内田日銀副総裁によるハト派的な発言を受けて、約2ヵ月半ぶり高値圏へと急上昇
〇ドル円、内田日銀副総裁のハト派発言、米指標の好調に米国時間朝方に149.50まで上昇
〇ユーロドル、ECB関係者のタカ派発言続き、1.07台を堅調推移
〇ドル円、主要テクニカルポイントの上で推移、強い買いシグナルも継続、地合い強い
〇ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の違いと円キャリートレードの継続期待がドル円支持
〇引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:148.75ー150.00
海外時間のレビュー
8日(木)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値147.93まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)清水日銀理事による「マイナス金利を解除しても緩和的な環境が続く」とのハト派的な発言や、(2)内田日銀副総裁による「マイナス金利解除後もどんどん利上げするパスは考えにくい」「緩和的な金融環境が大きく変化することは想定されない」とのハト派的な発言、(3)上記1、2を背景とした日銀による金融緩和の長期化観測(本邦10年債利回り低下→円売り再開)、(4)日経平均株価の急上昇(リスク選好の円売り圧力)、(5)米新規失業保険申請件数(結果21.8万件、予想22.0万件)の良好な結果、(6)米12月卸売売上高(結果+0.7%、予想+0.3%)の市場予想を上回る結果、(7)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(8)米主要株価指数の堅調推移が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値149.50(昨年11/27以来の高値圏)まで急伸しました。
引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間2/9午前6時35分現在)では、149.34前後で推移しております。尚、昨日はリッチモンド連銀バーキン総裁より「利下げへの確信はインフレが一段と抑制されることによって決まる」「雇用市場は逼迫しているが、データが示すほど逼迫していない」との発言が見られましたが、ドル円相場への影響は限られました。
8日(木)のユーロドル相場は底堅い動き。欧州時間朝方にかけて、高値1.0789まで上値を伸ばすも、一巡後に伸び悩むと、(1)米新規失業保険申請件数の良好な結果や、(2)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0741まで反落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(3)ベルギー中銀ウンシュ総裁による「賃金上昇が利下げを阻んでいる」「より安心できる賃金データが得られるまで待つ価値はある」との早期利下げに慎重な発言や、(4)レーンECB専務理事兼チーフ・エコノミストによる「2%目標への道筋確保には一段のディスインフレが必要」との早期利下げに慎重な発言、(5)オーストリア中銀ホルツマン総裁による「ECBが今年中に利下げを実施しない可能性は確かにある」とのタカ派的な発言が支援材料となり、本稿執筆時点(日本時間2/9午前6時35分現在)では、1.0777前後まで持ち直す動きとなっております。
本日の見通し
ドル円は一時149.50まで上昇するなど、昨年11/27以来、約2ヵ月半ぶり高値圏へと急伸しました。日足ローソク足が主要テクニカルポイントの上側に位置していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」が成立していること、昨年11/13高値151.91と昨年12/28安値140.25を起点としたフィボナッチ76.4%戻し(149.15)を達成したこと、日足のみならず下位足(60分足や240分足)でも強い買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは極めて強いと判断できます。
また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)日銀による金融緩和の長期化観測(先月開催された日銀金融政策決定会合後の記者会見で植田日銀総裁は「マイナス金利を解除しても極めて緩和的な環境が続く」と発言。また、昨日は内田日銀副総裁からも「マイナス金利解除後もどんどん利上げするパスは考えにくい」「緩和的な金融環境が大きく変化することは想定されない」との発言あり→マイナス金利解除後も円金利が低位に抑えられるとの思惑再浮上→円売り再開)や、(2)米FRBによる利下げ開始時期の後ずれ観測(3月FOMCでの25bp利下げ確率は18.5%まで低下→ドル買い再開)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違いとそれに伴う円キャリートレードの継続期待(日米金利差に着目したドル買い・円売り安心感)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。
以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル買い・円売りトレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(心理的節目150.00や、昨年高値151.91を早期に突破するシナリオを想定)。
本日の予想レンジ:148.75ー150.00
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.12.05
東京市場のドルは149円台で推移、中村審議委員の発言で円買い強まるか(24/12/5)
東京時間のドル・円は、日本銀行の中村豊明審議委員が、「利上げに反対しているわけではない」と発言したことで利上げ実施観測が高まり、149円70銭台まで下落した。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:斎藤登美夫
2024.12.05
ドル円 日米金融政策めぐり右往左往、値動き荒い(12/5夕)
東京市場は弱含み。前日NYでは再び151円台までドル高が進行していたが続かず、149円台まで押し戻されている。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2024.12.05
ドル円、底堅さも感じられる中150.50を挟んでの動き (12/5午前)
5日午前の東京市場でドル円は150円台半ばでのもみ合い。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.02.09
ドル円見通し 日銀副総裁発言をきっかけに急伸、149.47円付け年初来高値更新(24/2/9)
8日夜には米長期債利回りの上昇も重なって2月6日未明高値148.89円を超えて149円台へ乗せ、9日未明には149.47円まで高値を伸ばした。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.02.08
東京市場のドルは148円台半ばまで上昇、149円台乗せを試す展開に(24/2/8)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、内田日銀副総裁の発言を受けたドル買いによって148円66銭まで買われた。
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
- 掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。