ドル円見通し 米PPI発表直後に5月3日以降の高値更新、その後も156円台を維持(24/5/15)

米4月PPI上昇率で全体の前月比と前年比が3月を上回り、コア指数の前年比も3月を上回ったことによるドル高反応でドル円は156.75円まで高値を切り上げた。

ドル円見通し 米PPI発表直後に5月3日以降の高値更新、その後も156円台を維持(24/5/15)

米PPI発表直後に5月3日以降の高値更新、その後も156円台を維持

〇ドル円、米PPI・全体の前月比と前年比が3月上回り156.75まで高値更新
〇パウエル議長、次の政策修正は利上げでないと強調。ユーロやポンド等の反騰でドル円上昇にブレーキ
〇今夜は米4月CPI発表、大きく動く可能性も
〇米長期債利回り、米PPI発表後に一時上昇してから総じて低下
〇ナスダック、終値ベースの史上最高値更新。NYダウも上昇
〇156円台維持する内は一段高余地あり、156.75超えからは157円台前半への上昇を想定
〇156円割れからは155円台前半への下落想定。155.30以下は反騰注意

【概況】

ドル円は4月29日高値160.16円から5月3日夜安値151.85円までの大幅下落一巡で買い戻し優勢の流れとなり、先週後半は156円手前まで高値を切り上げたところで足踏みしていたが、今週は5月13日夜にNY連銀の4月消費者調査における1年先期待インフレ率の上昇とイエレン米財務長官による市場介入へのややネガティブな発言をきっかけとして156円台に乗せ、5月14日夜の米PPI発表後に高値を更新している。
5月14日夜の米4月PPI上昇率で全体の前月比と前年比が3月を上回り、コア指数の前年比も3月を上回ったことによるドル高反応でドル円は156.75円まで高値を切り上げたもののドル高反応は一時的なものに留まり、その後にパウエルFRB議長が次の政策修正は利上げではないと強調したことでユーロやポンド等が反騰したことでドル円の上昇にもブレーキがかかった。ユーロドルが一段高する中でユーロ円も続伸したため、ドルストレートでのドル安とクロス円における円安が交錯したためにドル円は高値更新へ進まなかったものの156円台を維持している。

今夜は4月CPIの発表があり、上昇率が予想を上回る場合は米国の利下げ開始先送り感でドル高反応を招くと思われるが予想を下回る場合は利下げ催促的にドル安反応となりドル円も5月3日夜以降の上昇一巡でいったん仕切り直しの下落期に入る可能性もあるところと注意したい。

【米PPIは高止まり、FRB議長は利上げは無いとの姿勢】

5月14日に米労働省が発表した4月PPI(生産者物価指数)上昇率は前月比で0.5%となり3月のマイナス0.1%から再加速して市場予想の0.3%を上回り、前年同月比は2.2%で予想と一致したが3月の1.8%(速報の2.1%から下方修正)から再加速した。食品エネルギーを除くコアPPIは前月比0.5%で予想の0.2%を上回り3月のマイナス0.1%(速報の0.2%から下方修正)から再加速し、前年同月比は2.4%で予想と一致したが3月の2.1%(速報の2.4%から下方修正)を上回った。
発表直後にドル円が上昇、ユーロドルやポンドドル等が下落してドル高反応を見せたが、ドル円は早々に失速し、ユーロやポンドが売り一巡後の急伸で一段高した。米長期債利回りも一時上昇してから総じて低下した。

パウエルFRB議長は14日のパネル討論において「現在の政策金利は景気を冷ます効果がある」「次の動きが利上げとは思わない」「政策金利を現行水準で維持し続ける可能性が高い」と述べた。議長は「1〜3月期の物価統計は予想より高かった」とし、「忍耐強く、景気抑制的な政策を作用させる必要がある」、「インフレを押し下げるまで予想よりも長くかかるかもしれない」と述べており、インフレ低下への確信は以前(3月FOMCにおける年内3回利下げを想定した時)ほど強くないとの認識を示した。ただ、インフレが低下してゆくことへの自信はあるとしており、これらの発言は最近のインフレ高止まりないし再加速気味の動きに対しても利上げをすることなく利下げのタイミングを探ってゆく姿勢としてハト派的なものと受け止められた印象だ。

【米長期債利回りは一時上昇後に低下、ナスダックは史上最高値更新】

5月14日の米長期債利回りは米4月PPI発表直後にいったん上昇したものの総じて低下する一方、ナスダックが終値での史上最高値を更新するなど株高基調が目立った。ドル円としては株高とクロス円の上昇が支えとなる一方で米長期債利回り低下が重石となった。
長期金利指標の10年債利回りは一時4.53%へ上昇したものの前日比0.05%低下の4.44%で終了した。4月25日の4.74%をピークとして5月7日に一時4.42%をつけたが、その後は下げ渋り型の持ち合いで推移している。
30年債利回りはPPI後の反応も鈍く前日比0.04%低下の4.59%となり終値としては4月25日以降の最低を更新した。2年債利回りも上昇反応は鈍く前日比0.05%低下の4.82%となり5月3日の4.77%からの戻り一巡感がみられる。

米長期債利回り低下を見てNYダウは前日比126.60ドル高の39558.11ドルと上昇して終値ベースの史上最高値である3月28日終値39807.37ドルに迫り、ナスダック総合指数は122.94ポイント高の16511.18として終値ベースの史上最高値を更新、高値で16526.27ドルを付けて3月21日に付けた取引時間中の史上最高値16538.86に迫った。

