ドル円、FOMC後の米長期金利低下に一時139.50割れ
27日午前の東京市場でドル円は反発後に急落。朝方140.24レベルで取引の始まったドル円は、序盤に140.49まで上昇した後もみ合いとなりました。しかし、時間外の米長期債利回りが再度低下に転じたこと等で10時台に急落。一時139.38の安値をつけた後、東京時間正午現在は139.60レベルで取引されています。
日経平均株価は、円高進行等を嫌気して売りが先行しましたが、FOMC後の米株先物が時間外取引で上昇していること等を受け買い戻され、その後は前日終値近辺で一進一退の動きとなり、61円高で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では、注目されたFOMCで市場予想通り0.25%利上げが決定されました。パウエル議長の記者会見では、「データ次第で9月会合は利上げも現状維持もあり得る」と発言したあたりがハト派的ととらえられ、ドル円は一時139.93レベルまで下落しました。その後も「FRBのスタッフはもはやリセッションは予測していない」「大きな雇用の喪失ない2%のインフレ目標達成が私自身の基本予測」等楽観的な発言も散見されたものの、一方で「政策は十分に引き締め的でなく、期間も不十分」「今年は、利下げはしないと思う」「辛抱強い姿勢と決意が必要」「インフレが目標の2%に低下するのは2025年ごろ」等従来通りの慎重発言も多く、全体としては、今後の利上げについて都度のデータで判断するとの従来のスタンスを繰り返し、なんら言質を与えませんでした。
ただ、声明文の景気判断が若干上向き(expanding at modest pace→ moderate pace 他はほぼ変更無し)、経済のソフトランディングに対し前向きな見方を示した分だけ、多少タカ派色が薄まったという印象でした。ドル円は終盤やや戻し、140.24レベルで東京時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、昨晩からの下落で一目均衡表の「雲」の中に沈み、転換線も割り込んできています。地合い悪化により下値目途は137.86レベルの90日線辺りまで拡大しています。
FOMCでは、FRBと市場の今後の引き締め維持期間の見通しの相違が再び浮き彫りになる形となりましたが、楽観的な要素が増えた事で、一旦市場はこれを消化、ドル円の焦点は明日の日銀政策決定会合結果公表と総裁記者会見にシフトしつつあります。日銀会合も無風がコンセンサスながら、一応の警戒感から基本的には様子見姿勢が続きそうです。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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