ドル円、米PPI発表後に乱高下するも底堅さを維持。本日は米CPIがメインイベント(5/15朝)

14日(火)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、米PPI発表後に乱高下するも底堅さを維持。本日は米CPIがメインイベント(5/15朝)

ドル円、米PPI発表後に乱高下するも底堅さを維持。本日は米CPIがメインイベント

〇ドル円、米国時間に一時156.76まで上昇
〇キャリートレード再開、フィボナッチ半値戻し達成からの買い、米4月PPIの好調等が背景
〇その後は米金利低下等に一時156.23まで反落するも底堅く、156.40台での動き
〇ユーロドル、欧州指標好調、米金利低下等に1.08台前半で堅調推移
〇ドル円、4/29高値と5/3安値を起点としたフィボナッチ半値戻し156.05を達成、地合い強い
〇ファンダメンタルズも介入限界論、円キャリートレード長期化期待等がドル円をサポート
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:155.50ー157.50

海外時間のレビュー

14日(火)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間早朝にかけて、安値156.15まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)日米金利差に着目した円キャリートレードの長期化期待や、(2)フィボナッチ半値戻し達成に伴うテクニカル的なドル買い・円売り(半値戻しは全値戻しの格言)、(3)米4月生産者物価指数(結果+0.5%、予想+0.3%)および、同コア指数(結果+0.5%、予想+0.2%)の市場予想を上回る結果が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値156.76まで上昇しました。

その後は、(4)上記3(生産者物価指数)の前月分が下方修正されたこと(+0.2%→▲0.1%)や、(5)上記3(生産者物価指数)の内訳として、米当局が重視するPCE価格指数の算出に用いられる主要カテゴリー(外来医療費や航空運賃など)が鈍化したこと、(5)上記4、5を背景とした米長期金利の急低下を背景に、一時156.23まで反落する場面も見られましたが、下がったところでは押し目買い意欲も根強く、本稿執筆時点(日本時間5/15午前3時30分現在)では、156.45前後まで持ち直す動きとなっております。尚、昨日はパウエルFRB議長より「次の動きが利上げになる可能性は低い」「インフレが持続するかどうかは分からない」とのハト派的な発言が見られましたが、市場の反応は限られました。

14日(火)のユーロドル相場は堅調な値動き。(1)ドイツ5月ZEW景況感指数(結果47.1、予想45.9、前回42.9)の市場予想を上回る結果や、(2)ユーロ圏5月ZEW景況感指数(結果47.0、前回43.9)の良好な結果、(3)米生産者物価指数の前月分の大幅下方修正、(4)米生産者物価指数の内訳の主要カテゴリーの鈍化、(5)上記3、4を背景とした米長期金利の急低下が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0826まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/15午前3時30分現在)では、1.0821前後で推移しております。尚、昨日はオランダ中銀クノット総裁より「インフレ率が目標に戻るとの確信がますます高まっている」「6月は初回利下げの好機かもしれない」とのハト派的な発言が見られましたが、市場の反応は限られました。

本日の見通し

ドル円は一時156.76まで続伸するなど、力強い動きが続いています。日足ローソク足がフィボナッチ半値戻し(4/29高値160.24と5/3安値151.87を起点としたフィボナッチ半値戻し156.05)を達成したことや、強い買いシグナルを示唆する「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)政府・日銀による介入限界論(介入原資が有限であるため、介入だけで通貨安を抑え込むことは困難との見方や、イエレン米財務長官による「介入はまれであるべき」との牽制発言を受けて日銀が為替介入に踏み切るためのハードルが一段と高くなっていること)や、(2)日米金利差に着目した円キャリートレード(日米金利差は当面縮まらないとの見方から、下がったところでは怒涛の押し目買いが出てくる状況)の長期化期待など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています(介入警戒感が後退する中、円キャリートレード再開への安心感が再び高まっている状況)。

本日予定されている米4月消費者物価指数が市場予想を上回る場合には、米FRBによる利下げ観測後退→米金利上昇→円キャリートレード再開の経路でドル円に再び強い上昇圧力が加わるシナリオが想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は米CPI以外にも、米5月ニューヨーク連銀製造業景況指数や、米4月小売売上高、米NAHB住宅市場指数、ミネアポリス連銀カシュカリ総裁発言など、重要イベント目白押しとなるため、ドル円相場のボラティリティ拡大に注意が必要でしょう。

本日の予想レンジ:155.50ー157.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、米PPI発表後に乱高下するも底堅さを維持。本日は米CPIがメインイベント

ドル円日足

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