リスクは再びドル高へ、ただ上値は重そう(10/13夕)

13日の東京市場は引き続きレンジ取引。149円後半におけるドルは強保ち合いながらも、上値は重く上げ渋り様相だった。

リスクは再びドル高へ、ただ上値は重そう(10/13夕)

リスクは再びドル高へ、ただ上値は重そう

〇東京市場のドル円、149.55-85といった30ポイント弱の変動にとどまり、積極的な動意に欠ける
〇昨晩発表の米消費者物価指数は予想を上振れ、市場はドル買いで反応でドル円は一時149.83まで上昇
〇リスクはドル高方向に再びバイアスが掛かるものの、円買い介入警戒などもあり150円には届かず
〇底堅いが上値も重いという状況から、148-149円台中心のドル強保ち合いがしばらく続く可能性も
〇欧米時間のドル円予想レンジは149.10-150.10、ドル高・円安方向は149.83が最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、149円半ばをめぐる攻防にまずは注目

<< 東京市場の動き >>

13日の東京市場は引き続きレンジ取引。149円後半におけるドルは強保ち合いながらも、上値は重く上げ渋り様相だった。

ドル/円は149.80円前後で寄り付いたものの、積極的な動意に欠ける。実際、値動きは149.55-85円といった30ポイント弱の変動にとどまった。3連騰をたどっていた日経平均株価が本日は軟落したこともやや材料視され、小幅に円買いが進むもマーケットを大きく動かすまでには至らず。16時現在では149.75-80円で推移し、欧米市場を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは「パレスチナ情勢」と「米金融政策」について。
前者は、パレスチナ情勢が引き続き関心を集めるなか、各国要人によるイスラエル訪問や電話会談などが相次ぎ観測され、同時に支援の動きも続々と観測されている。たとえば英政府は早々に、「東地中海に英軍の偵察機と艦船を派遣する」と発表。また、米国防長官もイスラエルへの安全保障支援に条件付けない旨のコメントを発していたようだ。一方、日本の上川外相がイスラエル外相と電話会談を行うなか、ドイツ外相や米国防長官は13日にイスラエルを直接訪問する考えを明らかにしていた。

対して後者は、昨日欧米時間に発表された注目の米消費者物価指数が予想を上振れ。もっとも関心の高いコア指数は予想通りだったものの、市場はドル買いで反応し、結果ドル/円は一時149.83円まで上昇と150円を再び意識した値動きをたどっている。そうしたなか米ボストン連銀総裁が「一段の引き締めを排除しない」と述べたほか、ブルームバーグも「年内の追加利上げへの扉は引き続き開かれている」などと報じていたようだ。なお、一部報道でパウエルFRB議長が、いわゆる「ブラックアウト期間」前に当たる来週19日にNY経済クラブで講演すると伝えられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

ドル/円相場は、これまで何度も報じてきた148.17-149.54円という小レンジを昨日上抜け。一時149.83円まで上昇し、そのままNYも高値圏で引けている。リスクはドル高方向に再びバイアスが掛かるものの、当局の円買い介入警戒などもありその後も150円には届いていない。底堅いが上値も重いという状況から、148-149円台を中心としたドルの強保ち合いがいましばらく続く可能性もありそうだ。
引き続き日米などの金融政策を注視する向きが多く、少し長い目で見た場合には月末に予定されている日米欧それぞれの中銀による政策金利発表が再び意識され始めているようだ。短期的には、それに向けて発表される経済指標や要人発言などに一喜一憂する展開か。また、地政学リスクの高まりそして、原油価格に与える影響などを懸念する向きも多く、波乱要因として警戒されている。

テクニカルに見た場合、ドル/円は149.54円を上限とする小レンジを昨日上抜け。レベルが切り上がった感もあるが、一方でドルの上値は如何せん重い。近くて遠いイメージも台頭している150円台へと乗せる展開は果たしてあるのだろうか。なお、昨日超えてきた149円半ばを再びしっかりと下回ってしまうと元の木阿弥。148-149円台を中心としたボックス圏へと逆戻りしてしまう可能性も。

本日は米経済指標として、10月のミシガン大学消費者信頼感指数速報が発表されるうえ、欧米通貨当局者の発言機会も引き続き多い。また、JPモルガンなど金融機関を中心とした米企業決算発表にも一応要注意。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは149.10-150.10円。ドル高・円安方向は昨日記録した149.83円が最初の抵抗。超えれば150円、そして150.16円が視界内に。
対するドル安・円高方向は、昨日上抜けてきた149円半ばをめぐる攻防にまずは注目。下回ると149円や移動平均の21日線が位置する148.70-80円などがターゲットに。

リスクは再びドル高へ、ただ上値は重そう

ドル円日足


注:ポイント要約は編集部

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
掲載している情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。
掲載している商品やサービス等の情報は、各事業者から提供を受けた情報または各事業者のウェブサイト等にて公開されている特定時点の情報をもとに作成したものです。
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る