ドル円、ポジション調整主導で持ち直す展開。本日は日銀会合後のダウンサイドリスクに要警戒(12/19朝)

週明け18日(月)のドル円相場は堅調な値動き。

ドル円、ポジション調整主導で持ち直す展開。本日は日銀会合後のダウンサイドリスクに要警戒(12/19朝)

ポジション調整主導で持ち直す展開。本日は日銀会合後のダウンサイドリスクに要警戒

〇ドル円、米国時間にかけ一時143.16まで上昇、その後は142円台後半で推移
〇日銀会合前のポジション調整、FRB関係者の早期利下げ織り込みへの牽制発言等が背景
〇ユーロドル、1.09台前半、タカ派なECB関係者発言等受け底堅い推移
〇ドル円、200日線を回復する一方で上方からは複数のレジスタンスが低下中、上値余地は乏しいか
〇ファンダメンタルズも日米金利差縮小とそれに伴う円キャリートレードの解消懸念が重石
〇本日、日銀金融政策決定会合と植田日銀総裁記者会見に注目集まる
〇何かしらの金融緩和修正がなされると見られ、会合後のドル円急落をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:139.00ー144.00

海外時間のレビュー

週明け18日(月)のドル円相場は堅調な値動き。アジア時間朝方にかけて、安値142.07まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)急ピッチな下落に対する反動買い(先週開催された米FOMC以降のドル売り・円買いの反動)や、(2)重要イベント(日銀金融政策決定会合)を控えたポジション調整、(3)シカゴ連銀グールズビー総裁による「市場の利下げ織り込みは我々の想定よりも大きく困惑している」との牽制発言、(4)クリーブランド連銀メスター総裁による「来年の早期利下げを織り込む金融市場は少し先走っている」との牽制発言、(5)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(6)米主要株価指数の堅調推移が支援材料となり、米国時間昼頃にかけて、高値143.16まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/19午前6時00分現在)では、142.90前後で推移しております。

週明け18日(月)のユーロドル相場は底堅い動き。アジア時間朝方にかけて、安値1.0892まで軟化するも、一巡後に下げ渋ると、(1)欧米金融政策の方向性の違い(先週開催された欧米の金融政策決定会合のスタンスの違い→ハト派な米FOMC vs タカ派なECB理事会)に着目したユーロ買い・ドル売りや、(2)ユーロクロスの堅調推移(ユーロポンド上昇→ユーロドル連れ高)、(3)スロバキア中銀カジミール総裁による「性急な利下げは長すぎる引き締めのリスクよりも重大」とのタカ派的な発言が支援材料となり、米国時間昼頃にかけて、高値1.0932まで上昇しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間12/19午前6時00分現在)では、1.0920前後で推移しております。尚、昨日発表されたドイツ12月IFO現況指数(結果88.5、予想89.5)、同IFO期待指数(結果84.3、予想85.6)、同IFO景気動向指数(結果86.4、予想87.7)はいずれも市場予想を下回る冴えない結果となりましたが、ユーロ売りでの反応は限定的となりました。

本日の見通し

ドル円は12/14に記録した約4カ月半ぶり安値140.97をボトムに反発に転じると、昨日は一時143.16まで反発しました。日足ローソク足が200日移動平均線を突破したことで、テクニカル的な買いが入ったと考えられます。但し、上方より複数のレジスタンスポイント(一目均衡表転換線、基準線、21日移動平均線、ボリンジャーミッドバンドなど)が急ピッチに垂れ下がってきていることや、強い売りシグナルを示唆する「一目均衡表三役逆転」「21日移動平均線と90日移動平均線のデッドクロス」が点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、上値余地は乏しいと判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる早期利下げ観測の高まり(先週開催された米FOMCは総じてハト派的な結果→CMEが提供するFed Watchツールによると、来年3/20開催の米FOMCでの25bp利下げ確率が63.4%へ急上昇)や、(2)日銀による金融緩和の修正観測(米国が来年3/20開催の米FOMCで利下げに転じる前に、日銀が本日予定されている会合や、来年1/22・23会合、3/18.3/19会合で金融緩和の修正に踏み切るのではないかとの思惑)、(3)上記1、2を背景とした日米金利差縮小とそれに伴う円キャリートレードの解消懸念など、ドル円相場の下落を連想させる材料が揃っています。

こうした中、本日は上記2を見極める目的で、日銀金融政策決定会合と植田日銀総裁記者会見に注目が集まります。当方は、先週開催された米FOMCで早期利下げ観測が高まった影響(米国が利下げに転じる前に金融緩和脱却に着手しておきたい)を受ける形で、本日の日銀金融政策決定会合で何かしらの金融緩和修正(声明文から追加緩和を示唆する文言の完全削除+マイナス金利解除やYCCの許容変動幅拡大などの緩和修正措置)がなされると見ているため、日銀金融政策決定会合後のドル円急落をメインシナリオとして予想いたします(事実、通貨オプション市場ではオーバーナイト物のインプライドボラティリティが高騰すると共に、リスクリバーサルも円コールオーバーが急拡大するなど、ダウンサイドを織り込む動きが活発化)。

本日の予想レンジ:139.00ー144.00

注:ポイント要約は編集部

ポジション調整主導で持ち直す展開。本日は日銀会合後のダウンサイドリスクに要警戒

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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