雇用統計は反応薄(2016年11月4日)

本日NYでは、米9月貿易赤字の予想以上の縮小、10月雇用統計が12月の利上げを後押しする結果

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雇用統計は反応薄(2016年11月4日)

注目の米大統領選挙を控えた10月雇用統計は反応薄

本日NYでは、米9月貿易赤字の予想以上の縮小、10月雇用統計が12月の利上げを後押しする結果となったためドル買いが優勢となり、ドル円は102.91から103.29へ上昇。ユーロドルは1.1115から1.1080へ下落しました。

1.10月雇用統計で市場予想通り失業率は5%から4.9%へ低下。
2.非農業部門雇用者数は前月比+16.1万人と、予想の+17.3万人を小幅下回りました。
3.ただ、9月分は+19.1万人へ+15.6万人から上方修正され、
4.平均時給は前月比+0.4%と7月来で最大の伸びとなりました。前年比では+2.8%と2009年6月来で最大の伸び。
5.労働参加率も62.9%から62.8%へ低下。
6.不完全雇用率(U6)も9.5%と、9.7%から低下し2008年4月来の低水準となりました。

発表を受けたNY市場は、米株が堅調地合い。
米雇用統計が、非農業部門雇用者数は予想を下回ったものの、前回分が上方修正されたことが好感されての動きでした。一方で年内の米利上げに関しては、可能性が高まった、FRBの12月の利上げに向け地合いが整いつつあると受け止められました。

米雇用の伸びは、労働市場が最大雇用の状況に近いこともあり減速傾向にはあります。年初来の雇用の伸びは月間平均で18.1万人と、2015年の22.9万人から縮小しています。ただ、イエレンFRB議長は、労働市場への新規参入者を吸収するには月間 10万人未満の伸びで十分との考えを示しています。

ただこの日は、最終8日に控える大統領選の行方に市場の注目が集まっている為、極めて動意薄でした。
米大統領選挙での共和党候補のドナルド・トランプ氏が勝利するのではないかとの観測が出ているので、VIX指数が線先週の12台から23台まで急上昇する中、安全資産とされる国債に資金が流入した一方、高利回り債券からは大規模な資金の流出が見られています。大統領選を4日後に控えたリスク・オフの動きです。ただ、その動きはあくまで秩序立っていて、パニック的なものにはなっていません。

今回の米雇用統計ですが、
失業率は4.9%と、前月の5.0%から低下し、低下は労働参加人口の減少を反映していると見られます。
8月と9月の非農業部門雇用者数は従来発表より4万4000人上方修正されました。
賃金は前月比0.4%増え、伸びは前月の0.3%増から加速、前年比では2.8%増と、2009年6月以来の大幅増となったものの、日数のねじれによる押し上げ効果もあったともされます。

データは総じて、FRBによる12月の利上げと完全に整合する内容です。
特に、賃金増は、平均的な労働者にとっては朗報で、給与が増え自由に使える額もやや上向き、退職後に備えた貯蓄を積み増す事も出来ます。

ポイントは、12月利上げが、終盤戦で大接戦の様相となっている米大統領選の行方に左右される事です。
選挙結果がかなりの僅差となり、候補者のいずれか、もしくは双方が法廷での決着に持ち込む事態になれば、FRBの利上げ計画は頓挫しかねないと想定します。

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