東京市場のドルは144円水準で推移、ECBフォーラムにて円全面安再加速なるか
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、米利上げ再開観測が強まったことや、日経平均の大幅反発などを背景に144円台水準で推移した。
昨晩の海外時間に発表された6月の米コンファレンスボード消費者信頼感指数は109.7と市場予想(103.8)を大幅に上回る結果に。強い経済指標を受けて利上げ再開観測が強まったことから、ドルは買い優勢となり年初来高値を突破、144円21銭まで上昇した。
東京時間では、朝方、神田真人財務官が、一段と円安が進んでいることについて「高い緊張感を持って注視している」とした上で「行き過ぎた動きがあれば適切に対応する」と記者団に述べた。今週二回目の円安けん制発言を受けて、朝方は144円台を割り込む場面が見られたものの、影響は限定的。日経平均が5日ぶりに大幅反発となったことで、「日本株高に伴う円売り」のフローも入り、介入警戒に伴うドル売りの地合いは回避された。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:143円96銭
高値:144円05銭
安値:143円74銭
終値:143円97銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:157円75銭
高値:157円75銭
安値:157円43銭
終値:157円69銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:96円22銭
高値:96円23銭
安値:95円17銭
終値:95円68銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:183円52銭
高値:183円53銭
安値:183円07銭
終値:183円22銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:32807円84銭
高値:33193円99銭
安値:32642円87銭
終値:33193円99銭
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
17時00分、欧、デギントスECB副総裁が討論会に出席
22時30分、植田日銀総裁、パウエルFRB議長、ベイリー英中銀総裁、ラガルドECB総裁が討論会に出席
23時30分、米、原油在庫(前週比)、前回:−383.1万バレル、市場予想:−128.0万バレル
23時30分、米、ガソリン在庫(前週比)、前回:47.9万バレル、市場予想:6.1万バレル
24時30分、ス、メクラー・スイス中銀理事が講演
未定、米、FRBが銀行ストレステストの結果を公表
※予定は変更することがございます。
【テクニカル分析】
日足ベースのドル・円をボリンジャーバンド(20日移動平均線(MA)、±2σ)で確認すると、バンド下限の−2σ水準で下影(3月24日安値129円65銭)を残した後は反発。6月15日に1円超の上影(上ひげ)を残したが、翌16日には上影を吸収し年初来高値を更新する強い地合いが見られる。
日足の一目均衡表では、雲上限(136円59銭)を明確に上放れており、「三役好転」が示現している。140円レベルでのもみ合いを上放れ、半年ぶりの水準まで上昇していることから需給面は非常に良好である。目先、昨年一回目の為替介入が入った9月の水準である145円を意識した短期的なトレンドが見られる。
今晩22時30分から開催される欧州中央銀行(ECB)フォーラムにて、植田日銀総裁、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長、ベイリー英中銀総裁、ラガルドECB総裁が出席する。
金融緩和策を継続する日銀、年内後2回の利上げを見込むFRB、6月に市場予想を上回る利上げを実施した英中銀、早い段階から7月の利上げ実施をアナウンスするECBと三者三様ならぬ四者四様である。ECBフォーラムで新しい方針を各総裁が発言することは想定しにくいから、発言としては各中銀のスタンスを改めてアナウンスする程度だろう。
ただ、市場は金融緩和策を継続する日本円を売るスタンスを明確にしていることから、各中銀の変わらぬスタンス再確認でも円売りが強まる可能性は十分ある。昨日、紹介した通り、ヘッジファンドの円売りポジションは昨年のピークとほぼ同じ水準であることから、ここからの伸びしろは小さいかもしれないが、為替介入実施までまだ日にちがあるとの読みの下、145円をターゲットとした円売りドル買いのポジションを構築する余地はあろう。
今晩のドルは、上記を考慮し一段のドル高を想定しておきたい。本日の上値メドは、年初来高値水準を上回る144円50銭、下値メドは本日の東京時間の安値水準でもある143円80銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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