大統領の矛盾した姿勢に為替方向感持てず(2月16日)

流石に昨夜の行って来い2連発には驚きでした。

大統領の矛盾した姿勢に為替方向感持てず(2月16日)

ドル円:2月16日のファンダメンタル分析

テーマ:トランプ大統領の矛盾した為替への姿勢から方向感持てず。

流石に昨夜の行って来い2連発には驚きでした。

アジア時間は114.22から114.62のほぼ40銭の間を上下しての横ばいでしたが、
NY時間に入り、米経済指標(1月の米小売売上高や米CPI)が強めで一気に114.95まで上伸
115台へ乗れずに調整売りで114.32へ下押し
再度、ドル買いの波で114.70へ上戻し
ユーロが強くつれてのドル売りから113.85まで下押し
一旦動きも収まりじりじりと114.40へ上戻し
結局NY時間は114.40で始まり買われて114.95売れて113.85、その後114.40まで戻して引けでした。

この不安定な上下同の原因はトランプ大統領の矛盾した為替への姿勢で、市場は判断に困っています。

先ずは「雇用第一主義」という選挙公約通り、インフラ投資と、米国投資法導入を含めて個人・法人への減税との政策を実施すれば、どうしても結果として「ドル高」になると想定されます。
一方で、米国の貿易赤字を解消してゆく為には「ドル安」の通貨政策を掲げています。

ポイントは、米国株・NYダウを持ち上げる事です。
インフラ投資で景気を刺激し、減税で個人消費と法人設備投資を刺激し、米国景気を上昇させる事に成功すれば
結果として税収は増えます。
問題は米貿易赤字の解消をどう図るかです。この米国景気の上昇が国内消費に依存した内需指向であると、通常であればどうしても輸入が増えてしまい貿易赤字は拡大してしまうので
1. トランプ大統領は恐らくそれを防ぐために大幅な輸入関税を導入するでしょう。
その際の欠点は、米国民が輸入品を消費する際、割高なものを購入しないといけません。
しかもこの事が米国景気を冷やしてしまうリスクもあります。

2. であれば、米国が製品輸出できるように、海外の景気を上向ける必要があります。
その為には、海外の景気を刺激する通商政策を推進する事が結果的に米国第一主義になるのです。
3. もしくは究極の方法ですが、完全に米国内で自給自足の経済サイクルを確立する事です。
そうすれば輸入をする必要がなくなり、貿易赤字が解消してかつ米国第一主義を目指せます。
多分恐らくこの方法をトランプ大統領は模索していると想定します。

こう考えると、中々前途多難と予想され、市場が認知するまでの時間は、昨夜の様なボラの高いレンジ相場が続くと想定します。

因みに昨日気になった4つの報道があります。
1. 米アトランタ連銀のGDPナウによる米1-3月期成長は2.2%と、前回9日時点の推計2.7%から下方修正。
ですが
2. ゴールドマンサックスは、6月の米利上げ確率を、従来の85%から90%に、3月利上げ確率も20%から30%に引き上げ。
3. JPモルガンは、次回の米利上げ予想時期を6月から5月に前倒し。
4. 昨日の日報で記したCMEFedウオッチの米3月利上げへの確率は31%と17.7%から上昇。
強気弱気のニュースが玉石混交ながら、市場の地合いはイエレン議長のタカ派発言に敬意を払って早期の利上げへと先行しています。

ドル円:2月16日のテクニカル分析

ポイント:基準線からの上昇、一旦足踏み。

イエレン議長の米早期利上げへの強気の発言、強めの米国経済指標から地合いは上値を試しています。
ポイントは大型減税とその先の景気成長です。
昨日もトランプ大統領は米小売り大手との会談でも大型減税を繰り返していますが
市場は、イエレン議長もですが、トランプ大統領の具体的な財政政策・減税政策を待っていて、
口先だけを頼りでは前回高値の1月27日の115.37を上抜けてゆくのは難しいでしょう。

テクニカルには、高値圏で難しい局面です。
昨日は上下にひげを伴う実態の狭い日、特に上ひげが長く、低下してきた日足の一目均衡表の基準線114.23に上値を抑え込まれた格好です。
引き続き下降中の日足の一目均衡表の基準線114.23を上抜いてゆけるか。抜ければ先行スパン1の116.31の上抜けも視野に入り、そこまで上昇すれば新しい上昇トレンドに入ると想定します。
上値・上昇を基準線で抑えられてしまうと上昇中の転換線113.05を試し、下抜けると再度の111.50水準の下抜けを試す展開と想定します。

上値方向を目指すには
1. NY引けでの基準線回復が必要です。
2. この基準線を超えてくれば、高値更新の可能性が見えてきます。
転換線を下回る場合は、一段の安値模索の動きにあるとの判断に変わりはありません。

本日の下値目途は、
1.昨年11月の101.20から118.60までの上昇の50%下押しに当たる109.94を試すには、昨日安値の113.85、14日安値の113.24を下抜けてゆく必要があります。
2.その下は年初来安値の111.57。

これまで述べてきた通り、今年は年間で見るとレンジであるとする見方にも変わりはありません。
7日は111.57まで下押しし年初来安値ですが、年初来高値の118.60との間を意識して、112〜118、もしくはやや広げての110〜120と想定します。
つまり上昇しても118〜120が今年の限界とみています。

今日のレンジは、113.50~115.00と見ます。

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る