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

【60分足、サイクル・一目均衡表分析】

ドル円は5月10日午前安値155.23円を起点とした上昇期として目先の高値形成期を14日夜から16日夜にかけての間と想定したが、14日夜に156.75円へ高値を伸ばした後も156円台を維持しているのでまだ上昇余地が残ると思われる。
156円割れからは下落期に入るとみて15日の日中から17日午前にかけての間への下落を想定するが、米CPI発表から大きく動く可能性もあるため、いったん下落期入りしてからこの間の高値を更新する場合は新たな上昇期入りとして週末から週明けにかけての間への上昇を想定する。

60分足の一目均衡表では5月14日未明への上昇で遅行スパンが好転して先行スパンを上回る状況を続けているが、14日夜高値から伸びずにいるため遅行スパンは悪化しやすい位置に来ている。先行スパンからの転落を回避する内は遅行スパンが一時的に悪化してもその後に好転するところから上昇再開とするが、先行スパンから転落する場合はさらに下落継続するとみて遅行スパン悪化中の安値試し優先とする。

60分足の相対力指数は5月14日午前から夜にかけての高値更新に際して指数のピークが切り下がる弱気逆行がみられるため、50ポイント以上を維持する内は上昇余地ありとするが、50ポイント割れからは下落期入りとして30ポイント台への低下を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)当初、156.00円を下値支持線、156.75円を上値抵抗線とする。
(2)156円台を維持する内は一段高余地ありとし、156.75円超えからは157円台前半への上昇を想定する。157.50円以上は反落警戒とするが、156.50円以上を維持しての推移なら16日も高値試しを続けやすいとみる。
(3)156円割れからは155円台前半への下落を想定する。155.30円以下は反騰注意とするが、155.80円以下での推移なら16日も安値試しへ向かいやすいとみる。急落商状の場合は155円前後へ下値目途を引き下げる。

【当面の予定】

5/15(水)
休場 香港、韓国
18:00 (欧) 1-3月期 GDP改定値 前期比 (速報 0.3%、予想 0.3%)
18:00 (欧) 1-3月期 GDP改定値 前年同期比 (速報 0.4%、予想 0.4%)
18:00 (欧) 3月 鉱工業生産 前月比 (2月 0.8%、予想 0.5%)
18:00 (欧) 3月 鉱工業生産 前年同月比 (2月 -6.4%、予想 -1.2%)
21:30 (米) 4月 CPI(消費者物価指数) 前月比 (3月 0.4%、予想 0.4%)
21:30 (米) 4月 CPI(消費者物価指数) 前年同月比 (3月 3.5%、予想 3.4%)
21:30 (米) 4月 コアCPI(食品、エネルギー除く) 前月比 (3月 0.4%、予想 0.3%)
21:30 (米) 4月 コアCPI(食品、エネルギー除く) 前年同月比 (3月 3.8%、予想 3.6%)

21:30 (米) 4月 小売売上高 前月比 (3月 0.7%、予想 0.4%)
21:30 (米) 4月 小売売上高・除自動車 前月比 (3月 1.1%、予想 0.2%)
21:30 (米) 5月 ニューヨーク連銀製造業景況指数 (4月 -14.3、予想 -10.0)
23:00 (米) 3月 企業在庫 前月比 (2月 0.4%、予想 -0.1%)
23:00 (米) 5月 NAHB住宅市場指数 (4月 51、予想 51)
23:05 (英) バーナンキFRB元議長、英議会財務委員会証言
23:30 (米) EIA週間石油在庫統計
25:00 (米) カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁、座談会

5/16(木)
08:40 (豪) ハンター豪中銀総裁補、講演
08:50 (日) 1-3月期 GDP速報値 前期比 (10-12月 0.1%、予想 -0.4%)
08:50 (日) 1-3月期 GDP速報値 年率換算 (10-12月 0.4%、予想 -1.4%)
10:30 (豪) 4月 新規雇用者数 (3月 -0.66万人、予想 2.37万人)
10:30 (豪) 4月 失業率 (3月 3.8%、予想 3.9%)
13:30 (日) 3月 鉱工業生産・確報値 前月比 (2月 3.8%)
13:30 (日) 3月 鉱工業生産・確報値 前年同月比 (2月 -6.7%)
13:30 (日) 3月 設備稼働率 前月比 (2月 -0.5%)
21:30 (米) 4月 住宅着工件数・年率換算 (3月 132.1万件、予想 143.5万件)
21:30 (米) 4月 住宅着工件数 前月比 (3月 -14.7%、予想 8.6%)

21:30 (米) 4月 建設許可件数・年率換算 (3月 145.8万件、予想 148.5万件)
21:30 (米) 4月 建設許可件数 前月比 (3月 -4.3%、予想 1.2%)
21:30 (米) 5月 フィラデルフィア連銀製造業景況指数 (4月 15.5、予想 6.8)
21:30 (米) 4月 輸入物価指数 前月比 (3月 0.4%、予想 0.2%)
21:30 (米) 4月 輸出物価指数 前月比 (3月 0.3%、予想 0.2%)
21:30 (米) 新規失業保険申請件数 (前週 23.1万件、予想 21.9万件)
21:30 (米) 失業保険継続受給者数 (前週 178.5万人、予想 178.0万人)
22:15 (米) 4月 鉱工業生産 前月比 (3月 0.4%、予想 0.2%)
22:15 (米) 4月 設備稼働率 (3月 78.4%、予想 78.4%)
23:30 (米) ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁、講演
25:00 (米) メスター・クリーブランド連銀総裁、講演
28:50 (米) ボスティック・アトランタ連銀総裁、討論会


注:ポイント要約は編集部

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