ドル円 一転して下値リスク拡大、ドル続落にも注意(11/27夕)

東京市場はドルが一段安。スピードは緩やかだったが、ほぼ一貫した右肩下がりだった。

ドル円 一転して下値リスク拡大、ドル続落にも注意(11/27夕)

一転して下値リスク拡大、ドル続落にも注意

〇東京市場のドル円、高値153.25レベルを示現後は緩やかな右肩下がり
〇153円割り込み、夕方には11/8安値152.14下回る局面も
〇21日線を完全に下回り200日線に絡む値動き、ドルの下値不安が高まる
〇トランプ氏、対中強硬派として知られるグリア氏を米通商代表に指名すると発表
〇ドル高円安方向、上値が切り下がり152円半ばが重い印象、超えても153円前半程度までの戻りか
〇ドル安円高方向、NYクローズで200日線維持できるか注目、月間安値151.29は強いサポート
〇欧米時間のドル円予想レンジ:151.40-152.60

<< 東京市場の動き >>

東京市場はドルが一段安。スピードは緩やかだったが、ほぼ一貫した右肩下がりだった。

ドル/円は153.05-10円で寄り付いたのち、日中高値の153.25円レベルを示現。しかし、高値追いはそこまでで、以降は緩やかな右肩下がりをたどっている。153円を割り込み前日安値を更新しても、ドルは下げ止まらず。夕方には8日安値152.14円をわずかに下回る局面も観測されていた。結局、16時現在では152.10-15円、日中のドル安値圏で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「トランプ関税」と「中東情勢」について。
前者は、トランプ氏が発した「中国製品に10%の追加関税を課す、メキシコ・カナダからの全品目に25%関税を課す」−−との方針がそこここで物議を醸す。金融市場においても影響があったが、名指しをされたそれぞれの国から早速幾つかのレスポンスが聞かれている。たとえば、中国外務省は「米国と麻薬対策で協力を発展させることを望んでいる」と早々に表明したほか、メキシコ大統領は「関税」への報復を示唆していたようだ。なお、そうしたなかトランプ氏は、米通商代表にグリア氏指名すると発表していた。前政権で対中関税などを担当した人物で、対中強硬派として知られている。

後者は、前日にネットメディアのアクシオスが「イスラエル、レバノン停戦案で合意か」と報じ思惑を呼んだが、それがそのまま現実のものに。バイデン米大統領が「イスラエルとヒズボラの停戦は現地時間27日午前4時から発効する」と明らかにしたうえで、「停戦は60日間」と発表している。こうした状況について、国連事務総長が「合意を歓迎」するコメントを発するなど、もちろん全体的には明るいムード。しかし、ロイターが「イスラエル、停戦発表後にレバノン北部の検問所を空爆」と報じるなど、「停戦」の実効性に懐疑的な見方をする向きも少なくない。引き続き先行きには要注意だろう。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、予想していたレンジ下限153.30円レベルを昨日「しっかり」と下回ったことに続き、本日東京時間にも大幅続落。152.05-10円まで下落している。これを受け、移動平均では21日線を完全に下回っただけでなく、足もとは152円前後に位置する200日線に絡む値動き。つまり、テクニカルには一転してドルの下値不安が高まった。このまま200日線も割り込むようだと、月間安値151.29円がターゲットに。
市場の関心は12月の日米金融政策発表に依然として高い。そうしたなか、本日は重要な米指標がまとめて発表される格好であり、もちろん数値次第ながら波乱含みか。とくに10月のPCEデフレーターを注視している向きが少なくない。一方、金融市場全体で懸念されていた「地政学リスクの高まり」だが、中東情勢については先で取り上げたように「60日間の停戦で合意」がなされている。もちろん好材料ではあるものの、実効性に懐疑的な見方をする向きもあり、判断するには早計か。いま少し状況を見極めたいところだ。

テクニカルに見た場合、短期的に方向性を喪失している感もあったドル/円だったが、ついにレンジ放れを達成した。下方向へと放れた格好で、移動平均では21日線に続き200日線も下回ることが出来るのかにまずは注目だ。そんなドルの下値メドは月間安値151.29円。また、起点を9月16日安値139.58円と考えた上げ幅のフィボナッチ38.2%戻しは150.20円となる。若干遠いが、時間を掛けつつさらなるドル安の進行も。

本日は米経済指標として、7-9月期のGDP統計改定値や10月のPCEデフレーターなどが発表される予定となっている。明日がサンクスギビングデーでNYなどが休場となるだけに、数値如何では駆け込み的なポジション調整などが進みかねないといった声も聞かれていた。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.40-152.60円。ドル高・円安方向は、上値が少しずつ切り下がっており152円半ばがすでに重い印象。超えても、153円前半程度までの戻りが精々という気がしている。
対するドル安・円高方向は、NYクローズで見た場合に200日線を維持できるのか否かに注目。ザラ場ベースでは月間安値151.29円はかなり強いサポートか。

一転して下値リスク拡大、ドル続落にも注意

ドル円日足


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