東京市場のドルは荒い値動き、ポジション減少したことでPPI発表は小動き推移か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、日銀によるユーロへのレートチェック報道も伝わるなど慌ただしい状況となったが、朝方に乱高下した後は159円台前半でのもみ合いとなった。
昨晩の海外時間では、米6月消費者物価(CPI)が予想外の鈍化を示したため、米連邦準備制度理事会(FRB)による9月米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が強まり日米金利差縮小観測にドル売り円買いに拍車がかかった。また、日本当局の円安是正介入が円買いに一段と拍車をかけたとの思惑も強まり、157円40銭台と発表前比では4円超の円高ドル安となった。
朝方、日銀が対ユーロでレートチェックを行ったと伝わったことで、瞬間的に為替が円高に振れる場面も見られたが、ドルは昨晩の安値157円44銭手前で切り返し、売買一巡後は159円台前半でのもみ合いとなった。鈴木財務大臣は介入の有無及びレートチェックに対しては「ノーコメント」と発言。
株式市場では、日経平均が2021年以来となる下げ幅1000円超の大幅安となったが、東京時間ではリスク回避の円買いはさほど強まらなかった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:159円28銭
高値:159円45銭
安値:157円75銭
終値:159円04銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:173円08銭
高値:173円28銭
安値:171円51銭
終値:172円87銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:107円66銭
高値:107円84銭
安値:106円75銭
終値:107円70銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:205円68銭
高値:205円93銭
安値:203円85銭
終値:205円36銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:41668円86銭
高値:41754円76銭
安値:41188円29銭
終値:41190円68銭(前日比−1033円34銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
21時30分、米、6月生産者物価指数(前月比)、前回:−0.2%、市場予想:0.1%
21時30分、米、6月生産者物価指数(コア・前年比)、前回:2.2%、市場予想:2.3%
21時30分、米、6月生産者物価指数(前月比)、前回:0.0%、市場予想:0.2%
21時30分、米、6月生産者物価指数(コア・前年比)、前回:2.3%、市場予想:2.5%
23時00分、米、7月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)、前回:68.2、市場予想:68.1
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間では、6月生産者物価指数(PPI)に注目となるが、昨夜から今朝がたにかけて為替市場が大荒れとなったこともあり、大きく数字がぶれない限りドルへの影響は限定的と想定する。ボラティリティが大きくなっていることで上下に振れやすいといった見方もできるが、あれだけの急変動を見せられた以上、市場関係者はポジションを軽くするなど何かしらの対応は済んでいるはずだ。
昨晩のドル・インデックスは104.6から104付近まで低下するなどドルは主要通貨に対して売り優勢となった。一方、米CPI発表後、円は主要通貨に対して全面高となったことから、ドル売り以外の何かしらの需給が走ったと考える。つまり政府・日銀による円買い介入は実施されたと思われる。
既に日本当局は4月26日―5月29日に9兆7885億円を介入に費やしていることから、米財務省が為替報告書で定める操作国認定基準のひとつの項目である「介入額がGDPの2%を超える場合」に、総額では並んだ、もしくは超えたのではないかと推測する(名目GDP(591兆円)の2%の約12兆円)。
もっとも、操作国認定基準に「過去12カ月間で8カ月以上外貨買い介入を実施」している点も存在することから、外貨買いではない円買い介入を数回実施しているだけでは基準に該当しないという整理は可能だ。一方、対ユーロでもレートチェック実施と伝わっていることから、仮に円買いユーロ売り介入に踏み切った場合、史上初となる(1999年から2003年にかけて、政府・日銀が円売りユーロ買いの介入は実施したことはある)ことで、神経質な地合いであることは間違いない。
テクニカル面では50日移動平均線で下げ止まったことから、今晩の海外時間は落ち着きをやや取り戻すと想定。上値メドは159円60銭、下値メドは158円60銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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