東京市場のドルは143円台まで戻す、本日は小休止するも二番底探る動きは継続か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日本株が下げ幅を大幅に縮小したことなどから、ドル買戻しが優勢となり、142円台後半まで値を戻した。
先週末の海外時間では、米8月雇用統計で失業率の上昇や平均時給の伸び拡大で、長期金利上昇に伴うドル買いが強まった。一方、その後、非農業部門雇用者数の伸び鈍化に加え過去2カ月分の雇用者数下方修正を受け金利低下に伴うドル売りに転じた。警戒された程、悪化しなかったため大幅利下げ観測は強まらずドルはいったん下げ止まったが、ウォラー連邦準備制度理事会(FRB)理事が「大幅利下げも除外しない姿勢」を表明したためドル売りが加速した。一時141円78銭まで下落する場面も見られた。
東京時間では、朝方、141円96銭と141円台を探る動きが見られたものの、売り優勢となった日本株が下げ幅を縮小したことで、ドルは買い戻される展開となった。時間外の米国株もしっかりだったことも安心材料となったもよう。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:142円14銭
高値:143円09銭
安値:142円09銭
終値:142円91銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:157円59銭
高値:158円48銭
安値:157円55銭
終値:158円20銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値: 94円78銭
高値: 95円63銭
安値: 94円75銭
終値: 95円30銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:186円70銭
高値:187円81銭
安値:186円64銭
終値:187円44銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:35805円82銭
高値:36248円12銭
安値:35247円87銭
終値:36215円75銭(前日比−175円72銭)
【本日の海外市場の重要指標】
日本時間
23時00分、米、7月卸売在庫(確報値、前月比)、前回:0.3%、市場予想:0.3%
24時00分、米、8月NY連銀インフレ期待
FRBブラックアウト期間入り(金融政策に関する発言自粛)19日まで
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間は、目立った売買材料に欠けることから142円台後半でのもみ合いを想定する。
先週末の米国市場では、投資家心理を示すVIX指数は上昇したが23ポイントに留まるなどボラティリティは比較的低い水準を維持している。10年債利回りは8月5日の水準を下回ったが、VIX指数は8月5日の65ポイント台とは程遠い水準にある。景気後退懸念は再燃しているものの、先々の急変動を想定している投資家は少ないことから、米国市場はさほど悲観的ではないとも考えられる。
ドルインデックスが6日の安値100.5水準から101.3水準まで戻していることを考慮すると、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが適切な対応を取ってくれるという期待感が根底にはあるのだろう。
なお、10日には民主党候補ハリス氏と共和党候補トランプ氏による初のテレビ討論会が実施される。現在、ハリス氏とトランプ氏の支持率は拮抗しているが、テレビ討論会の内容次第で支持率が大きく変化する公算が大きい。為替への影響よりは株式への影響の方が大きそうだが、株式市場ではテレビ討論会を前に積極的な売買を手控える可能性はあろう。
日足の一目均衡表では、基準線、転換線ともに下向きとなっているほか、20日移動平均線も下向き。8月5日の長い下影(下ヒゲ)吸収を試す展開となっており、8月5日安値141円68銭にあと10銭の141円78銭まで迫った。足元ドル買戻しで143円台水準が見えてきたが、トレンドは悪化していることから「二番底」を探る地合い続いていると考える。
今晩のドルは、二番底への警戒は残っているが、いったん小休止の地合いとなりそうだ。上値メドは143円40銭、下値メドは142円40銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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