市場予想を下回る米CPIを受けて急落するもタカ派な米FOMCで急反発
〇ドル円、弱い米5月CPIに米国序盤に155.72まで急落後、FOMC結果受け156.60レベルに持ち直す
〇FOMC、政策金利不変ながら24年末の金利予想を5.1%に引き上げ、年内利下げ予想1回へ減少
〇ユーロドル、米CPI発表後1.0852まで急伸するも、タカ派的FOMC受け1.0810台に反落
〇ドル円、一目均衡表の「雲」上限がサポートとして機能、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズも米金融引き締め長期化観測、円キャリー継続期待等がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:156.00ー157.50
12日(水)のドル円相場は急落後に持ち直す展開。欧州時間朝方にかけて、高値157.43まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米5月消費者物価指数(結果+3.3%、予想+3.4%)の市場予想下回る結果や、(2)米5月コアCPI(結果+3.4%、予想+3.5%)の市場予想を下回る結果、(3)上記1、2を背景とした米長期金利の急低下が重石となり、米国勢参入後に、安値155.72まで急落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米FOMCのタカ派的な結果(米FOMCは予想通りFFレート誘導目標を5.25ー5.50%に据え置くことを決定するも、同時に発表されたドットチャートで2024年末時点の中央値を4.6%から5.1%へ上方修正→年3回の利下げ予想から年1回の利下げ予想へ)や、(5)パウエルFRB議長による「インフレは大幅に緩和したが依然として高すぎる」「インフレリスクを引き続き大いに注視している」とのタカ派的な発言、(6)上記4、5を背景とした米長期金利の低下幅縮小が支えとなり、本稿執筆時点(日本時間6/13午前6時45分現在)では、156.60前後まで持ち直す動きとなっております。
12日(水)のユーロドル相場は上昇後に反落。アジア時間朝方にかけて、安値1.0734まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)米5月消費者物価指数の市場予想下回る結果や、(2)米5月コアCPIの市場予想を下回る結果、(3)上記1、2を背景とした米長期金利の急低下が支えとなり、米国勢参入後に、高値1.0852まで急伸しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米FOMCのタカ派的な結果や、(5)パウエルFRB議長のタカ派的な発言、(5)上記4、5を背景とした米長期金利の低下幅縮小が重石となり、本稿執筆時点(日本時間6/13午前6時45分現在)では、1.0810前後まで反落する動きとなっております。尚、昨日はラトビア中銀カザークス総裁による「年内追加利下げの可能性は残されている」「ECBは段階的に利下げを行うべき」との発言や、デギンドスECB副総裁による「今後6カ月間の明確な金利経路はない」「十分に慎重にかつゆっくりと動かなければならない」との発言が見られましたが、市場の反応は限られました。
本日の見通し
ドル円は重要イベント(米CPI・米FOMC)後に乱高下するも概ね底堅さを維持しております(米CPI後に急落するも一目均衡表雲上限がサポートとして確り機能)。日足ローソク足が全ての主要テクニカルポイントの上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「一目均衡表三役好転」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(ドットチャートは年3回の利下げから年1回の利下げに上方修正)や、(2)上記1を背景とした円キャリートレードの継続期待、(3)本邦財政悪化の円売り懸念(日経新聞が報じた通り、日銀が今週末の会合で国債買い入れの減額検討など金融引き締めに動いたとしても、円金利上昇がそのまま円買いに繋がる公算は小さく、むしろ日本政府の利払い負担増加への連想から財政悪化を嫌気した円売りに繋がる恐れあり)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
本日予定されている米5月生産者物価指数が市場予想を上回る場合や、米新規失業保険申請件数に改善が見られる場合、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁・イエレン米財務長官討論会でタカ派的な発言が見られる場合などには、米FRBによる年内利下げ見送り観測→米金利上昇→米ドル買いの経路でドル円にもう一段強い上昇圧力が加わる恐れもあるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:156.00ー157.50
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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