ドル円、155円台後半へと続伸するなど堅調推移が継続中。フィボナッチ半値戻しを試す展開(5/9朝)

8日(水)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、155円台後半へと続伸するなど堅調推移が継続中。フィボナッチ半値戻しを試す展開(5/9朝)

155円台後半へと続伸するなど堅調推移が継続中。フィボナッチ半値戻しを試す展開

〇ドル円、米国時間に一時155.67まで上昇
〇ボストン連銀コリンズ総裁のタカ派的な発言、米長期金利の上昇等が背景
〇ユーロドル、1.07台前半中心の方向感に欠ける動き
〇ドル円、基準線を突破、強い買いシグナルも複数点灯し、テクニカルの地合い強い
〇ファンダメンタルズも円キャリートレードの活発化期待、介入限界論の台頭等がドル円をサポート
〇4/29高値160.24と5/3安値151.87の半値戻し156.05を突破出来れば、もう一段上値を伸ばすか
〇本日の予想レンジ:154.75ー156.75

海外時間のレビュー

8日(水)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値154.69まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)本邦輸入企業と思しきドル買い・円売り(公表相場決定にかけてのドル買い・円売り)や、(2)心理的節目155.00突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売り(逆張り勢のストップBUY)、(3)日米金利差に着目した円キャリートレードの再開期待(米金利上昇に伴うドル買い・円売り)、(4)ボストン連銀コリンズ総裁による「利下げを早期に実施することにはリスクがある」とのタカ派的な発言が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値155.67まで上昇しました。

引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/9午前6時00分現在)では、155.60前後で推移しております。尚、昨日は鈴木財務相より「市場を注視し、とるべき時にはしっかり対応」「介入原資が制約になるとは特段認識せず」との発言が見られた他、植田日銀総裁からも「基調的物価上昇率に為替が影響してくるリスクが顕著に高まれば政策上の対応が必要になる」「急速かつ一方的な円安は日本経済にマイナスであまり望ましくない」との発言が見られましたが、ドル円相場への影響は限定的となりました。

8日(水)のユーロドル相場は狭いレンジ内で方向感に欠ける展開。(1)欧米金利差に着目したユーロ売り・ドル買いが重石となる中、欧州時間朝方にかけて、安値1.0734まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(2)ドイツ3月鉱工業生産(結果▲3.3%、予想▲3.6%)の市場予想を上回る結果や、(3)オーストリア中銀ホルツマン総裁による「利下げをあまりにも急ぐ理由はない」「ECBはある程度、FRBの影響を受ける」とのタカ派的な発言、(4)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力、(5)欧州株の堅調推移(独DAXは4/2以来の高値圏へ続伸)が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0758まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間5/9午前6時00分現在)では、1.0748前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は一時155.67まで上昇するなど、堅調推移が続いています。日足ローソク足が主要テクニカルポイント(21日移動平均線、ボリンジャーミッドバンド、一目均衡表基準線など)を突破した他、強いシグナル(強気のパーフェクトオーダー、一目均衡表三役好転、ダウ理論の上昇トレンド)も複数点灯するなど、テクニカル的に見て、地合いは強いと判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日米金利差に着目した円キャリートレードの活発化期待(日米金利差は当面の間縮まらないとの見方からドル円ロングへの妙味拡大)や、(2)政府・日銀による介入限界論の台頭(介入原資に限界があるとの見方や、過去の歴史を振り返っても介入で通貨安を完全に抑え込むことは難しいとの見方)、(3)米国のドル高容認姿勢(米国はインフレ抑制に繋がる米ドル高を当面の間容認する公算が大きいことから、日銀によるドル売り介入には否定的な立ち位置)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

4/29高値160.24と5/3安値151.87の半値戻し156.05を突破することが出来れば、「半値戻しは全値戻し」の格言の通り、ドル円がもう一段上値を伸ばすシナリオも想定されるため、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:154.75ー156.75

注:ポイント要約は編集部

155円台後半へと続伸するなど堅調推移が継続中。フィボナッチ半値戻しを試す展開

ドル円日足

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