ドル円、良好な米小売売上高を受けて急反発。米金利上昇と米株上昇のコンビネーション相場(11/16朝)

15日(水)のドル円相場は下落後に急反発。

ドル円、良好な米小売売上高を受けて急反発。米金利上昇と米株上昇のコンビネーション相場(11/16朝)

良好な米小売売上高を受けて急反発。米金利上昇と米株上昇のコンビネーション相場

〇昨晩、米PPI鈍化に対し、米小売売上高の予想比の堅調、NY連銀製造業指数の好調に為替市場乱高下
〇ドル円、米国時間に150.06の安値をつけた後151円台前半に急反発
〇ユーロドルは1.0886まで上昇後に1.0831まで反落
〇ドル円、再び一目均衡表基準線、転換線、21日移動平均線、ボリンジャーミッドバンドを上抜ける
〇強い買いシグナル継続、ここ数日の下げの半値戻しも達成、地合い極めて強い
〇引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:150.75ー152.25

海外時間のレビュー

15日(水)のドル円相場は下落後に急反発。(1)前日発表された米10月消費者物価指数の伸び率鈍化や、(2)米10月生産者物価指数(結果+1.3%、予想+1.9%)および、米10月生産者物価コア指数(結果+2.4%、予想+2.7%)の市場予想を下回る結果、(3)上記1、2を背景とした米長期金利の急低下(米国のインフレ鈍化期待→米FRBによる追加利上げ観測後退→利下げ開始時期の前倒し観測→米長期金利急低下)が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値150.06まで下落しました。

しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)米10月小売売上高(結果▲0.1%、予想▲0.3%)および米10月小売売上高・除自動車(結果+0.1%、予想▲0.1%)の市場予想を上回る結果や、(5)米11月ニューヨーク連銀製造業景況指数(結果+9.1、予想は▲3.0)の市場予想を上回る結果、(6)上記4、5を背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りは4.42%から4.56%へ急上昇)、(7)米主要株価指数の底堅い動きが支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値151.46まで急伸しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/16午前6時00分現在)では、151.40前後で推移しております。

15日(水)のユーロドル相場は上昇後に反落。(1)中国の主要経済指標(中国10月鉱工業生産、中国10月小売売上高)の良好な結果や、(2)ユーロ圏9月貿易収支(92億ユーロ黒字、予想67億ユーロ黒字)の黒字幅の予想比拡大、(3)米10月生産者物価指数および、米10月生産者物価コア指数の市場予想を下回る結果、(4)上記3を背景とした米長期金利の急低下が支援材料となり、米国時間朝方にかけて、高値1.0886まで上昇しました。しかし、買い一巡後に伸び悩むと、(5)米10月小売売上高および米10月小売売上高・除自動車の市場予想を上回る結果や、(6)米11月ニューヨーク連銀製造業景況指数の力強い結果、(7)上記5、6を背景とした米長期金利の急上昇(米10年債利回りは4.42%から4.56%へ急上昇)が重石となり、日本時間0時頃に、安値1.0831まで反落しました。引けにかけて小反発するも戻りは鈍く、本稿執筆時点(日本時間11/16午前6時00分現在)では、1.0843前後で推移しております。

本日の見通し

ドル円は前日11/13に記録した年初来高値151.91(2022年10月21日以来、約1年1カ月ぶり高値圏)をトップに反落に転じると、米国のインフレ鈍化(米CPIおよび米PPIの市場予想を下回る結果)に反応する形で、昨日は一時150.06まで急落しましたが、米10月小売売上高および米11月ニューヨーク連銀製造業景況指数が市場予想を上回ると、一転して151.46まで急伸する荒々しい値動きとなりました。日足ローソク足が再び一目均衡表基準線、転換線、21日移動平均線、ボリンジャーミッドバンドを上抜けしたことや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「ダウ理論の上昇トレンド」が継続点灯していること、ここ数日間の下げ幅の半値戻し(151.91→150.06→151.46)を既に達成できていること(半値戻しは全値戻しの格言あり)などを踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。

また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(米長期金利が高止まりするとの思惑)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(円金利が低位に留まるとの思惑)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違いとそれ伴う円キャリートレードの継続期待(日米金利差に着目したドル買い・円売り)、(4)株式市場の堅調推移(リスク選好の円売り継続→クロス円上昇→ドル円連れ高)など、ドル円相場の続伸を連想させる材料が揃っています。以上を踏まえ、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします(年初来高値151.91や、昨年高値151.95を早期に突破するシナリオを想定)。

尚、本日は米11月フィラデルフィア連銀景況指数や、米10月輸出入物価指数、米新規失業保険申請件数、米10月鉱工業生産、米10月設備稼働率、米11月NAHB住宅市場指数、米当局者発言(クリーブランド連銀メスター総裁、ニューヨーク連銀ウィリアムズ総裁、バーFRB副議長)など、重要イベント目白押しとなるため、米国時間帯のボラティリティ拡大に注意が必要でしょう(アップサイドリスクを特に警戒)。

本日の予想レンジ:150.75ー152.25

注:ポイント要約は編集部

良好な米小売売上高を受けて急反発。米金利上昇と米株上昇のコンビネーション相場

ドル円日足

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