ドル円、高値圏での底堅い動きが継続中。政府・当局による円安牽制発言は効果なし(2/15朝)

14日(水)のドル円相場は高値圏で一進一退。

ドル円、高値圏での底堅い動きが継続中。政府・当局による円安牽制発言は効果なし(2/15朝)

ドル円、高値圏での底堅い動きが継続中。政府・当局による円安牽制発言は効果なし

〇ドル円、150.60近辺、海外時間に持ち直し堅調推移
〇米政府、FRB関係者からはハト派的発言目立つも、市場は反応薄
〇ユーロドル、米金利上昇等に一時1.0695まで下落するも、欧州指標の好調等で1.07台を回復
〇ドル円テクニカルの地合い強く、ファンダメンタルズも円キャリートレードの継続期待がドル円を支持
〇本日、米小売売上高等米重要指標多く、結果次第では昨年高値151.91に向かうシナリオも
〇政府・当局による実弾介入はこのタイミングでは出てこないか
〇本日の予想レンジ:150.00ー151.50

海外時間のレビュー

14日(水)のドル円相場は高値圏で一進一退。アジア時間早朝にかけて、高値150.88(昨年11/16以来、約3カ月ぶり高値圏)まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)急ピッチな上昇に伴う反動売りや、(2)神田財務官による「必要があれば適切に対応」「高い緊張感を持って注視」との円安牽制発言、(3)鈴木財務相による「為替の急激な変動は望ましくない」「より一層強い緊張感を持って市場動向をみている」との円安牽制発言、(4)林官房長官による「為替相場は安定的に推移することが重要」「為替市場の動向を高い緊張感を持って注視したい」との円安牽制発言が重石となり、アジア時間夕方にかけて、安値150.35まで反落しました。

もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、海外勢参入後に持ち直し、本稿執筆時点(日本時間2/15午前6時00分現在)では、150.60前後で推移しております。尚、昨日はシカゴ連銀グールズビー総裁による「インフレ率が12カ月ベースで2%になるまで利下げを待つことには賛成しない」との発言や、ウォラーFRB理事による「フォワードガイダンスはより柔軟であるべき」との発言、イエレン米財務長官による「CPIのわずかな変動に注目するのは大きな間違い」との発言、バーFRB副議長による「利下げ開始前に引き続き良いデータを確認する必要がある」との発言が見られましたが、市場の反応は限られました。

14日(水)のユーロドル相場は下落後に持ち直す展開。(1)米金利上昇に伴うドル買い圧力や、(2)ECBによる利下げ開始時期の前倒し観測、(3)心理的節目1.0700割れに伴う仕掛け的なユーロ売り・ドル買いが重石となり、欧州時間朝方にかけて、昨年11/14以来、約3カ月ぶり安値となる1.0695まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)デギンドスECB副総裁による「必要な情報が揃うまでにはもう少し時間がかかる」との市場の早期利下げ期待を牽制する発言や、(5)ユーロ圏12月鉱工業生産(結果+1.2%、予想▲4.0%)の市場予想を上回る結果、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0734まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/15午前6時00分現在)では、1.0725前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は高値圏での底堅い動きが続いています(円安牽制発言が出たにも係わらず下押しは限定的)。日足ローソク足が全てのテクニカルポイントの上側に位置していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が成立していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(2/13に発表された米CPIが市場予想を上回ったことで、市場では上半期中は利下げに踏み切らないとの見方が急浮上)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(植田日銀総裁や内田日銀副総裁に相次ぐハト派発言を受けて、市場ではマイナス金利解除後も金融緩和政策が続く=円金利が低位に抑えられるとの見方が浸透)、(3)上記1、2を背景とした円キャリートレードの継続期待(日米金利差に着目したドル買い・円売り)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。

本日予定されている一連の米経済指標(米2月ニューヨーク連銀製造業景況指数、米2月フィラデルフィア連銀景況指数、米1月小売売上高、米1月輸出入物価指数、米1月鉱工業生産、米1月設備稼働率、米2月NAHB住宅市場指数)が市場予想を上回る場合には、米金利上昇に伴うドル買い・円売りと、米株上昇に伴うドル買い・円売りが重なることから、ドル円が心理的節目151.00を突破し、昨年高値151.91に向かって上値を伸ばすシナリオが想定されます。政府・当局による実弾介入はこのタイミングでは出てこないと考えられることから(投機的な動きではなく、日米金利差というファンダメンタルズに沿った合理的な動きであるため)、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。

本日の予想レンジ:150.00ー151.50

注:ポイント要約は編集部

ドル円、高値圏での底堅い動きが継続中。政府・当局による円安牽制発言は効果なし

ドル円日足

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