ドル円、円キャリートレード再開で大幅上昇。IMM通貨先物では投機筋による円ショートが急拡大(11/12朝)

週明け11日(月)のドル円相場は大幅上昇。

ドル円、円キャリートレード再開で大幅上昇。IMM通貨先物では投機筋による円ショートが急拡大(11/12朝)

円キャリートレード再開で大幅上昇。IMM通貨先物では投機筋による円ショートが急拡大

〇ドル円、米国時間朝方にかけ153.96まで上昇、米国祝日で閑散の中、高値圏で推移
〇本邦貿易収支・経常収支の不冴え、日銀の利上げ慎重姿勢等が背景
〇ユーロドル、ECBの追加利下げ観測、独政局不安等に1.06台前半に下落
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上で推移、買いシグナルも成立、地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小観測後退、キャリートレード再開期待等がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:153.00ー155.00

海外時間のレビュー

週明け11日(月)のドル円相場は大幅上昇。アジア時間早朝にかけて、安値152.65まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)本邦9月貿易収支(結果3152億円赤字、予想662億円赤字)の市場予想を上回る赤字幅拡大や、(2)本邦9月経常収支(結果1兆7171億円黒字、予想3兆4323億円黒字)の市場予想を下回る結果、(3)日銀金融政策決定会合における主な意見での「この先の政策金利の引き上げは時間をかけて慎重に行う必要」「賃金と物価の好循環の持続性に対する自信が強まるまで、当面、政策金利は現状維持でよい」との早期利上げに慎重な見解発表、(4)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、

(5)円キャリートレードの再開期待(米商品先物取引委員会が11/8に発表した11/5時点のIMM通貨先物・非商業部門取組状況を見ると、円ショートが前週の2.4万枚から4.4万枚へ倍増するなど、8月以来の高水準へと急拡大)、(6)トランプ・トレードの本格化期待、(7)米主要株価指数の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)が支えとなり、米国時間朝方にかけて、高値153.96まで上昇しました。その後は、ベテランズデーで米債市場が休場となる中、商い閑散となり、本稿執筆時点(日本時間11/12午前2時00分現在)では、153.85前後で推移しております。

週明け11日(月)のユーロドル相場は大幅下落。日本時間正午にかけて、高値1.0728まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)トランプ・トレードの再開期待や、(2)ECBによる根強い追加利下げ観測(ドイツ債利回り低下に伴うユーロ売り圧力)、(3)ドイツの連立政権崩壊に端を発した政局不透明感(解散総選挙が年明け1月に前倒しされるとの見方の浮上)、(4)ギリシャ中銀ストゥルナラス総裁による「金利は来年9月ごろには2%近くに低下する可能性がある」とのハト派的な発言、(5)直近安値ブレイクに伴う仕掛け的なユーロ売り・ドル買いが重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0629(4/22以来の安値圏)まで急落しました。その後は、ベテランズデーで市場参加者が減少する中、商い閑散となり、本稿執筆時点(日本時間11/12午前2時00分現在)では、1.0650前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は先週末金曜日にポジション調整主導で一時152.13まで下げ幅を広げましたが、週明け月曜日は一転、再び153.96まで持ち直す力強い動きとなりました。日足ローソク足が全ての主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、一目均衡表転換線、基準線、雲上限、ボリンジャーミッドバンド)の上側で推移していることや、これまで点灯していた「21日線と90日線のゴールデンクロス」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」に加えて、新たに「21日線と200日線のゴールデンクロス」「指数平滑移動平均線ベースでの強気のパーフェクトオーダー」が成立するなど、テクニカル的に見て、地合いの強さを印象付けるチャート形状となっております。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による過度な利上げ期待の後退(昨日発表された日銀金融政策決定会合の主な意見でも、利上げを急がない姿勢を改めて強調)や、(2)米FRBによる過度な利下げ期待の後退(米経済のソフトランディング期待+トランプ政権移行後のインフレ再上昇懸念)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの再開期待(IMM通貨先物市場で投機筋による円ショートが急拡大)、(4)トランプ・トレードの本格化期待(財政出動+規制緩和+大幅減税の組み合わせが想定されるため、市場参加者は米株高・米金利上昇・米ドル買いで反応)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

日本政府・日銀による為替介入についても当面見送られる公算が大きいことから、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(先週11/7に記録した高値154.72を早期に試すシナリオを想定)。尚、本日はウォラーFRB理事や、リッチモンド連銀バーキン総裁などの講演会が予定されております。

本日の予想レンジ:153.00ー155.00

注:ポイント要約は編集部

円キャリートレード再開で大幅上昇。IMM通貨先物では投機筋による円ショートが急拡大

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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