NHK報道を受けて急反落。本日は日銀金融政策決定会合と米FOMCに注目
〇ドル円、欧州時間朝方にかけ155.22まで上昇後、米国時間午後にかけ152.65まで急落
〇NHKによる「日銀、追加利上げ検討へ、0.25%程度に引き上げる案など議論か」との観測報道等が背景
〇ユーロドル、米指標好調、欧州債利回り低下等に米国時間朝方にかけ安値1.0798まで反落
〇ドル円、急伸後に急反落(155.22→152.65)するなど、荒い値動きが続く
〇本日は日銀金融政策決定会合と、米FOMCに注目が集まる
〇本日の日銀会合では追加利上げは見送られ、国債減額計画の発表に留まると予想
〇米FOMCも9月利下げをこのタイミングで宣言する可能性は低いか
〇引き続き、日米金融政策イベント通過後のドル円急上昇をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:150.00ー156.00
海外時間のレビュー
30日(火)のドル円相場は上昇後に急反落。(1)本邦輸入企業の実需のドル買い(5・10日要因に絡む公表相場決定にかけてのドル不足)や、(2)日経平均株価の堅調推移(リスク選好の円売り圧力)、(3)日銀金融政策決定会合を控えたポジション調整(追加利上げに対する懐疑的な見方から円売り再開)が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値155.22まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)NHKによる「日銀、追加利上げ検討へ、0.25%程度に引き上げる案など議論か」との観測報道(追加利上げ観測再燃→円買い)や、(5)三村淳財務官による「足元の円安について輸入物価を押し上げて国民生活に影響を与えるなどデメリットの方が大きい」との円安牽制発言、
(6)上記4、5を背景とした短期筋のロスカットが重石となり、米国時間午後にかけて、安値152.65まで急落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/31午前6時25分現在)では、152.81前後で推移しております。尚、昨日発表された米7月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数(結果100.3、予想99.7)や、米6月JOLT雇用動態調査(結果818.4万件、予想800.0万件)はいずれも市場予想を上回る結果となりましたが、ドル円相場の反応は限定的となりました。
30日(火)のユーロドル相場は上値の重い展開。(1)ユーロ圏4ー6月期GDP速報値(結果+0.6%、予想+0.5%)の市場予想を上回る結果や、(2)ユーロ圏7月経済信頼感(結果95.8、予想95.2)の市場予想を上回る結果、(3)ユーロ圏7月鉱工業信頼感(結果▲10.5、予想▲10.6)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、欧州時間朝方にかけて、高値1.0836まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(4)米7月コンファレンス・ボード消費者信頼感指数の市場予想を上回る結果や、(5)米6月JOLT雇用動態調査の市場予想を上回る結果、(6)欧州債利回り低下に伴うユーロ売り圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0798まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間7/31午前6時25分現在)では、1.0815前後で推移しております。尚、昨日発表されたドイツ7月HICP速報値(結果+2.6%、予想+2.5%)は市場予想を上回る結果となりましたが、市場の反応は限られました。
本日の見通し
ドル円は急伸後に急反落(155.22→152.65)するなど、荒い値動きが続きました。日銀による追加利上げを巡る思惑の変化(追加利上げが見送られるとの見方から円売りが進むも、NHK報道で追加利上げ観測が再燃したため円買い再開)が昨日の乱高下の背景と考えられます。こうした中、本日は日銀金融政策決定会合と、米FOMCに注目が集まります(通貨オプション市場のオプションプレミアムが高騰していることからも市場参加者の注目度の高さが感じ取れます)。
NHKが「日銀、追加利上げ検討へ、0.25%程度に引き上げる案など議論か」と報じたことで、追加利上げ観測が再燃しましたが、追加利上げと国債減額計画を同時に決定することは混乱をきたす可能性があるため、当方は本日の会合で追加利上げは見送られ、国債減額計画の発表に留まると予想しております(実質賃金低下の流れが続いていることや、8月よりインフレ鈍化に繋がる電気・ガス料金の低減措置が図れること等からも追加利上げが見送られる公算大)。従って、日銀金融政策決定会合後は、利上げ見送りへの失望感から円売りが活発化すると見ています。また、米FOMCについても、市場では本日の会合で9月FOMCでの25bp利下げの地均しが行われるとの見方が強まっているものの、米経済に依然として力強さが残っていることや、米大統領選という最大の政治イベントを控えていること等を考慮すると、9月利下げをこのタイミングで宣言する可能性は乏しいと考えられます。
当方は、「政策金利の据え置き」+「声明文およびパウエルFRB議長記者会見で利下げ時期に関するヒントを与えない(あくまでデータ次第とのスタンス継続)」の組み合わせを想定しているため、直後の反応は、9月FOMCの利下げ織り込み度合の剥落を通じて、ドル買い圧力が強まる展開を見ています。以上を踏まえ、当方では引き続き、日米金融政策イベント通過後のドル円急上昇をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:150.00ー156.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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