一時151円台後半まで持ち直す展開。米感謝祭入りで海外時間は動意薄
〇ドル円、欧州時間に151.99まで上昇後、151円台半ばに反落、米感謝祭で商い閑散
〇ユーロドル、仏政治先行き不透明感、欧州債利回り低下等に一時1.0527まで下落、上値重い
〇ドル円は200日移動平均線を下回るも、ドル円相場のさらなる持ち直しは時間の問題か
〇本日ブラックフライデーで、米株・米債市場が短縮取引、海外時間帯の値動きは限定的
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの再開をメインシナリオとして予想
〇8時30分に予定されている東京区部11月消費者物価指数発表前後はボラティリティ拡大要警戒
〇本日の予想レンジ:150.50ー152.50
海外時間のレビュー
28日(木)のドル円相場は底堅い動き。アジア時間朝方にかけて、安値150.93まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)急ピッチな下落に対する反動買い(自律反発)や、(2)トランプ次期大統領によるTruth Socialでの「She has agreed to stop Migration through Mexico, and into the United States, effectively closing our Southern Border(メキシコのクラウディア・シェインバウム・パルド大統領は米国へのメキシコ経由の移民を止めることに同意し、事実上南部国境を閉鎖した)」とのSNS発信、(3)上記2を背景とした関税引き上げリスクの後退(メキシコペソ急上昇→リスク回避ムード後退)、(4)日経平均株価の堅調推移が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値151.99まで上昇しました。その後は、米感謝祭で商い閑散となる中、徐々に上値を切り下げ、本稿執筆時点(日本時間11/29午前1時40分現在)では、151.50前後で推移しております。
28日(木)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間朝方にかけて、高値1.0570まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)急ピッチな上昇に対する反動売りや、(2)アルマン仏財務相による「予算が可決されなければフランスが制御不能に陥るリスク」との悲観的な発言、(3)上記2を背景としたフランス政治の先行き不透明感、(4)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力(独10年債利回りは10/3以来の低水準を記録)が重石となり、欧州時間朝方にかけて、安値1.0527まで下落しました。その後も、(5)ドイツ11月消費者物価指数速報値(結果+2.2%、予想+2.3%)の市場予想を下回る結果や、(6)フランス中銀ビルロワドガロー総裁による「12月利下げの規模にはオープンな姿勢を維持すべき」とのハト派的な発言が上値を抑え、本稿執筆時点(日本時間11/29午前1時40分現在)では、1.0550前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は11/15に記録した約4カ月ぶり高値156.75をトップに反落に転じると、今週水曜日に一時150.44まで急落しましたが、昨日は一転151円台後半まで持ち直す動きとなりました。こうした動きの背景には、トランプ次期大統領による関税引き上げリスクの後退や、米感謝祭前のポジション調整一巡等の要因が挙げられます。ドル円は依然として市場参加者が意識する200日移動平均線を下回っていますが、日米金利差に着目した円キャリートレードの継続期待や、トランプ・トレードの本格化期待を踏まえれば、ドル円相場のさらなる持ち直しは時間の問題と考えられます。
本日はブラックフライデーで、米株・米債市場が短縮取引となるため、昨日同様、海外時間帯の値動きは限定的になることが予想されますが、週明け以降は再びドル円相場に上昇圧力が加わるシナリオが想定されます(連休前にポジションを落としていたプレイヤーが再びドル円ロングを再構築するシナリオを想定)。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの再開をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間8時30分に予定されている東京区部11月消費者物価指数に注目が集まります。市場予想を下回る場合には、日銀による追加利上げ観測後退→円キャリートレード再開の経路で、ドル円に強い上昇圧力を加えるシナリオも想定されるため、アジア時間午前中のボラティリティ拡大に念のため警戒が必要でしょう。
本日の予想レンジ:150.50ー152.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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