日銀会合こなし、市場の関心は米FOMCへ
〇東京市場のドル円、日銀結果発表後に乱高下、トータルの変動は2円超える
〇安値152円割れ、高値154円近くまで達し、153円挟みのレベルに収斂
〇7/25安値151.94維持できず一時下回るも、近くには200日MAも位置し強固なサポート
〇「7月利下げ見送り、9月利下げ示唆」と予想される米FOMCの結果発表控え、波乱起こる可能性も
〇ドル高円安方向、早いタイミングで回復しないと抵抗となりそうな153円レベルめぐる攻防に注目
〇ドル安円高方向、151.60-70が最初のサポート、下回ると151円割り込み150円割れへと迫る可能性も
〇欧米時間のドル円予想レンジ:151.00-153.00
<< 東京市場の動き >>
東京市場は予想通り大荒れ。注目の日銀会合の結果発表などもあり激しい値動き、トータルの変動は2円を超えている。
ドル/円は152.75-80円で寄り付いたものの、当初から荒れ模様。日銀会合開催中にもかかわらず、突然ドルが買い進められ1円近く吹き上げる局面も観測されていた。そうしたなか、午後1時近くになり日銀が会合結果として「0.25%への利上げ」を発表。予想外の内容に相場は激しい乱高下をたどる結果に。安値は152円割れ、高値は154円近くまで達している。そののち、相場は徐々に153円挟みのレベルに収斂され、16時現在では小緩んだ152.25-30円で推移し、欧米市場を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは「日銀の金融政策」と「中国情勢」について。
前者は、前日のNY時間にドル/円相場が154円半ばで推移するなか、日経新聞が「日銀は追加利上げ検討、量的引き締めも決定へ」と報道。これを受け円が急騰し、本日東京早朝は152円台で取引を開始している。その後も様々な憶測などが飛び交うなか、前述したように日銀は会合結果として「0.25%への利上げ」を発表。また同時に、全員一致となる「国債買い入れの減額」も決定していた。後者はともかく、前者は「サプライズ」であり、大きな相場の波乱要因となっていたことは間違いない。なお、そののち夕刻の会見で植田総裁は「政策金利の変更後も緩和的な金融環境は維持される」、「為替の変動が物価に影響を及ぼしやすくなっている」などと述べていた。
後者は、新華社通信が、中国共産党は中央政治局会議を開き、一連の政策措置により内需を拡大すると表明したと報じたほか、何副首相が「新たな質の生産力」を発展させるためには調和の取れた政府と効率的な市場が必要だという見解を示したと伝えられている。しかし、ともに具体策には言及しておらず、効果を疑問視する向きも少なくなかった。そうしたなか、キャンベル米国務副長官は米議会公聴会で、中国の行動に対抗していくために米国はさらなる取り組みが必要だと強調したという。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日のドル/円相場は東京時間に153.60-155.20円といった1.6円ほども動いたが、その後の欧米時間は152.70-155.00円と、それを上回る変動。そして、先で指摘したように本日東京も2円を超える上下動をたどっている。さすがに、そろそろ落ち着きを求めたいところではあるが、相場のボラティリティが急上昇しており、このあとも予断を許さない。米FOMCの結果発表という材料を控えていることもあり、まだもう一波乱、二波乱起こる可能性もある。
週間を通してもっとも注視されていた日銀による金融政策発表に次ぎ、欧米時間には米FOMCの結果が発表される。市場予想は「7月は利下げを見送ったうえで、9月の利下げを示唆する」−−といった見方が有力だが、果たして如何に。また、引き続き米大統領選の行方が気掛かりなほか、イスラエルによるヒズボラへの報復が観測されるなどキナ臭さがさらに強まってきた中東情勢にも一応要注意。
テクニカルに見た場合、ドル/円は短期的な底値と考えていた25日安値151.94円を結局維持できず。本日東京時間には一時下回っている。しかし、その東京安値に近い151.60-70円には移動平均の200日線も位置しており、なかなか強固なサポートだ。しっかりと下回ることは難しい気もするが、どうなることか。
対するドルの抵抗はまず153円レベル。超えても、東京高値の153円後半を抜けていくことは難しそう。
本日は米経済指標として、7月のADP雇用統計や同シカゴ購買部協会景気指数などが発表される予定となっている。しかし、その後注目の米FOMCの結果発表を控えていることで、米指標による変動は飽くまで一時的なものにとどまりそうだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは151.00-153.00円。ドル高・円安方向は、まだ抵抗と言える存在ではないが、早いタイミングで回復しないと抵抗として育ちそうな153円レベルをめぐる攻防に注目。しかし超えても上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値や移動平均200日線などが位置する151.60-70円が最初のサポート。下回ると151円も割り込み、一気に150円割れへと迫る可能性もある。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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