東京市場のドルは150円手前の攻防、介入警戒が重しとなり150円は遠い
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、追加利上げ観測期待と政府・日銀による為替介入警戒の綱引きとなり、149円台後半でのもみ合いとなった。
昨晩の海外時間では、9月の米消費者物価指数(CPI)が、米金融当局が期待するほど鈍化しなかったことなどから追加利上げ観測が高まり、米10年債利回りは4.72%台まで上昇。ドルは149円88銭まで買われたが、150円手前では政府・日銀による為替介入警戒が意識されて上げ一服となった。
東京時間もこのムードは変わらず、ドルは149円台半ばから後半でのもみ合いとなった。株式市場では、足元上昇していた日経平均が反落となったこともあり、新たなドル買い材料は観測されなかった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:149円78銭
高値:149円83銭
安値:149円57銭
終値:149円71銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:157円74銭
高値:157円99銭
安値:157円70銭
終値:157円92銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円59銭
高値:94円89銭
安値:94円50銭
終値:94円64銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:182円42銭
高値:182円83銭
安値:182円38銭
終値:182円74銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32328円39銭
高値:32533円08銭
安値:32249円03銭
終値:32315円99銭(前日比−178円67銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
18時00分、欧、ユーロ圏鉱工業生産指数(前月比)、前回:−1.1%、市場予想:0.1%
18時00分、欧、ユーロ圏鉱工業生産指数(前年比)、前回:−2.2%、市場予想:−3.5%
22時00分、欧、ラガルドECB総裁とゲオルギエバIMF専務理事がIMF世銀年次総会で世界経済について議論
22時00分、米、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁が米経済見通しについて講演
23時00分、米、ミシガン大学消費者信頼感指数、前回:68.1、市場予想:67.6
※IMF世銀年次総会(15日まで)
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強いが、3日の乱高下以降、20日MAがサポートラインとして機能しているが、心理的な節目である150円も目先の上値抵抗ラインとなりつつあり、狭いレンジ推移となっている。
米CPI発表に伴い、米10年債利回りは今週最も高い水準まで上昇したが、ドルは150円台回復とはならなかった。政府・日銀による為替介入警戒は非常に高い。
10月4日以降、鈴木財務相、神田財務官ともに目立ったコメントを発していないが、神田財務官が発した4日朝のコメントで気になる箇所はある。
3日の海外時間での急変動に対して「介入の有無はコメント控える」と記者団に答えたほか「一方向に一方的な動きが積み重なって、一定期間に非常に大きな動きがあった場合は過度な変動に当たりうる」とも述べた。そして、一定期間の考え方については「1日の場合もあれば2週間ほど、1カ月ぐらいの場合もある。年初来からだとドル円は20円以上の値幅がある。そういったことも一つの要素だ」と説明した。
これまで、政府・日銀による為替介入は、「過度な変動」つまりボラティリティを見極めてから実施する姿勢を示してきたが、今回の神田財務官の話は「年初からの円安の値幅も『過度な変動』の一つの要素である」と新たな解釈が追加された。
実際、3日の海外時間でのドル急落は「為替介入」ではなく、「レートチェック」だと私は思っているが、4日の神田財務官の新たな口先介入は、市場関係者に大きなインパクトを与えることに成功した。瞬間的に2円超のドル安円高を見せられては、150円水準の手前でドルの上値が重くなるのは仕方がない。
今晩の海外時間も、米10年債利回りが4.7%台後半に上昇しても、150円台到達は難しいと考える。上値メドは149円90銭、下値メドは149円10銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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