3月利上げの思惑が強まり、ドル円は114.95レベルの高値を付けました。イエレン議長の下院議会証言は大きな材料とはならず材料出尽くした感から113.85まで失速し引けにかけてはやや戻してのクローズとなりました。
2月16日(木)
前日NY後場からのドル売りの流れを受け、朝方からドル売りが先行する流れとなりました。東京市場では日経平均も上値が重くドル円と双方で足を引っ張りながら水準を下げる展開となっていましたが、テクニカルに下降チャンネルを上抜けしてきたユーロドルでのユーロ買いの動きもドル売りを強めることとなりました。NY市場でドル円は113.09レベル、ユーロドルも1.0679レベルのドル安値をつけ、若干戻しての引けとなりました。
2月17日(金)
東京市場では動意薄で株価、為替ともに狭い値幅でのもみあいに終始していましたが、欧州市場に入ると週末前のポジション調整が進み円高の動きとなりました。前日安値を下回ったあたりからはストップオーダーも巻き込みながらドル円だけでなくクロス円の売りも出て、特に欧州通貨はポンドがリードする形でじり安となったことからユーロ円が大幅に水準を下げる展開となりました。NY市場ではドル円は112円台後半で方向感の無い取引が続きましたが、ユーロは一段安となり対ドルで1.0605レベル、対円で119.69レベルの安値をつけ上値の重たいまま引けました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2017年FOMCメンバー(ニューヨーク、フィラデルフィア、シカゴ、ミネアポリス、ダラス)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
2月20日(月)
08:50 本邦1月貿易収支
10:15 (クリーブランド連銀総裁講演)
**:** NY市場休場
24:00 ユーロ圏2月消費者信頼感速報値
2月21日(火)
09:30 豪中銀理事会(7日)議事録公表
17:00 フランス2月製造業・サービス業PMI速報値
17:30 ドイツ2月製造業・サービス業PMI速報値
18:00 ユーロ圏2月製造業・サービス業PMI速報値
22:50 ミネアポリス連銀総裁講演
23:45 米国2月MarkIt製造業・サービス業PMI速報値
26:00 フィラデルフィア連銀総裁講演
29:30 (サンフランシスコ連銀総裁講演)
30:30 豪中銀総裁講演
2月22日(水)
18:00 ドイツ2月ifo景況感指数
18:30 英国10〜12月期GDP改定値
19:00 ユーロ圏1月CPI確報値
24:00 米国1月中古住宅販売件数
27:00 パウエルFRB理事講演
28:00 FOMC(1月31日・2月1日)議事録公表
2月23日(木)
16:00 ドイツ10〜12月期GDP確報値
16:45 フランス2月企業景況感
18:30 南ア1月PPI
22:30 米国新規失業保険申請件数
22:30 米国1月シカゴ連銀全米活動指数
22:35 (アトランタ連銀総裁講演)
23:00 米国12月住宅価格指数
25:00 米国週間原油在庫
2月24日(金)
07:30 豪中銀総裁議会証言
16:45 フランス2月消費者品来館指数
24:00 米国1月新築住宅販売件数
24:00 米国2月ミシガン大消費者信頼感指数確報値
今週の週間見通し
先週の動きを大まかに振り返ると、週初は日米首脳会談で為替に関して具体的な言及が無かったことと、イエレン議長議会証言で3月利上げもあり得るとの思惑から買いポジションが積み上がりましたが、115円の大台を目前に失速し折り返したことから週後半はポジション調整が入り112円台後半へ押すこととなりました。
こうして見ると、引き続き大きな材料は「米国の利上げ時期」、「トランプ政権の景気刺激策期待」これら2つがドル買い材料であり、いっぽうで継続している「日米間の円相場に関する対話」がドル売り(円買い)材料であり、それぞれがその時々の市場参加者の思惑で、ドル買いかドル売りかどちら側の材料により反応しているかであると考えられます。
まず、米国の利上げ時期ですが、CMEが提供する”FedWatch Tool”( http://www.cmegroup.com/trading/interest-rates/countdown-to-fomc.html )を見ると3月の段階で利上げを行い0.75〜1.00%となる織り込み度はいまだ18%に留まっています。イエレン議長のタカ派的な発言は、市場参加者の思惑があまりハト派的に振れすぎないように微調整を行ったもので、今後の会合はすべてライブと発言してはいるものの、3月ではなくそれ以降と見た方が妥当に思えます。ちなみに、6月時点では25bp以上も含め利上げ織り込み度は70%に達しています。
次に、トランプ政権の景気刺激策期待ですが、今月は28日にトランプ大統領の所信表明演説(初年度の一般教書演説)が行われる予定となっているため、おそらくは税制改革もその場で表明される可能性が高いものと考えられます。まだ来週火曜と日にちがあることを考えると、今週中に材料とするには早いように思えますし、減税も含めて大規模なものとなるという点は既に市場も織り込み済みであると言ってよいでしょう。
最後に、日米間の円相場に関する対話についてですが、先週金曜日に日本側から妙な発言が出ています。安倍首相、麻生財務相ともに現在の円相場に楽観的な発言を行いましたが、金曜時点では特に材料視されませんでした。おそらくは、まだ日米間の為替に関する結論が出ているとは思えず、日本側だけの発言では何もわからないため、今後米国側から何らかの発言が出て来るまではおあずけと考えているということでしょう。
こうして見ると、ドル買い材料は既に織り込まれていたため、ポジション調整から先週末はドル円が思いのほか売り込まれたと考えられますが、それでも1月下旬からのレンジを大きく超えるようなものとはなっていません。今週も円相場は上記3点を主要なテーマに動いていくものと考えられますが、相変わらずマーケットで暴れている参加者(ヘッジファンド?)もいますので、状況によっては思わぬ動きに繋がる可能性には注意が必要です。
次にテクニカルな面から見てみましょう。日足チャートをご覧ください。
年始から高値を切り下げる動きとなり、年初来高値118.60と2月7日安値111.60との半値戻しが115.10(緑のライン)と、ほぼ先週高値に一致していることから、現在の動きは更にそこからのフィボナッチエクスパンション(ピンクのライン)を考え、50%エクスパンションの111.19をターゲットにしやすい流れです。その前に2月7日安値が最初のサポートとはなりますが、仮に同水準を下抜ける動きが出てきた場合には61.8%エクスパンションとなる110.36、大きくは110円の大台を視野に入れる展開となる可能性考えておく必要がありそうです。
今週のドル円は引き続き上値の重たい展開となりそうですが、来週のトランプ大統領演説を前に大きくレンジを抜けだすとも思えず、ここしばらくのレンジの中で下半分のもみあいを考えておこうと思います。予想レンジは、111.70レベルをサポートに、113.70レベルをレジスタンスとする週を見ておきます。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。
ディスクレーマー
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オーダー/ポジション状況
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