円キャリートレード継続で年初来高値を突破。本日は米CPIがメインイベント
〇ドル円、米国時間朝方にかけて、年初来高値151.91まで上昇後に一時151.20まで急落
〇10月末の高値151.74突破に伴う仕掛け買いと、介入警戒感による利食い・ロスカットが背景か
〇売り一巡後は持ち直し、終盤は151.70前後の推移
〇ユーロドル、1.0665まで下落の後、米金利低下に1.07近辺まで反発
〇ドル円、テクニカルの地合い極めて強く、ファンダメンタルズも日米金融政策の方向性の差がサポート
〇本日は日本時間22:30に発表される米10月消費者物価指数に注目
〇引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想
〇本日の予想レンジ:150.75ー152.25
海外時間のレビュー
週明け13日(月)のドル円相場は上昇後に反落。(1)日米金利差に着目した円キャリートレードの継続や、(2)日経平均株価の底堅い動き、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力、(4)直近高値(10/31に記録した高値151.74)突破に伴う仕掛け的なドル買い・円売りが支援材料となり、米国時間朝方にかけて、年初来高値151.91まで上昇しました。しかし、昨年高値151.94に一歩届かず反落に転じると、(5)政府・日銀による介入警戒感や、(6)短期筋の利食い売り(短期筋のロスカットへ波及)が重石となり、年初来高値を記録した僅か30分後に、安値151.20まで急落する荒々しい値動きとなりました。もっとも、売り一巡後に下げ渋ると、引けにかけて持ち直し、本稿執筆時点(日本時間11/14午前6時30分現在)では、151.70前後で推移しております。尚、昨日発表された米10月財政収支(結果666億ドル赤字、予想650億ドル赤字)は市場予想を上回る赤字幅拡大となりましたが、市場の反応は限定的となりました。
週明け13日(月)のユーロドル相場は冴えない動き。(1)欧米金融政策の方向性の違い(欧米金利差に着目したユーロ売り・ドル買い)や、(2)欧州経済の先行き不透明感、(3)米金利上昇に伴うドル買い圧力が重石となり、米国時間朝方にかけて、安値1.0665まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると、(4)欧州債利回り上昇に伴うユーロ買い圧力や、(5)ドイツ9月経常収支(結果281億ユーロ黒字、前回166億ユーロ黒字)の黒字幅拡大、(6)米金利低下に伴うドル売り圧力(米ニューヨーク連銀が発表した1年後の期待インフレ率が前回の3.7%から3.6%へ低下)、(7)欧州株の堅調推移が支援材料となり、米国時間午後にかけて、高値1.0706まで反発しました。引けにかけて小反落するも下値は堅く、本稿執筆時点(日本時間11/10午前6時30分現在)では、1.0699前後で推移しております。
本日の見通し
ドル円は10/31に記録した高値151.74を上抜けすると、年初来高値151.91(昨年10月以来の高値圏)まで急伸しました。日足ローソク足が6日営業日連続で陽線を記録していることや、強い買いシグナルを示唆する「一目均衡表三役好転」「強気のパーフェクトオーダー」「強気のバンドウォーク」「ダウ理論の上昇トレンド」が揃っていること、日足のみならず上位足(週足)や下位足(4時間足)でも強い買いシグナルが点灯していること等を踏まえると、テクニカル的に見て、地合いは「極めて強い」と判断できます。また、ファンダメンタルズ的に見ても、(1)米FRBによる金融引き締め長期化観測(来年の利下げ開始時期の後ずれ観測)や、(2)日銀による金融緩和の長期化観測(植田日銀総裁は先週、複数回にわたって金融緩和を粘り強く続ける姿勢を強調)、(3)上記1、2を背景とした日米金融政策の方向性の違い(日米金利差拡大に着目した円キャリートレードの継続期待)など、ドル円相場の上昇を連想させる材料が揃っています。
政府・日銀は円安牽制を繰り返し行っていますが(昨日は鈴木財務相より「為替相場の急激な変動は好ましくない」「為替は市場においてファンダメンタルズに基づいて決まるもの」「市場を注視し、緊張感を持って万全の対応する」との発言あり)、足元のドル円上昇は日米金利差というファンダメンタルズに沿った妥当な動きであるため、為替介入に踏み切ることは容易では無いと考えられます。以上のことから、当方では引き続き、ドル高・円安トレンドの継続をメインシナリオとして予想いたします。尚、本日は日本時間22:30に発表される米10月消費者物価指数に注目が集まります(市場予想を上回る結果となれば、米金利上昇→米ドル買いの経路で、昨日高値151.91や、昨年高値151.94を上抜ける可能性あり)。
本日の予想レンジ:150.75ー152.25
注:ポイント要約は編集部
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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