基本は次の材料待ち、レンジ取引継続か
〇本日のドル円、加藤財務官から円安けん制発言を受け、一時154円割れまでドル安進行
〇その後V字回復し、寄り付きの154.60レベルまで値を戻す
〇テクニカルには、しばらく154-155円を中心としたレンジ取引が続くか
〇本日は米10月住宅着工件数やレッドブック、要人発言等に要注目
〇ドル高・円安方向、155円をめぐる攻防にまずは注目
〇ドル安・円高方向、153.80-85はかなり強いサポートか
<< 東京市場の動き >>
東京市場は結果「行って来い」。一時ドル安が進行、154円を割り込むも続かなかった。
ドル/円は154.65-70円で寄り付いたのち、当初はドル売り優勢。加藤財務官から強めの円安けん制発言が聞かれたことなどもあり、一時154円割れまでドル安が進行している。しかし大崩れするには至らず、むしろ目先ボトムをつけたあとはVの字型の回復。結局、154.60円レベルと寄り付き近くまで値を戻し、16時現在では154.50-55円で推移し欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「トランプ次期政権」と「ウクライナ情勢」について。
前者は、来年1月に発足するトランプ新政権をめぐり、国務長官や国防長官などの重要ポストは候補者名がすでに明らかになっているが、財務長官人事はいまだ判明せず。ブルームバーグが「トランプ氏側近、ウォーシュ氏起用支持を示唆」と報じていた反面、ロイターは「財務長官候補探しは停滞」としたうえで、「人選チームが現在、候補者選びの範囲を広げている」と伝えていた。後者が確かであるならば、確かに難航しているのだろう。一方、そうした一連の人事を含め、ブルームバーグは米金融大手のゴールドマン・サックスが「トランプ次期米大統領が掲げる関税引き上げ計画により、ドルは新たな強気相場に入りつつあるとの見方を示した」と報じ、一部で話題になっていたようだ。
後者は、週末に伝えられた「米国が方針転換しウクライナによる長射程兵器の使用を容認した」との報道が引き続き物議を醸す。フランスは外相が賛意を示したうえで、自国も「ロシア領内へのミサイル攻撃許可を検討する」と発言した反面、ドイツ首相は逆に「米の決定に追随せず」と否定的な見解を示していた。西側諸国の対応も一枚岩になっていないことが明らかになっている。なお、ロシア外務省は「ウクライナが長距離攻撃に踏み切れば直接的な敵対行為」と当然のように反発の姿勢を示していたが、興味深いのは米国のトランプ陣営からも「危険なエスカレーションにつながる」などとし、バイデン政権批判の声が聞かれていたこと。やはり、トランプ新政権誕生後のウクライナ支援などは、まったく望めなくなるのかもしれない。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日レポートしたように、ドル/円は先週末の東京時間に記録した156.76円が当面の高値になった感がある。そして、それを踏まえ短期的には153.80-155.80円といったレンジを形成しつつあるようだ。基本的なリスクは引き続きドル高方向ながら、いましばらくのあいだは基本的に上記2円レンジが続く可能性も否定できない。
市場の関心はすでに12月に発表される日米金融政策。ただ、米国でいえば当初優勢だった「追加利下げ」を期待する声が、先週末のパウエル発言で冷や水が浴びせられている。これは日本についても同様で、いま現在では大勢を占めていた「追加利上げ」との見方が最近になりやや後退しているようだ。ただ、日米どちらも実際の会合までまだ時間がある。このあとも発表される日米の指標や要人発言などに注意を払いつつ、思惑が二転三転する展開には是非とも注意しておきたい。
テクニカルに見た場合、ドル/円は上記のように154-155円あたりを中心とした2円程度のレンジを形成しつつある。油断は禁物だが、基本的にはしばらくのあいだレンジ取引をたどる公算が大きいようだ。ただし、上抜けた場合には156.76円が再び視界内に捉えられる反面、底割れするようだと153円台へといよいよ乗せてきた移動平均の21日線を目指した続落が予想されている。
本日は米経済指標として、10月の住宅着工件数やレッドブック週間小売売上高などが発表される見込み。またG20首脳会議が閉幕し、それを踏まえて石破首相らによる記者会見も行われる予定となっている。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは153.80-155.20円。ドル高・円安方向は、本日東京で乗せられなかった155円をめぐる攻防にまずは注目。しかし、しっかり超えても156円は若干遠い存在という気がしている。
対するドル安・円高方向は、先週末と週明けで2度下げ止まった153.80-85円はかなり強いサポートか。本日東京も近いレベルでドルは下げ止まっている。基本は底堅そうだが下回ると21日線が意識されそうだ。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.11.20
ドル円、一時153円台前半まで急落するも、海外勢参入後に全値戻し(11/20朝)
19日(火)のドル円相場は下落後に急反発。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.11.19
東京市場のドルは154円台での小動き、海外時間でも材料難で小動き推移か(24/11/19)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、加藤勝信財務大臣の口先介入などもあったが、154円台での小動き推移となった。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.11.19
ドル円見通し 先週末からの急落一巡で半値強を戻すも再び失速、乱調な展開で方向感探る(24/11/19)
19日午前序盤には154.50円割れへ失速している。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。