東京市場のドルは139円38銭まで下落、利上げ余地残るユーロに注目か(23/7/27)

日銀金融政策決定会合に対する警戒感などが意識され、ドルは一時、下げ足を強めた。

東京市場のドルは139円38銭まで下落、利上げ余地残るユーロに注目か(23/7/27)

東京市場のドルは139円38銭まで下落、利上げ余地残るユーロに注目か

【本日の東京市場】

東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を「ややハト派寄り」と市場が捉えたほか、今日から開催されている日銀金融政策決定会合に対する警戒感などが意識され、ドルは一時、下げ足を強めた。

昨晩の海外時間に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果は、0.25%の利上げと予想通りで市場への影響は限定的だったが、その後に行われたパウエルFRB議長の記者会見がドル売りの材料となった。「9月は利上げの可能性も利下げ無しの可能性もある」「引き続きデータ重視のアプローチで臨む」といった発言内容に留まったことなどから、「9月以降の追加利上げ」期待が低下。ドルは140円台を割り込む場面も見られた。

東京時間は、140円台でスタートしたが、11時以降、売り圧力が強まりドルは下落。海外時間でつけた安値139円94銭を割り込んだ後は下げ足を強め、7月20日以来の139円38銭までドルは売られた。目立った材料が観測されないままの売りだったこともあり、売り一巡後は140円台を回復したが、ドルの弱さが意識される地合いとなった。

ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:140円48銭
高値:140円49銭
安値:139円38銭
終値:140円18銭 

ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:155円72銭
高値:155円73銭
安値:154円88銭
終値:155円45銭

豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:94円94銭
高値:95円42銭
安値:94円75銭
終値:95円22銭

ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:181円70銭
高値:181円73銭
安値:180円82銭
終値:181円49銭

日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32523円69銭
高値:32938円59銭
安値:32503円69銭
終値:32891円16銭

【本日の海外市場の重要指標】日本時間

21時15分、欧、ECBが政策金利を発表、前回:4.0%、市場予想:4.25%
21時30分、米、実質GDP(前期比年率)、前回:2.0%、市場予想:1.8%
21時30分、米、個人消費(前期比年率)、前回:4.2%、市場予想:1.3%
21時30分、米、GDPデフレータ(前期比年率)、前回:4.1%、市場予想:3.0%
21時30分、米、PCEコアデフレータ(前期比年率)、前回:4.9%、市場予想:4.1%
21時30分、米、耐久財受注(前月比)、前回:1.8%、市場予想:1.1%
21時30分、米、耐久財受注(輸送除くコア)(前月比)、前回:0.7%、市場予想:0.2%
21時45分、欧、ラガルドECB総裁が記者会見
23時00分、米、中古住宅販売成約指数(前月比)、前回:−2.7%、市場予想:−0.5%

※予定は変更することがございます。

【テクニカル分析】

日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、7月6日以降は、6営業日連続陰線示現というきつい下げとなり、バンド下限を下回る場面が見られたものの、100日MA(137円34銭)水準がサポートラインとして意識され反発。足元、20日MA(141円14銭)に頭を押さえられた格好となっている。

日足の一目均衡表では、雲上限(140円70銭)水準での攻防を迎えているが、遅行スパンは実線を明確に下抜けておりトレンドは弱い。下向きの20日MAに頭を押さえられていることも考慮すると、雲下限(137円63銭)を意識した展開も視野に入ろう。

昨晩のパウエルFRB議長の記者会見での発言に対して、市場は「ややハト派寄り」と評価した。6月会合後の記者会見と異なる点として、今後の利上げについて強調しなかった点が挙げられる。6月会合では、2023年末の政策金利見通し(ドット・チャート)を5.1%から5.6%(予想中央値)に引き上げたこともあり「複数回の利上げの必要性」にふれる場面が見られた。前回会合後の記者会見と比較すると、これまでの「タカ派的」から「ややハト派的」に転換したとの見方もできよう。パウエルFRB議長は、言葉を選んでいる印象はあるが、何を言っても行間を読まれてしまうのはFRB議長の宿命か。

一方、今晩のラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁の記者会見では、今回のECB理事会にて0.25%の利上げを行った後も、追加の利上げ実施を行う余地が十分あることが説明されるだろう。ユーロ圏の6月の消費者物価指数(CPI)は、総合指数の伸び率が前年同月比5.5%、食品とエネルギー、酒類、タバコを除いたコア指数で同5.4%と非常に高い。昨年10月以降、総合指数は低下傾向にあるが、コア指数は同10月から5%台を維持しており、日米のCPIが3%台で推移しているのとは水準感が異なる。

となれば、利上げ余地が無くなったドルよりも利上げ余地が残るユーロに投資するのが賢明と考える。ラガルドECB総裁の記者会見以降、ユーロがドル、円に対して強含む展開を想定する。

今晩のドルは、対ユーロはともかく、対円でも売られやすい地合いを想定する。上値メドは本日の東京時間の高値水準の140円50銭、下値メドは本日の安値を下回る139円00銭とする。

東京市場のドルは139円38銭まで下落、利上げ余地残るユーロに注目か

ドル円日足

オーダー/ポジション状況

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