上値の重い展開が継続中。本日は米大統領選候補者討論会と米CPIがメインイベント
〇ドル円、欧州朝方の高値143.71から米国時間午後にかけ142.20まで反落、142円台前半での推移
〇米指標の不冴え、米金利低下、株価の軟調、米大統領選討論会を控えたポジション調整等が重石に
〇ユーロドル、ECB理事会を控え1.10台前半で上値重い、株価の軟調、欧州債利回り低下もユーロを圧迫
〇ドル円、一目均衡表の雲が垂れ下がり、「三役逆転」も成立、テクニカルの地合い弱い
〇本日はトランプ氏とハリス氏のテレビ討論会と米8月CPIに注目集まる
〇ハリス氏優勢+市場予想を下回る米CPIの組み合わせが最もドル円を押し下げ
〇トランプ氏優勢+市場予想を上回る米CPIの組み合わせが最もドル円の押し上げにつながるか
〇アジア時間・欧米時間を通して、ボラタイルな相場展開に注意が必要
〇本日の予想レンジ:140.50ー144.50
海外時間のレビュー
10日(火)のドル円相場は上値の重い展開。(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力(次回FOMCでの50bp利下げ観測後退→米金利上昇→米ドル買い)や、(2)米ブルームバーグ社による「日銀は今月会合で政策維持へ、利上げ急ぐ必要性低いとの見方」との観測報道(日銀による早期利上げ観測後退→円売り)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値143.71まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(3)前日高値143.80を背にした戻り売り圧力や、(4)米8月NFIB中小企業楽観指数(結果91.2、予想93.6、前回93.7)の市場予想を下回る結果、(5)米金利低下に伴うドル売り圧力、(6)株式市場の冴えない動き(リスク回避の円買い圧力)、(7)米大統領選候補者討論会を控えたポジション調整が重石となり、米国時間午後にかけて、安値142.20まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/11午前6時15分現在)では、142.40前後で推移しております。
10日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。アジア時間午後にかけて、高値1.1050まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ECB理事会を控えたポジション調整や、(2)欧州株の冴えない動き(独DAXが8/16以来の安値圏へ下落)、(3)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力、(4)テクニカル的な地合いの悪化(日足ローソク足が21日移動平均線に続いて、一目均衡表基準線を下方ブレイク)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.1015まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間9/11午前6時15分現在)では、1.1020前後で推移しております。尚、昨日発表されたドイツ8月消費者物価指数確報値(結果+1.9%、予想+1.9%)は市場予想通りの結果となりました。
本日の見通し
ドル円は3営業日連続で144円手前(9/6高値143.92、9/9高値143.80、9/10高値143.71)で失速するなど、上値の重い展開が続いています。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの下側で推移していることや、一目均衡表の分厚い雲がアップサイドより急ピッチに垂れ下がってきていること、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは弱いと判断できます。
こうした中、本日はトランプ氏とハリス氏のテレビ討論会(日本時間10時00分)と米8月消費者物価指数(日本時間21時30分)に注目が集まります。テレビ討論会については、両者の支持率が拮抗しているため、トランプ氏優勢となれば「財政赤字拡大・物価上昇→米長期金利上昇」の経路でトランプトレード再開(米ドル買い・円売り)が見込まれ、ハリス氏優勢となればその逆の米ドル売り・円買いがもたらされるシナリオが想定されます。また、米8月消費者物価指数については、市場予想を下回る場合には、「インフレ鈍化→米FRBによる大幅利下げ観測再燃→米金利低下」の経路でドル円に下押し圧力が加わり、反対に市場予想を上回る場合には、「インフレ鈍化期待の後退→米FRBによる大幅利下げ観測後退→米金利上昇」の経路でドル円に上昇圧力が加わるシナリオが想定されます。
従って、ハリス氏優勢+市場予想を下回る米CPIの組み合わせが最もドル円の押し下げに繋がり易く、一方、トランプ氏優勢+市場予想を上回る米CPIの組み合わせが最もドル円の押し上げに繋がり易いと言えそうです。以上の通り、本日は重要イベント目白押しの1日となるため、アジア時間・欧米時間を通して、ボラタイルな相場展開に注意が必要でしょう。
本日の予想レンジ:140.50ー144.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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