ドル円:11月21日からの先週
先週はトランプ次期米大統領の経済政策、トランプノミクス(大型減税・大規模インフラ投資・規制緩和)への期待から、週初110台で始まり週末には113台半ばまで堅調に上昇しました。
21日は、先週引けの110.88で始まり、すぐに21日高値の111.36まで上昇後、21日安値の110.45へ反落し、110.84で引けました。フィッシャー米FRB副議長が講演で、米国経済がFRBの2つの目標に接近したとの楽観的な見解を示した事で、12月の米利上げはほぼ確実と受け止められた事、今月末のOPEC総会での生産調整の正式合意への期待がドル買いを支持した格好です。
22日は、先日引けの110.81で始まり、すぐに22日安値の110.26まで下押しした後、22日高値の111.35へ上昇し、111.13で引けました。今日時間の朝方、福島県沖を震源とするM7.4の地震発生からリスク・オフでスタート、ドル売り・円買いが先行しました。その後、地震の影響に対する懸念が後退し、ドル買い・円売りが優勢になりました。
23日は、前日引けの111.13で始まり、東京時間は111.00を挟んで方向感がありませんでした。その際23日安値の110.84を付けました。海外時間に入り、予想を上回った米10月耐久財受注を受け米成長期待が強まりドル買いが加速、ストップロスを巻き込んで23日高値の112.97まで急伸したあと、112.48で引けました。
24日は、前日引けの112.51で始まり、すぐに24日安値の112.35まで下押しした後、終日じりじりと上昇し24日高値の113.53へ上昇し、113.33で引けました。日経平均株価が6日続伸となり、円売りとなりました。NY市場は米国が感謝祭の祝日で
したがダウ先物など株価も上昇し、12月の米利上げ観測が一段と高まり、ドル買いが強まりました。
25日は、前日引けの113.33で始まり、すぐに25日高値の113.89、3月15日以来の高値まで上戻しした後、終日じりじりと下降し25日安値の112.55へと下押しした後、113.06で引けました。米10年債利回りが2.36%台まで低下したことでドル売りが優勢となりました。海外時間は、感謝祭翌日で短縮取引であったので、流動性は減少し方向感は出ませんでした。
ドル円:11月28 日からの今週
ポイント:引き続き円安と日本の株高は、この年末・来年にかけオーバーシュート。
イベントは11月30日の石油輸出国機構(OPEC)総会、12月2日に米雇用統計、4日にイタリア国民投票。
11月30日の石油輸出国機構(OPEC)総会、12月2日に米雇用統計、4日にイタリア国民投票を控え、リスク要因もあるため、週末にかけては要注意、調整局面入りの可能性もありです。
CME通貨先物ポジション状況:11月15日時点
(11月15日) (11月8日) (11月1日)
円 20676 31956 43160
ユーロ ▲119182 ▲129314 ▲137385
ポンド ▲80313 ▲89845 ▲82961
シカゴIMM: 短期投機・投資家による円の買い持ち高は前週から更に減少し、円買い持ち高は6月来で最小となりました。
これまでのネット円い持ち最高水準は、2008年3月25日 +65,920、2004年2月6日 +64499、過去最高ネット円売り持ち高は、2007年6月26日 -188,077
シカゴVIX指数:投資家の恐怖心理の度合いを示す指数、
12.34←12.43 VIX指数は前日比小幅下落しての引け。昨日も米株価指数は史上最高値を更新。米感謝祭翌日の短縮取引で、動意は薄くレンジも狭かったのですが、リスク・オンの地合いは強い。
2016年最大は32.09、過去最大は2014年の31.06、過去最安は1993年の8.89、直近では2006年の9.39
米10年債利回りは一時2.41%と2015年7月15日以来の水準まで上昇。
ドル円がどこまで上昇するのかに関しては、米10年債利回りがポイントです。
一時2.41%と2015年7月15日以来の水準まで上昇し、ドル円はこの動きにつれた展開となっているため、米金利上昇が続く限りはドルの上値を試す展開が続くと想定します。
トランプ次期米大統領の経済政策、トランプノミクスへの期待感から、半値戻しの112.44、つまり2015年高値125.86から2016年安値99.02の50%戻しには到達しました。 次の上値目途は、61.8%戻しの115.61です。
OPEC総会に関しては、今までもそうであったようにOPEC参加国間の利害対立から、生産調整の合意形成は難しいと想定します。ここで想定外の生産調整が合意される場合には足元のドル買いを加速させるでしょう。
米雇用統計に関しては、もう既に米雇用市場がほぼ完全雇用の状態に近いとされるので、非農業部門の雇用者数の伸びは穏やかなものになると想定されます。市場の関心は賃金の上昇率で、穏やかでも増加となってゆくのかにちゅうもくです。その場合にはやはり足元のドル買いを加速させるでしょう。
イタリア国民投票に関しては、ユーロ圏が来年、オランダ、フランス、ドイツと、政治選挙が続いて予定されている中、もしこのイタリアの国民投票が否決される場合には、イタリアの政治的な混乱が予想され、そのままユーロ圏の政治的な混乱を予想させる事になるでしょう。イタリアの経済指標は悪い影響を受けると想定され、そのままユーロ圏の経済指標への悪い影響と予想させることになるでしょう。
予想レンジは、111.50〜115.00 と見ます。
オーダー/ポジション状況
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