米当局者らによる早期利下げに慎重な発言を受けて、156円台前半へ上昇
〇ドル円、FRB関係者から相次いだタカ派的発言に米国時間午後にかけ156.31まで上昇
〇ユーロドル、米長期金利上昇等に1.08台半ばに軟化
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上で推移、強い買いシグナルも成立、地合い強い
〇ファンダメンタルズも介入警戒感の後退、円キャリーの本格再開がドル円を支持
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:155.75ー157.00
海外時間のレビュー
週明け20日(月)のドル円相場は堅調な値動き。日本時間夕方にかけて、安値155.50まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)日米金利差に着目した円キャリートレードの再開や、(2)アトランタ連銀ボスティック総裁による「インフレ目標の2%に到達すると確信できるまでまだ時間がかかる」とのタカ派的な発言、(3)バーFRB副議長による「第1四半期のインフレには失望。金融緩和に必要な確信をもたらさなかった」とのタカ派的な発言、(4)ジェファーソンFRB副議長による「ディスインフレの進展鈍化が長期にわたるかどうかを判断するには時期尚早」とのタカ派的な発言、(5)サンフランシスコ連銀デイリー総裁による「現時点では金利引き上げの必要性を示す証拠は見当たらない」とのタカ派的な発言、
(6)クリーブランド連銀メスター総裁による「インフレがどのような軌道を辿っているか判断するのはまだ早い」とのタカ派的な発言、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力(米当局者らによる早期利下げに慎重な発言を受けて利下げ開始時期の後ずれ観測再燃)が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値156.31まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/21午前6時10分現在)では、156.27前後で推移しております。
週明け20日(月)のユーロドル相場は上値の重い展開。欧州時間朝方にかけて、高値1.0884まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)ラトビア中銀カザークス総裁による「6月ECB理事会で利下げが開始される見込み」とのハト派的な発言、(2)米当局者らによるタカ派的な発言(早期利下げに慎重な発言)、(3)上記2を背景とした米長期金利の急上昇が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0854まで軟化しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間5/21午前6時10分現在)では、1.0857前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は5/16に記録した安値153.60をボトムに反発に転じると、昨日は一時156.31まで上昇しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日線、50日線、90日線、200日線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表転換線、基準線、雲上限)の上側で推移していることや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること、フィボナッチ半値戻し(4/29高値160.24と5/3安値151.87を起点としたフィボナッチ半値戻し156.05)を再び上抜けしたこと、1時間足や4時間足などの下位足でも強い買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、政府・日銀による介入警戒感が後退する中、改めて円キャリートレードの本格再開が意識されており、ドル円には日米金利差に着目した根強いドル買い・円売り圧力が加わる状況が続いています。本日予定されている米当局者発言(リッチモンド連銀バーキン総裁、ウォラーFRB理事、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁、アトランタ連銀ボスティック総裁、バーFRB副議長など)も昨日同様、タカ派的な内容(早期利下げに慎重な発言)が相次ぐことが想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続(日米金利差に着目したドル買い・円売り)をメインシナリオとして予想いたします。
本日の予想レンジ:155.75ー157.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
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