ドルは161円台半ばで推移、11日のCPI発表まで様子見ムード強まる地合いか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、株式市場で日本株が強い動きを見せたものの、為替への影響は限定的。ドルは161円台半ばでのもみ合いとなった。
昨晩の海外時間では、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が上院銀行委員会での証言で「経済データ次第で会合ごとに政策を決定していく」これまでの方針を繰り返し、利下げを明確化しなかったため早期の利下げ観測が後退。ドル買いに拍車がかかった。その後、3年債入札が好調で伸び悩んだ。
東京時間では、時間外の10年国債利回りが4.30%台とやや上昇したことで、ドルが161円60銭を付ける場面は見られたが、小動き推移となった。株式市場で日経平均が切り返し連日で史上最高値を更新する動きとなったものの、為替市場への影響は限定的。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:161円34銭
高値:161円60銭
安値:161円30銭
終値:161円51銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:174円47銭
高値:174円77銭
安値:174円46銭
終値:174円71銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:108円78銭
高値:108円96銭
安値:108円75銭
終値:108円90銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:206円31銭
高値:206円65銭
安値:206円28銭
終値:206円57銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:41444円33銭
高値:41889円16銭
安値:41430円38銭
終値:41831円99銭(前日比+251円82銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、ナーゲル独連銀総裁が講演
22時30分、英、ピル英中銀チーフエコノミストが講演
23時00分、米、パウエルFRB議長が下院金融サービス委員会で議会証言
23時00分、米、5月卸売在庫(確報値)、前回:0.6%、市場予想:0.6%
23時30分、米、週次原油在庫、前回:−1215.7万バレル
27時30分、米、ボウマンFRB理事とグールズビー・シカゴ連銀総裁がイベント挨拶
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
本日の海外時間では、パウエルFRB議長による2回目の議会証言が予定されているが、前日同様の発言に終始するとの見方から、やや手掛かり材料に欠ける地合いとなりそうだ。明日11日の6月消費者物価指数(CPI)発表までは、様子見ムードが強まりそうな状況と言えよう。
昨晩のパウエルFRB議長の発言は下記の通り。
「インフレに関し、一段の良いデータがあれば確信を強められる」
「インフレが持続的に2%に向かうという信頼が高まるまで、政策金利の引き下げは適切ではない」
「会合ごとに決定を下し続ける」
「FRBは今後発表されるデータ、リスクのバランス、金利調整における適切な政策経路を慎重に検証する」
「2%のインフレ目標に引き続きコミットし、長期的なインフレ期待をしっかりと維持」
「次の措置が利上げになる可能性は低い」
「最新のデータは労働市場がかなり鎮静化していることを示す」
「FRBの今後の政策措置のタイミングについて、本日はいかなるシグナルも送っていない」
「利下げを実施するには一段と良好なインフレデータが必要」
「利下げのタイミングはデータと労働市場の状況次第で、労働市場が予想外に弱まれば、利下げの論拠になる可能性」
「金利については慎重に動く」
慎重な姿勢はまるで変わっていない、といった印象だ。これまでの議会証言では、市場が過敏に反応した際、翌日の議会証言にて、その表現を打ち消すようなケースはあったが、今回、為替市場、債券市場、株式市場いずれも冷静な動きだったことから、今晩の議会証言も昨晩と同じトーンとなるだろう。
手掛かり材料難で様子見姿勢の強い地合いを想定して、今晩の上値メドは161円80銭、下値メドは161円10銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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