154円台半ばへ急上昇。トリプルレッドの成立期待がドル高を後押し
〇ドル円、トランプトレードの本格化期待、円キャリー再開期待等に米国時間に154.93まで上昇
〇ユーロドル、欧州経済先行き不安や米金利上昇等に一時1.06割れ
〇ドル円、トリプルレッド成立の可能性高まりドル買い優勢、テクニカルの地合いも強い
〇本日、米10月CPIが予想を上回る場合には一段高の可能性も
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:154.00ー156.00
海外時間のレビュー
12日(火)のドル円相場は堅調推移。アジア時間午後にかけて、安値153.41まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)トランプ・トレードの本格化期待(共和党がホワイトハウスと上下両院を制す可能性が高まったことで、トランプ次期大統領が掲げる政策が通り易くなるとの期待感)や、(2)上記1を背景とした米金利上昇および米ドル買いの活発化、(3)米10月NFIB中小企業楽観指数(結果93.7、予想92.0)の市場予想を上回る結果、(4)円キャリートレードの再開期待(IMM通貨先物市場で非商業部門の円ショートが8月以来の高水準へと急拡大)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値154.93まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/13午前7時45分現在)では、154.61前後で推移しております。
12日(火)のユーロドル相場は冴えない動き。アジア時間朝方にかけて、高値1.0663まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)トランプ・トレードの本格化期待(トリプルレッド実現の蓋然性が高まったことで、トランプ次期大統領が掲げる政策が通り易くなるとの期待感)や、(2)上記1を背景とした欧州経済の先行き不透明感(トランプ氏による関税政策が欧州経済を下押すとの警戒感)、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(4)ドイツ11月ZEW景況感指数(結果+7.4、予想+13.2、前回+13.1)の市場予想を下回る結果、(5)フィンランド中銀レーン総裁による「12月利下げの可能性は高く、さらなる利下げもあり得るだろう」とのハト派的な発言、(6)欧州圏の政治不安(ドイツやフランスを巡る政局不透明感)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0595(昨年11/2以来の安値圏)まで下落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/13午前2時00分現在)では、1.0623前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は一時154.93まで続伸するなど、力強い動きが続いています。共和党がホワイトハウスに加え上下両院を制すトリプルレッド成立の可能性が高まっていることが背景と考えられます。強い買いシグナルを示唆する「21日線と90日線のゴールデンクロス」「21日線と200日線のゴールデンクロス」「指数平滑移動平均線ベースでの強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」に加えて、「強気のバンドウォーク」も成立が近づくなど、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、日米金利差に着目した円キャリートレードの再開期待や、トリプルレッド成立期待に端を発したトランプ・トレードの本格化など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。政府・日銀による介入警戒感が遠のいていることも、ドル円を下支えする一因となっています。
本日予定されている米10月消費者物価指数が市場予想を上回る場合には、米利下げ観測後退→米金利上昇の経路でドル円にもう一段強い上昇圧力を加える可能性もあるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(心理的節目155.00を早期に試すシナリオを想定)。尚、本日はダラス連銀ローガン総裁発言や、セントルイス連銀ムサレム総裁発言、カンザスシティ連銀シュミッド総裁発言なども予定されています。
本日の予想レンジ:154.00ー156.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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