ドル円方向感出ず(週報2016年12月第三週)

今週の注目は19〜20日の日銀金融政策決定会合です

ドル円方向感出ず(週報2016年12月第三週)

ドル円:12月12日からの先週

ドル円は先週、FOMCが予想通り、政策金利が0.25ポイント引き上げ0.5〜0.75%のレンジとしましたが、FOMC参加者の政策金利の予測中央値は2017年が1.375%、0.25ポイントの追加利上げが3回あると示唆され、一時118.67まで上昇しました。

12日は、欧州時間に入り、一時12日の高値の116.11まで買いが先行するも、NY時間入り米10年債利回りの上昇一服で、ポジションの調整から12日の安値の114.84まで下押しして、115.02で引けました。方向感がハッキリしない神経質な地合いでした。

13日は、前日のNY市場で115割れとなった流れが続き、東京朝方ドル売り先行で13日の安値の114.73まで値を下げました。その後は株高を背景に13日115.47まで反発。株式相場の上昇を好感したドルの買い戻しがあったものの、FOMCの結果を控えて上昇も限定的で115.17で引けました。

14日は、FOMCの結果公表を控えて様子見の中115.15を挟んだもみ合いの後、FOMCはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を現行の0.25〜0.50%の範囲から0.50〜0.75%に引き上げました。それ自体は市場予想通りの結果でしたが、FF金利見通しで2017年に見込まれる利上げ回数が2回から3回に引き上げられたことを背景に、米長期金利は大幅上昇、ドル買いが優勢になり、その後のイエレンFRB議長が定例記者会見でドル高や金利上昇に懸念を示さなかったことも買いを後押しし117.39まで一気に上げ117.04で引けました。

15日は、117.08で始まるも、やはりドル買いの流れで2月3日以来の高値となる118.67まで急伸。 NY 時間に一時117.66へ下落するも、118.67まで上昇して、118.17で引けました。米国の11月消費者物価コア指数が上昇予想に反して10月と同水準にとどまり、債券利回りの上昇も一段落したためドルが伸び悩みでした。その後も、米12月フィラデルフィア連銀製造業景況指数が2年ぶり、米12月NAHB住宅市場指数が11年ぶりの高水準で、好調な米景気指数を好感しドル買いじあいが継続でした。

16日は、前日引けの118.15で始まった後、同水準でもみ合いの横ばい推移でした。NY時間に入り、中国海軍が南シナ海の国際水域において米国の水中ドローンを奪取との報道があり、米中関係の緊迫化懸念で一時ドル売り、円買いが加速し16日安値の117.46まで下落。その後再び上昇に転じ118.00まで戻して引けました。

ドル円:12月19 日からの今週

来週のドル円も底堅く推移するでしょう

CME通貨先物ポジション状況:12月13日時点
     (12月13日)    (12月6日)   (11月29日)
円       ▲63429    ▲33937      ▲269
ユーロ   ▲87513    ▲114556    ▲119240
ポンド   ▲72343     ▲77238      ▲78135

シカゴIMM: 短期投機・投資家による円のネットポジションは、売り持ち高が大幅に増加。昨年12月初旬以来で最大。市場の円の売り持ちが増えたため、円の下落余地は徐々に狭まる可能性があるでしょう。
これまでのネット円い持ち最高水準は、2008年3月25日 +65,920、2004年2月6日 +64499、
過去最高ネット円売り持ち高は、2007年6月26日 -188,077

シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
12.2(-0.59)VIX指数は下落しての引け。ここまでの上昇に対する調整の動きが意識された調整の動き。
2016年最大は32.09、過去最大は2014年の31.06、過去最安は1993年の8.89、直近では2006年の9.39

今週の注目は19〜20日の日銀金融政策決定会合です。
ここ暫くでこれほど注目されていない日銀会合も珍しいのですが、それだけ黒田日銀は手詰まりで動けないとの市場の評価なのでしょう。
現状の金融緩和策が維持されると思われますが、市場では日銀が国債購入額を年80兆円から減額するのではないかとの見方も出ています。一応ネガティブ・サプライズには要警戒です。
因みに今回は景気判断の上方修正が見込まれていて、先行き緩和縮小との方向が示唆されると、調整の円買戻しの可能性があります。

19日は、イエレン議長の講演
22日は、7〜9月期米GDP確定値です。
イエレン議長は、トランプ次期政権の財政、減税策は確定ではないと述べています。
トランプ次期政権が発足する来年2月以降に、成長が期待ほど伸びない可能性もある訳です。
新政権の政策を受けた金融政策の行方がはっきりとしてくるのは来年3月の予測です。
それまでは、ドル高のもみあいが神経質に続くと想定します。

基本今週もドル円は上昇を予想しますが、週末はクリスマス休暇で、11月の大統領選挙後これまでドル買いを主導してきたヘッジファンド勢は買い持ちポジションを減らすタイミングを探っていて、クリスマス前の利食い売りに警戒すべきです。

予想レンジは、116.00~120.00 と見ます。

オーダー/ポジション状況

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