前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 118.56 121.70 117.65 121.13
ユーロ円 128.01 132.31 127.83 131.19
ユーロドル 1.0797 1.0968 1.0789 1.0831
日経平均 17145.81 17638.93 16652.26 17518.30
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
1月25日(月)
目立った材料が無い中、前週木曜からのリスクオフの巻き返しに対する調整の動きが続きました。イコール、リスクオフというわけではありませんが、株価が上昇を弱め上値が重たい展開を続ける中で、ドル円は118円台後半で上値の重たい展開となり、終日ドルがじり安の展開となりました。基本的に火曜からのFOMC、木曜からの日銀金融政策決定会合と、週半ばからの日米の金融政策イベントを前に調整相場が続きやすい展開となっていた様子です。
1月26日(火)
東京市場では、前日に続いてリスクオフの巻き返しに対する調整の動きから株安、ドル安、原油安と典型的な3拍子揃った売りの動きとなっていました。ドル円は一時117.65レベルの安値を付けましたが、海外市場に移ると相場が一転、株高、ドル高、原油高となり、NY市場では原油価格が32ドルを回復、NYダウは直近高値を上抜けました。ドル円も118.63レベルと安値から1円近い回復を見せましたが、FOMCを前にして引けにかけてはそれぞれ、やや調整が入ってのクローズとなりました。
1月27日(水)
FOMCを前にNY市場前場までは細かな上下は見られたものの様子見の姿勢が続き、直近高値を上抜けたユーロ円にストップの買いが見られた程度となりました。NY市場では昼頃に原油市場、株式市場に買いが入り、FOMCを前に強気の動きとなっていましたが、これは市場参加者が3月利上げは遠のくのではないかとの思惑が根強かったことによるものでした。FOMCでは足元の米国経済や海外市場の情勢に警戒は示したものの、緩やかな利上げ姿勢には変化が無く、3月利上げの可能性はまだ残っているとの判断から、急速に株式市場に売りが入り、それにつられ為替市場もドル売りの動きとなりましたが、それまでにドル円は119円台乗せを見たこともあり、思ったほどのインパクトは無く、日銀待ちのクローズとなりました。
1月28日(木)
日銀金融政策決定会合を前に、ドル円は終日118円台後半でのもみあいに終始しました。いっぽうユーロドルは、東京市場では上値が重たい展開となっていたものの、欧州市場に入り強いポンドに引っ張られる形で上昇、ユーロ円も130円の大台に乗せる強い動きとなりました。しかし、ユーロドルの1.09台後半はこれまでも1.10の大台を前にした時と同様に、売りオーダーが残っている様子で、引けにかけては小緩む動きとなりました。
1月29日(金)
金曜は日銀の金融政策決定会合においてマイナス金利が導入されることとなり、それを受け最初は消化しきれない部分もあって乱高下する場面も見られました。徐々に分析が進み市場に落ち着きが戻ってくると、日銀の期待通り株式市場、為替市場ともに上昇、これまでの下抜け懸念は遠のくこととなりました。海外市場では月末要因からユーロ売り(ドル買い)の動きもあり、週末クローズはドル円が121円台乗せ、ユーロドルは1.08台前半となりました。
? 今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
2月1日(月)
**:** NZ市場休場
10:00 中国1月製造業、非製造業PMI
10:45 中国1月MarkIt製造業PMI
17:50 フランス1月製造業PMI確報値
17:55 ドイツ1月製造業PMI確報値
18:00 ユーロ圏1月製造業PMI確報値
18:30 英国1月製造業PMI
22:30 米国12月個人所得・消費支出
23:45 米国1月MarkIt製造業PMI確報値
24:00 米国1月ISM製造業景況指数
24:00 米国12月建設支出
27:00 フィッシャーFRB副議長講演
2月2日(火)
12:30 豪中銀政策金利発表
17:55 ドイツ1月失業率
18:30 英国1月建設業PMI
19:00 ユーロ圏12月失業率
19:00 ユーロ圏12月PPI
24:00 米国2月IBD景気楽観度指数
27:00 カンザスシティ連銀総裁講演
30:45 NZ10〜12月期失業率
2月3日(水)
