東京市場は147円台での小動き、強い米CPIで年初来高値更新か（23/9/13）

【本日の東京市場】

東京時間（日本時間8時から15時）のドル・円は、今晩の米8月の消費者物価指数（CPI）発表を前に様子見ムードが強いなか、147円台半ばでのしっかりとした推移となった。

昨晩の海外時間では、既に米CPIを見極めたいとするムードが強まっており、植田日銀総裁発言報道での週初の下落に対する買戻しが一巡した後は、147円台での小動きとなった。

東京時間も、様子見姿勢が強い地合いとなり147円台前半から半ばでの小動きに終始。債券市場で10年国債利回りが0.7％台と前日比では上昇しなかったこともあり、目立った売買は手控えられた。

ドル・円（日本時間8時―15時）
始値：147円06銭
高値：147円45銭
安値：147円06銭
終値：147円31銭　

ユーロ・円（日本時間8時―15時）
始値：158円19銭
高値：158円66銭
安値：158円16銭
終値：158円28銭

豪ドル・円（日本時間8時―15時）
始値：94円53銭
高値：94円72銭
安値：94円34銭
終値：94円44銭

ポンド・円（日本時間8時―15時）
始値：183円75銭
高値：184円25銭
安値：183円74銭
終値：183円98銭

日経平均（日本時間9時―15時）
始値：32742円29銭
高値：32872円44銭
安値：32616円65銭
終値：32706円52銭（前日比−69円85銭）

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

18時00分、欧、ユーロ圏鉱工業生産指数（前月比）、前回：0.5％、市場予想：−0.9％
18時00分、欧、ユーロ圏鉱工業生産指数（前年比）、前回：−1.2％、市場予想：−0.3％
21時30分、米、消費者物価指数（前月比）、前回：0.2％、市場予想：0.4％
21時30分、米、消費者物価指数（食品・エネルギー除くコア）（前月比）、前回：0.2％、市場予想：0.1％
21時30分、米、消費者物価指数（前年比）、前回：3.2％、市場予想：3.6％
21時30分、米、消費者物価指数（食品・エネルギー除くコア）（前年比）、前回：4.7％、市場予想：4.3％
23時30分、米、原油在庫（前週比）、前回：−630.7万バレル、市場予想：−247.5万バレル

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円は、一目均衡表の雲上限を上放れているほか、遅行スパンも実線を上回っていることから目先のトレンドは強い。11日に20日移動平均線（MA）を一時下回ったが、即日で値を戻していることから強いトレンドは継続と考える。短期的なターゲットとして、年初来高値（9月7日、8日の147円88銭）を上抜き、150円台到達が意識されよう。

米CPI（前月比）の市場予想は、0.4％と前月（0.2％）を上回っている一方、コアCPI（前月比）は0.1％と前月（0.2％）を下回っており、市場予想はまちまち。ただ、ドルは147円台半ばまで値を戻しており、先週末の終値147円81銭と今週初の始値147円02銭のマド埋めをじりじりと試す展開だ。この推移をみる限り、市場は米CPIを強気に見ていると考える。その背景には、エネルギー価格の上昇があると推測する。

1バレル90ドルに届きそうなWTI原油先物は、今年7月の70ドル水準からじりじりと上昇し、8月には80ドル台で推移していた。原油価格がタイムリーにCPIに結び付くとはさすがに思わないが、7月よりもWTI原油先物の価格が上昇していることは間違いない。エネルギーを除いたコアCPIの市場予想が前月よりも低く、CPIが前月を上回る市場予想なのは原油価格の事情があるのだろう。

どちらにせよ、強い米CPIが確認できた場合は、「金利先高感を背景に、米10年債利回りが8月22日の年初来高値4.3618％に接近もしくは上抜け→日本の10年国債利回りが0.7％台だろうと日米金利差は拡大→原油価格も高いのでドル高円安」というシナリオで、ドルは年初来高値を更新すると考える。政府・日銀による為替介入への警戒感は残るものの、直ちに為替介入を実施するほど醸成されていない政府・日銀の状況を考慮すると、目先のターゲットは150円となりそうだ。

今晩の海外時間では、強い米CPIに伴うドル買いの展開を想定する。上値メドは148円20銭、下値メドは東京時間の安値水準の147円00銭とする。