08:45 NZ中銀総裁講演
08:50 日銀金融政策決定会合(12月17・18日)議事要旨公表
09:30 豪州12月貿易収支
10:45 中国1月MarkItサービス業PMI
11:30 黒田日銀総裁講演
17:50 フランス1月サービス業PMI確報値
17:55 ドイツ1月サービス業PMI確報値
18:00 ユーロ圏1月サービス業PMI確報値
18:30 英国1月サービス業PMI
22:15 米国1月ADP全国雇用者数
23:45 米国1月MarkItサービス業PMI確報値
24:00 米国1月ISM製造業景況指数
24:30 米国週間原油在庫発表
2月4日(木)
09:30 豪州10〜12月NAB企業信頼感指数
21:00 英中銀MPC結果公表、四半期インフレ報告
21:30 米国1月チャレンジャー人員削減予定数
22:30 米国10〜12月期単位労働コスト速報値
22:30 米国新規失業保険申請件数
24:00 米国12月製造業受注指数
2月5日(金)
09:30 豪中銀四半期金融政策報告
22:30 米国1月雇用統計
22:30 米国12月貿易収支
29:00 米国12月消費者信用残高
今週の週間見通し
日銀がマイナス金利導入を決めましたので、今週はマイナス金利が為替市場に与える影響からです。
日銀は、これまでのQQEに効果が出にくくなっていることに加え、外部要因が大きいものの株式、為替市場とも不安定な動きとなってきたことを考え、それまではやらないと述べていたマイナス金利を導入しました。ただ、金融機関の収益を考量しこれまでの分は今まで同様に0.1%の付利、今後の自然増相当分は0.0%、更に「それを超える部分」が−0.1%という段階的なものとなります。果たして「それを超える部分」がどの程度、日銀当座から貸し付けや投資に回り、それが為替市場にどのような影響を与えるのかは、今後を見ていかないと明確には判断しかねる部分はありますが、ECBのここまでの動きが参考になることは間違いありません。
以下はユーロドルの週足チャートにECBがマイナス金利を発表した時点にピンクの縦線を引いたものです。たしかに、マイナス金利導入後はユーロ安の動きとなっていることがわかります。
ECBマイナス金利政策実施と以後のユーロドル相場推移
また、実際の金利市場では、資金の需給については供給が増えることで3〜5年程度までの金利が低下しマイナス金利となり、為替については金利差を背景にドル高ユーロ安方向に動きましたので、今回の日銀についても同様に動きをしやすいというのが一般的な考え方です。
しかし、ユーロドルも導入当初に比べたらユーロ安とはなったものの、原油安や中国市場の混乱等の外部要因によって、昨年は一方的なユーロ安とはならなかったことも皆さんが見てきた通りです。冷静に考えるならばドル円でもドル下支え効果はあるものの、一方的な動きにもなり難く、中長期的には120円を中心として安定した値動き、つまり115円割れも回避したが、125円超えも難しいといったコンセンサスが形成されてくる可能性が高まるのではないかと見ています。
また、今後のカードについて考えると、ECB同様に更なるマイナス金利の拡大(ー0.3〜0.5%)は十分に考えられますし、国債の購入自体は効果が薄くなってきているものの、金額、償還期限ともに延ばしてくる可能性もあるでしょう。短期的には、どこまで円安に動くのか株価とともに注視する状況は変わらないものと考えていますが、外部要因も大きくなっている現状では、どこまで強い効果が期待できるのか、日銀自体も正直読み切れていないのではないでしょうか。逆に読み切っていたら、黒田総裁も前言を翻すような政策は取らずにいたでしょう。
今週は週末に米国雇用統計もあり、、まだまだ反乱展開が予想されますが、120.00レベルをサポートに、122.00レベルをレジスタンスとする流れを見ておきます。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみ平均足と同様とすることで、短期的な方向性(緑=上昇、赤=下降)を見やすく加工した当週報独自のチャートとなっています。また、国内外で人気の高い一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。トレンドラインは週初の段階で過去一定期間から自動的に表示される自動トレンドライン(無い場合もあります)となっています。
ドル円日足
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